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【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編
89/201

89話 17歳 新年祭食べ歩き、才能に聞き耳

 1月の1日、僕たち平民の誕生日です。今年で17歳になりました。どうも、ヘルマンです。新年祭ですね。雇い入れたリチャードたちに給金を渡し、今日は自由にしてもらう予定だ。新年祭は休み、これでいいと思います。後は料理人が雇えればオッケーだな。孤児院から雇い入れたクレアは料理の才能に星を1つ振られているとのことなので、とりあえず皆の料理を作って貰うことにした。…貴族様は昼も食べているんだけど、習慣が無いからな。暫くの間は1人だし昼はいらないかな。ちゃんとした料理人、料理長を予定しているが、その人を雇い入れてから考えようか。


 因みにリチャードは既婚である。メイド長にしようかと思ったんだが、代官屋敷で仕事をしているらしい。むう、残念だ。エイミーの友達の誰かをそのうちメイド長にしないといけないだろうな。新人ばかりだからな、仕事ぶりを見てからだな。一番良さそうな人をメイド長にしよう。…結婚した人たちはどうするんだろうね。リチャードは結婚してたから、仕事場が移ったため奥さんと一緒に住んでるんだよね。子供は3人いる。子供部屋を2室取ってあるからまあ問題無いと思うんだよね。まだ小さいから子供たちで遊んでてね。近所の子たちと遊ぶだろう。星振りの儀は来年らしいから、来年は教会に行くんだろうな。


 というか友達とは教会で遊んでるのかな。文字の読み書きを覚えながら。教会もかなり大きかったから子供たちも沢山来るんだろう。半分学校みたいになっているんだろうな。町の人は自分のところで教える人も多いみたいだが、うちの子たちは皆教会に通わせる予定だ。大罪についてもしっかりと教えて貰いたいし、祈らせないといけないからね。今から心配になってくるよな。子供に何の才能が振られるのか。神様にお願いするのは子供たちだからなあ。まだ親にもなってないのに心配なんだよ。


 因みにリチャードの所は自分のところで教えていたらしい。だから友達は近所の子たちになるだろう。大罪についても教会ほどでは無いがしっかりと教えたらしい。子供はどうするんだろう。7歳で出すのか、13歳で出すのか。村だと7歳で出てくからな、子供たちの方から。大抵冒険者になりに行くんだもんな。それしか殆ど選択肢が無いんだし。代官屋敷で職業を探せるなんて知らないからな。…どうなんだろう。冒険者ギルドである程度したら教えて貰えるんだろうか? 見習いにしても7歳だとまだ早いからな。それとも他の冒険者との雑談とかで話題が出るんだろうか。…そんな気もするな。つるむ冒険者を間違えるとずっと冒険者なんだろうが。


 ここの冒険者ギルドには騎士爵のなり方は張り出してあるんだよなあ。魔境の冒険者ギルドの特徴なんだろうが、色んな情報が冒険者ギルドに張り出されている。そこに職業斡旋は代官屋敷でとか書いてあるかもしれないな。全部は見なかったからな。自分の依頼を確認するために他のをちらちら見ただけだからな。その時に騎士爵のなり方も見つけたんだよ。…来年はどうしようかな。ルカさんやジュリオさん、マウロさんに他の騎士爵達にも早く11個の星の川を買って欲しいんだよね。中魔金貨7枚だから十分に買える値段だ。今日から年金を代官屋敷で受け取れるから早く買いに来ないかな。3人には宣伝をしておいたからな。多分星の川も合うのがあるだろう。触って貰わないと解らないからな。剣士の才能のは何個かあったのは自分で確認できたんだよね。それ以外の確認は無理だ。確認できないのはしょうがないんだよ。


