96話 17歳 スティナラニアのレイド予約入りました
魔境が最活性化する季節。7月に入りましたよ。どうも、ヘルマンです。レイドは一旦中止ですね。ミズチとスティナラニアがいるんだからいつものレイドが出来ない。危なすぎるからね。それでもまあ、魔境には潜っていますが。…ミズチは美味しいですね。水属性の鱗が沢山採れますから。まあ今年は売るんですが。また錬金術ギルドで買い直しますよ。スティナラニアは1人じゃ厳しいんですよ。難易度が星1つ分しか違わないなんてのは嘘ではないでしょうか。星9つと5つでも苦戦するんですが。…修練が足りてないという可能性も有りますがね。鉄迎派ではないので、こればっかりはどうしようもない感じです。頑張って倒しましょう。
まあ、パーティーを組めれば難易度が変わるんでしょうけどね。それに剛剣を使っていれば威力が違うし、その辺はもうどうしようもありません。細剣で訓練してきたんです、今さら剛剣を持てませんよ。継戦能力の高いのは細剣なんだよね。切れ味も殆ど関係ない飛剣を使う様になったせいで、何戦でも出来ますからね。…じゃあ土属性にしたのも意味ないんじゃないかって? 意味があるんですよ。飛剣は魔力を鞭のように伸ばして斬るんだが、それには土属性が乗る。だから属性は関係あるんですよ。それに直接斬った方が強いのは変わりなし。所詮は魔力を伸ばしたものなんです。直接攻撃の方が強いのは真理ですよ。
飛剣乱舞では傷を付けるくらいにしか抉れなかったスティナラニアですが、流石に直接攻撃ならば8分の1くらいは持って行けると思うんですよね。ルカさんとマウロさんが攻撃に加わってくれればなお早いと思います。…でも誰も武器の新調に来ないんですよね。他の錬金術師の所に行ったとは考えにくいので、鍛冶屋に直接行ったんでしょう。そこから属性金属なりを仕入れていると思います。…鞭はどうするんだろう。鱗鞭にするくらいしか金属は使えないと思うんですよ。皮はラグーンウルフの皮を使うんでしょうか? どちらにしても鞭は中々に難しい武器なんですよね。技は飛鞭だと思うんですが、どうなんでしょうね。鉄迎派じゃないので知らないんですよ。
属性金属を使ってこないのであれば、攻撃回数は増えるでしょうね。ウォーターボールを使われたら飛剣乱舞で抵抗するくらいしか防御方法が有りません。ジュリオさんが属性金属の盾を持っていれば受けて貰う事も考えますが、威力を弱めるくらいはしないといけませんね。
錬金術の方は進展は有りません。構想が降りてきません。まったく進んでおりませんので話すこともありません。面目ないです。結界の方も進展なし。維持費を軽減する方法が何も思い浮かびません。一応魔術師ギルドに行って魔道具を色々と聞いてみたんですが、それらしきものは有りませんでした。…絶対何か有るはずなんですよ。維持費が安くなる方法。それが何か解らないのがもどかしいですね。今年中には見つけるという意気込みを持って行いましょうね。
後は、酒屋ですね。そっちは雇った店長が優秀だったみたいです。ネバネバの追加発注が早速来ていました。無事に軌道に乗ったとの報告が有りました。1か月で軌道に乗ったというのは凄いことですね。この調子でどんどんと事業を拡大していって欲しい所です。領主館にはまだ行っていないとのことだったので、代官屋敷の方から攻める様に伝えました。幾ら酒好きでも直接乗り込むには難しいと思います。なので代官屋敷を通じて領主様の耳に入ればいいと思っております。店長、優秀なようですし、何とかするでしょう。
後は、料理の才能持ちを何人か代官屋敷に募集を出しました。そろそろ飲食店をやらせる人たちを育てたいと思っております。募集内容としては自分の店を持ちたい人で募集をかけてます。お店は費用を持ちますので後は頑張ってくれという感じですね。借金が無いだけでもかなりの物だと思いますよ。西通りを飲食店で埋め尽くしたいですね。冒険者が景気が良い以上、店は何軒あっても足りませんよ。今の飲食店の稼働率は1000%を超えています。100%までにはしてあげたい。何処も店の前で溢れ返っていますからね。…その所為で酒屋が軌道に乗ったんでしょうけどね。裏街も潤っているみたいですし、孤児が増えそうだなあ。避妊なんてしないもんね。
それとテイマーギルドが蜜を売り出しました。現在砂糖の価格は保存瓶当たり大金貨2枚にまで下がっています。前は中白金貨1枚だったからね。国内生産というのは大きいですね。それに換えて蜜は中金貨1枚。…利益は度外視ですねこれ。錬金魔物は餌がある限り死にませんから、そのうち元が採れるからというこの価格。何とも気の長いことで。小魔銀貨1枚で1匹なんだから一体いつになったら元が採れるんだっていう話よ。3000年くらいかかる奴よ? 砂糖がもっと安くなっても売れるとは思うけどね。蜜の方が使いやすいから。才能が無くても美味しいのは蜜の方だからね。
そんな訳で、今日は店番の日、多少来るようになった客相手に物を売る様になっている。冒険者にはポーションやピッタリ長靴を。平民には髪洗液を売っている。人気店という訳では無いが、平民にも認知されてきているようで何よりだ。ルカさん達にもピッタリ長靴は売ったよ。スティナラニアのレイドをするのに打ち合わせをした時にさ。…その時に武器のことは思いつかなかったんだよなあ。思いついていれば聞いていたはずなんだがなあ。まあ、今日には来る予定ですし、その時聞きましょうか。
そうやってのんびりと店番をしていたらルカさん、ジュリオさん、マウロさんがやってきた。ミズチのレイドを昨日やるっていうのは冒険者ギルドで確認済みだからな。さて、答えはどうなったかな。
「おう、ヘルマン。邪魔するぞ。スティナラニアのレイドの件だ。7日後でどうだ? 俺らもミズチ相手にある程度はやれたからよお、お前みたいに1人でってなると厳しいが、何とかなることは解ったからな。スティナラニアでもやれそうなくらいには余裕があった。」
「それは良かったです。…それよりも武器はちゃんと土属性で新調してますか?」
「当然だな。それくらいは俺らだって用意する。鍛冶屋に頼んで作って貰ったさ。…盾も効果あんのかは俺は知らないけど。」
「ミズチで試した感じ、効果はあったと思いますよ。スティナラニアの突進も受けきって見せます。」
「鞭も鱗鞭にしてもらった。土属性の鱗鞭は高かったが、スティナラニア相手には加減を考える方が無理だからな。全力で行く予定だ。」
「新調しているようで何よりです。じゃあ7日後に北門を西に行ったところで合流しましょう。星は4つ以上に限定してくださいよ。まだ僕たちのレイドだと不安が有るので。」
「まあなあ。他の奴を気に掛ける余裕は無いわな。ケルピーやラグーンウルフの相手をしてもらわにゃいかんのだ。星4つ以上で募集をかけるさ。」
「お願いします。僕の方は準備は万端ですので、7日後、派手に決めてやりましょう。」
「ああ。…何体かやるんだ。冒険者ギルドにスティナラニアを解体させてやろうぜ。」
「ええ、派手に行きましょう。」
「おう。」
決意を固め、レイドを7日目に出してもらう。何人集まるかな。100人くらいはいて欲しいな。星4つ以上で上を目指そうとしている人が。さてさて、レイドの準備は万端ですよ。最上級ポーションまで準備しています。使うことが無いと良いんですがね。
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素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。




