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20.山のドラゴン
シャロレッタはそんなレグザイアをじっと観察する。
ふふふ、ああ、いいね。いらだちと焦りが見える。
こうしているうちにも兄はどんどん強くなり、反逆が成功する可能性がなくなっていくのを感じているんだろうか、ふふふ、いい表情だ。あはは。
「おい、それでどうなんだ」
レグザイアの声がシャロレッタの返事をうながす。
「ああ、問題ないよ。こんどは、なかなかの大物だからね」
「本当に強いんだろうな。いいか、そこらの魔物だけじゃああいつにはかないっこない」
「ふふ、問題ないっていってるじゃないか。今回はS級の魔物、あの山のドラゴンだからね」
シャロレッタがそういうと、レグザイアは驚いた表情を見せた後、顔をにやりとゆがめた。
しかし、S級の魔物ということで不安なのか、心配そうな様子がその表情から読みとれる。
「しかし、どうやってS級の魔物を従えるんだ? 俺はS級と戦うなどという危険をおかすわけにはいかないからな」