 まあ、ともかく今日は新年祭だ。エイミーと一緒に出店を回りながら星を振られた子供たちを冷やかしに行こう。他の使用人も今日は休暇を出す。遊んで来なさいという訳ですね。それとリチャードとは話をしてるんだけど、定期的に休みを入れさせることで話は付いている。…結婚はしたいじゃん。相手を探しに行かせたいじゃん。多分一杯来るとは思うけどね。赤皮紙使ってるからね。来る分には一杯来るだろう。だから要望は一杯書いておけとは言ってある。際限なしに来る可能性があるからね。普通の皮紙から赤皮紙になるってことはそういうところでも色々あるんだよ。多分要望を無視した人たちもダメ元で来るだろうが。まあ、良ければそれでいいしね。


「エイミー、今日は広場に遊びに行こうか。人で混んでいるだろうけど、お祭りだしね。」


「はい。今日は色々と買って食べたいですね。いつも美味しそうだとは思っていても買えませんでしたから。」


「好きなだけ買えばいいよ。後で食べたっていいんだからね。どんな料理があるんだい?」


「最近は色々と増えてきていて、色んな物があるんですよ。最近は麺というものが流行りだしたり、パンが安価で買えたりするんです。パンは最近毎日食べてますけど、昔はお祭りでしか売ってなかったんですよ。しかも高くて匂いだけで我慢してました。」


「麦粉が普及してきた証拠だね。粉ひき所が各地に出来たでしょ? あれは僕が考えた物なんだよ。」


「そうなんですか? 粉ひき所はいつでも使えるけど、順番待ちになったりもしてるんですよ。ちゃんと綺麗にするように小さな井戸も近くに作られてますし、あれはもの凄く便利ですね。色々なものを粉にできますもの。」


「ちゃんと使われているようで何よりだよ。麺が増えたってことは畜産農家は忙しくなったんじゃない? 卵を使うからさ。」


「そうですね。卵の値段が少し上がりましたね。鳥の数も増やさないといけないのに卵が売れるので悩ましいと言っていました。」


「そうやって食べ物の値段が上がることは悪いことじゃないんだよ。…上がり過ぎたら問題だけど、領主様の補助なしに生活できる方がいいからね。麦粥だけ食べる生活ってのはなるべくこの町では辞めさせたいね。美味しいものを食べなきゃ。」


「何かやるつもりなんですか? お金を使う話ですよね?」


「そうだね。料理人を多く雇ってそれぞれにお店をやらせようかなって思ってるよ。その前に料理長を雇って色々な料理を作れる人になって貰わないとね。クレアも頑張って覚えてくれているし、そのうち料理人を屋敷に増やす予定だよ。」


「そう言うことも考えてるんですね。貴族って大変なんですね。」


「まあ、これは僕の趣味みたいなものだけどね。僕の錬金術師としてのあり方だから。美味しいものを沢山食べて生活したいっていうのが僕の錬金術師としてのあり方だったから。」


「? それは錬金術師のあり方なんですか? 料理人のあり方みたいですね。」


「錬金術師は何でもありだって言われたから、これもれっきとした錬金術師のあり方だよ。…多分少ないとは思うけどね。」


「そうなんですね。食べ物を追求する錬金術師もいいんじゃないですか? 楽しそうですし。」


「この生き方を辞めるつもりはないけどね。後は料理人の才能にお任せかな。こういうのが食べたいって言ったら考えてくれるでしょ。そこからそれぞれに腕を磨いて貰ってさ。その後にお店に食べに行けば美味しい料理を沢山の場所で色々食べられるからね。」


「楽しそうですね。私も連れて行ってくださいね。」


「もちろん。それじゃあ、これから買い食いに行こうか。」


「はい。」


 そんな訳で2人で歩いて教会前広場にやってきた。…お店が一杯ある。流石に王都よりは少ないけれど、食べ物は王都よりも種類がある。麺1つにしても太いものから細いものまで沢山だ。…今度は短いパスタを流行らせるんだ。マカロニとかペンネとかも開発させるんだ。穴はあいてなくてもいいけど、短いパスタだってあるんだって、そう言う料理もあるんだって教えないとね。パスタを作る道具も作って貰ってもいいかな。鍛冶屋の仕事かな。麺とかも、麺だけを売る商人がいたっていいよね。色々発想はあるんだけど、どうかな? 料理の才能持ちが麺だけ作って食っていけるくらいには、麺をパスタを流行らせたいな。産業で言えば2次産業。食品加工だけを担う職人もいたっていいよね。ソーセージとかもさ、手間だけど、美味しいもんね。そう言うのも作らせよう。料理の才能持ちは全部抱えるくらいに考えても良いな。そうしたら雇うというよりもパトロンとしての仕事をやった方がいいのかな。楽しくなってくるな。


