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【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編

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99話 17歳 犬を飼おう、小狼の作成、第1子出産

 魔境の荒波が多少なりをひそめました。ミズチとスティナラニアが出なくなりました。10月が始まりましたかね。どうも、ヘルマンです。ミズチとスティナラニアが出なくなりましたので、7日に1度のレイドは解散しました。小魔金貨をばら撒いたので結構な星の川が売れました。50個くらい出たんじゃないかな。今年は騎士爵が誕生したとは聞いていないので、来年に期待ですね。星4つ以上の人たちは大体200人前後だと思います。毎度来る人は稀だからね。星の川は毎回のように宣伝しましたが、買いに来たのは4分の1なんですよ。まあ上々でしょう。騎士爵をとったら11個の方も買いに来なさいねとは宣伝しておきましたとも。11個の奴も溜まっていく一方だからね。売らないと利益が出ないじゃん。魔石も…只みたいなもんだけど、只じゃ無いんだから。


 後はそうだな、酒屋さんはもう軌道に乗ったからなあ。ネバネバの追加発注も2回あったし、本当に軌道に乗ったんだろう。雇った店長が優秀だと何もしないでも商売が上手く行ってしまうんだね。…僕は赤字だけどさ。酒屋は僕の支援が無くても黒字らしい。凄いね、敏腕店長を雇ってしまったようだよ。後は領主館にも酒屋は認知されたようだ。領主館から使用人が店頭に買いに来ているらしい。入れ物は錬金術ギルドから買ってもらっている。僕が作るのが面倒だから。錬金術ギルドも大変になって来たよね。ポーションや酒の入れ物のせいで。主に僕のせいで。収入にもなるんだし、良いよね。


 そう言えば、エイミーのお腹が大分大きくなりまして、もうそろそろ生まれるとリチャードの嫁さんのダイアナさんから言われた。もうすぐ生まれるのか。前世の僕の読み通り10月くらいだったな。人間としてはそんなに変わらないという事なんだろう。…成長率は全然違うんだけどな。


 そんな訳で、犬を飼おうという事で、狼を作ろうと思います。今回の材料はこちら。まずラグーンウルフの死体。これをベースで作ります。それに混ぜる素材はスティナラニアの水晶鱗3瓶、満月茸10本、華燭草20本、竜巻草30本、王土通草の実40個を混ぜ込みます。それに最高品質の属性魔石を各1個ずつに最高品質の普通の魔石6個。合計12個の魔石を混ぜ込みます。とりあえず、これ入れたいなあと考えたものを一杯入れたいと思います。子犬にする予定です。成長する魔物、これを目指した素材と魔石です。そんな訳で、高い素材を大量に使った錬金術の開始です。朝早くですが、時間がかかる予定なので、時間を一杯とったつもりです。


 さあ素材を入れていくぞ。先に素材群を錬金釜に放り込む。その後にラグーンウルフの死体を放り込む。この時点で質量保存の法則が乱れている。そして魔石を放り込む。それで素材とラグーンウルフの死体は混ざっていいけど、魔石には混ざっちゃダメなんだけど、なんだけど! 魔力操作が尋常じゃないくらいに要求されますね。直ぐ混ざろうとする。これはやばいものが出来そうな予感がするな。失敗は無いと思う。成功するが、子犬になるのかどうかだな。子犬になって欲しいなあ。最低でもウォーターウルフくらいの1mくらいの犬になってくれよ。グルグルとかき混ぜます。


 …もう夜なんだけど、何でまだできないんだよ。確かに品質の高いものを沢山入れたさ。強く賢い子犬になって欲しいと願いを込めながら混ぜているが、…朝の2時くらいから作り始めて、もう夜の1時ですよ。マジでいつできるんだろう。食事も食べてないんだよ。お腹空いたよ。


 現在朝の2時です。24時間以上混ぜてます。まだ、まだ固まりません。長すぎるよ。造命派は毎回こんなことやってんのかな。…材料を欲張ったかなあ。いや、強く賢い子犬には必要だと思ったから入れたんだ。後悔するのは作った後。せめて作るときは楽しく作らないと。


 現在朝の2時です。48時間混ぜ続けてます。…もう終わりたい。一体いつになったら終わるんだ。…メイドさんにご飯は口の中に突っ込んで貰いました。楽しむ余裕は無いですよ。魔力回復ポーションも何度も飲んでます。限界以上を要求しすぎたか? でもなあ、最近構想がまったく降りてこなかったから楽しかったんだよ。これも混ぜたいこれも入れたい。限界以上を楽しみたいと思ってしまったんだよ。それがこんな目に合うなんて。しかし、これ以上は魔力操作にミスが出てきてもおかしくない精神状態です。本当にやばいから。2徹なんて聞いてないよ。


 そんな訳で、朝の4時。ようやく固まりだしたぞこの野郎。50時間も釜を混ぜているとか苦行か。…苦行だなあ。まあここからミスる訳にもいかんので最後の仕上げをしっかりとしましょうね。素材の方よ固まれ固まれ。…固まったな。よし、魔石の方と混ぜるぞ。…混ぜるのが重い。なんぞこれ。また魔力操作を精密方向に求めやがって。テンション上がってきてる今、そう言う要求はきついですよ。…あ、これはあかんやつや。大きな動物になりそうになってる。小さくなれ小さくなれ。魔力を過剰に圧縮する。もっと小さく。子犬ぐらいに。うらああああああ。


 …出来上がったのは30㎝くらいの小狼になりました。過剰に圧縮した加減か目が覚めて無いんだけど、…早目にエイミーの所に持って行こう。小狼をかかえて4階にダッシュ。眠いのも我慢。急げ急げ。


