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118．『ユニークスキル』

　セルトリン王国でも、『勇者』の召喚が行われた。彼らはみな、世界で一人しか持つことのできない『ユニークスキル』をもって現れた。その力は、たとえどんな『魔王』が現れようとも、決して負けることはないと思えるほどに強力な力だった。そのことは、新たなダンジョンの出現に不安が広がっていた人々を安心されるに足るものだった。人々は『勇者』を褒めたたえ、そのように強い力を持った『勇者』を召喚した王国の求心力は天井知らずに伸びていった。

　他の国々でも同様のことは起きており、世界は『勇者』によってダンジョンが攻略されることを疑っていなかった。実際、一か月が経った今、100個あった『魔王』のダンジョンは79個まで数を減らしていた。それに対して『勇者』側は、未だ死者0人の100人のままである。

　しかし、『魔王』側も段々と慣れてきたのか、今までのように一筋縄ではいかなくなってきた。そして、一か月が経ち、『魔王』側では新たな動きが始まっていた。