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10.依頼と報酬
シャロレッタがそういうと、ジェリンナは顔をフンっと横に向けた。
シャロレッタはにこりと笑っていう。
「たしかに、君のいうように依頼だよ」
ジェリンナの反応を観察していると、彼女はこちらに続きをうながすような目線を送ってくる。
「君にね、ある場所を爆破してほしいんだ。もちろん報酬はだす」
報酬と聞いたときのジェリンナのしぶい表情を見てシャロレッタはつけたした。
「……ああ、もちろん、報酬は魔道具でね。君がほしいのはそれだろう?」
ジェリンナは手に取った魔道具と箱の中の魔道具を交互に見つめる。
そして、おずおずと質問する。
「それは、報酬がこの魔道具だという認識でよろしいかしら」
「ああ、もちろん。でも、それだけじゃない」
ジェリンナがぴくりと反応する。
「へえ、この魔道具、わたしにもできないほど繊細に加工してあるけれど……ほかにもっといいものがあるとは思えないわ」