「エイミー、これテイムして。」


「テイム! …終わったよ。ヘルマン寝てないんでしょ? 大丈夫?」


「だいじょばない。ねむい。ねる。」


 緊張の糸が切れたようにふらふらとベッドの方に向かい横になった。おやすみなさい。


 起きたのは次の日の朝だった。おはようございます。よく寝ました。久しぶりの思い付きの錬金術だったからな。羽目を外し過ぎたな。小狼になってよかったけど。…まだ起きないのか机の上に丸まってる。『エクステンドスペース』に仕舞えないから生きているのは確実だな。生きてると入んないからね。


 エイミーとはベッドは違う。妊婦になってからは別にしました。…怖いんだよね。僕が原因で降りるようになるのは。まあエイミーも納得してくれたから別々に寝てる。…子供の方もいつ生まれてもおかしくないみたいなんだよね。錬金術中でなくて良かったよ。


「ヘルマン…お腹痛い…。」


「お腹痛い? …⁉ もしかして産まれる⁉ ちょっと待って! ダイアナさん呼んでくる!」


 走ってリチャードの部屋へ。リチャードはもう仕事してるけど、ダイアナさんはそろそろご飯のはずだ。まだ部屋にいてくれよ。


「ダイアナさん! エイミーがお腹痛いって!」


「直ぐ準備をします。ベッドに布を大量に置いておいてください。それとお湯の入った桶が有るといいです。それと上級ポーションと初級ポーションを。」


「解りました!」


 ダッシュで階段を昇る。急げ急げ。昨日の今日で生まれるなんて僕の運はどうなってるんだろうね。そんな訳で、エイミーの布団を剥いで布を沢山『エクステンドスペース』から出す。それとお湯か。風呂場にいかなきゃ。大桶はあるから走れ走れ。


 お湯を持ってきたらダイアナさんが来ていた。どうなんだ? 大丈夫なのか? すでにズボンは脱がされて布を上にも下にも敷いている。とりあえず、桶は置いた。次は何をすればいい?


「桶にポーションを入れてください。初級ポーションの方です。そしたら奥様に話しかけてください。ずっと話していてください。」


「解りました!」


 そんな訳で初級ポーションを桶のお湯に混ぜてエイミーに話しかける。


「エイミー。漸く生まれるんだよ。」


「うん、早く会いたいよ。」


 エイミーと何気ないことを話していた。途中でエイミーが呻いたり、声にもならない悲鳴を上げたりしながら時間だけが過ぎて行った。どれだけ経ったのかは解らない。ただ、エイミーに話しかけ続けた。会話が途切れない様に、ずっと。そして、エイミーの呻き声と共に子供が生まれた。


「旦那様、上級ポーションを飲ませて上げてください。もう大丈夫です。」


 おぎゃあおぎゃあと泣き声を上げる赤ん坊。良かった。無事に生まれてくれて。エイミーに上級ポーションを飲ませてあげながら頑張ったねと声をかける。エイミーは泣いていた。安堵と喜びと不安かな。そんな入り混じった感情だろうな。…僕も嬉しいと同時に不安だからな。ちゃんと父親出来るだろうか。


「元気な男の子ですよ。奥様、抱いてあげてくださいな。」


「ヘルマン、産まれたよ。良かった…良かったよ。」


「うん、産まれたね。でももっと産むんでしょ? 頑張らないとね。」


「うん…うん。」


 そう話をしていると遠吠えが聞こえた。小狼も起きたのか。この狼も大概不思議な色になったもんだよなあ。根っこの方は青灰色で毛先に行くほど水晶のように透き通っていく。珍しい色をしてるよな。僕も人のことは言えないが、小狼も起きてきたことだし、子供の名前を考えないとな。…忘れてたなあ。何にしようかな。


「ねえ、ヘルマン。この子はアランって名前にしたい。いい?」


「アラン…良いんじゃない? こっちの小狼はどうしようか。」


「そっちはルクス。もう決めちゃった、おいでルクス。」


 ルクスと名付けられた小狼がこっちにやってきて赤ん坊をじっと見ている。…守ってやってくれよ。守護獣のようなイメージで作ったんだからな。まだルクスも生まれたばっかりだけど、頑張ってくれ。


 エイミーは疲れたから一旦寝るそうだ。アランと一緒に。僕の方も今日はアランの様子を見て居よう。ずっと見て居られるな。…これから寒くなるこの時期。赤ん坊の為にも空調の結界を張りたいなあ。寒いのは嫌だよね。どうするかなあ。窓の外を見る。下には精霊樹が茂っており、畑が見える。…精霊樹か。…精霊樹か! これはいける気がするな。精霊樹を使えば維持費の問題が無くなるかもしれない。…でも今日はアランを見て居よう。漸く生まれてきてくれたんだ。しっかりとした大人になってくれよ。ルクスもアランの横に丸まって眠り始めた。…平和だなあ。こんな日々がずっと続けばいいなあ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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[良い点] ある意味子犬はヘルマンくんが体を痛めて産んだと言えますね 夫婦そろってのご出産おめでとうございます [気になる点] 一人で完結するだけの実力と財力があるせいか専門外でも新しいことをそのまま…
[良い点] 第一子誕生&ペット誕生おめでとうございます。 [気になる点] たぶん才能が行けそうだと思ったんでしょうけど、造命派でもここまで大量の最高品質魔石使うのは極まった人な気がしますね。 成長する…
[良い点] おめでとさん! [一言] 造命派は極まった人じゃないと無理みたいですね。主人公は今後も子供が生まれるたびに狼なり何なりを創る気力は保つんでしょうか。
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