 色んな出店で食事を楽しみ、あれはどうだっただのこれが美味しかっただの言いながら待っていると、鐘が鳴り始めた。もうそんな時間か。朝の6時、正午だ。ゴーンゴーンと鐘が10回鳴らされる。あの鐘は聖者か聖女が作るものなんだってな。マリー姉も作れるんだろうか? …材料は金なんだろうか? それとも魔金なのかな? そんなことを考えていると教会の扉が開いて子供たちが飛び出した。…2000人くらいいるか? それくらい入るくらいには教会も大きい。聖職者もその分多くいることだろう。


 さてここからは耳を傾け何の才能に振られたのか聞く時間だ。いい趣味ではないが、これが中々に楽しい。剣士や槍使いの才能に振られたと言っている者や、錬金術師、魔術師、魔法使いに振られたものも居たり、鍛冶や裁縫、料理なんかもいたりする。果ては介護や掃除、遠見の才能なんかもいる。どんな場面に使える才能なんだろうか? 介護はそんな職業はまだないし、死に才能かなあ。おお、英雄もいるらしいぞ、星6つは確定だな。将来は騎士爵かな? 


 拳闘士? 素手での戦闘の才能だったかな? 素手は中々に厳しいんだよなあ。技まで行けば凄く強いらしいんだが、鍛錬を頑張れるかだな。詩人? 詩人かあ。吟遊詩人なんかで食っていくのは難しいぞ。芸術関係はパトロン探しだからなあ。絵画の才能なら食っていけるんだけど、詩人の才能は難しいぞ。まずはいい題材を探すことからだからな。今のこの町は冒険者が景気がいいから多少は良いかもしれないが。


 細工の才能か? 細工は結構需要あるぞ。魔鉄や鉄を使ってアクセサリーなんかを作る才能だな。エイミーは違ったけど、欲しいものを言ってくる相手もいるからな。男子諸君は覚悟したまえよ。大抵は気に入りませんでした。金さえ持ってれば変わりますがね。って言われてるのと同じだから注意しろよ。第六感? 出たよ謎才能。こういうのもあるんだよなあ。何に使うか解らんのだけど、重要なときにふと発揮するのが第六感だ。右に行くか左に行くか。どの馬車で行くか。はたまた今日は運が悪そうだ。なんていうめちゃくちゃな才能なんだ。他の才能を持っていれば上手くいく可能性もあるが、それだけだと難しいぞ。他は何に振ってもらったんだろうね。


 色々な才能を貰ったっていう声が聞こえるなあ。楽しそうな子もいれば、困惑している子供もいる。外野は楽しいなあ。自分の子供だったらこんなに気楽にはいられないだろうけどさ。一喜一憂する人々を眺めながらつまみを食べる。今日はそう言う日だからなあ。娯楽の少ないこの世界には必要なんだよ、こういう時間が。趣味は悪いが結構楽しいぞ? リチャードの子供も教会に祈りに行ってるけど、何になりたいんだろうか? それは来年の楽しみだなあ。自分の才能ガチャの時は緊張したんだっけか、忘れてしまったなあ。


 才能でいえばエイミーのテイマーの才能だよなあ。何かに使えるか考えてもいいかな。…従魔を作るくらいしか思いつかんけど、他にも使えると思うんだよね、テイマーってさ。うーむ。何か考えてみよう。今日はガヤなんだから楽しく行きましょう。さて、次の屋台に行きましょうか。


「あっちも行ってみようか。」


「そうですね。全部のお店を回りましょ。」


「いいねえ、ゆっくり見て回ろうか。」


 ああ、酒は飲まんからな。エイミーは少し飲んでいてほろ酔い状態なんだけどね。そんなに強くないとの事なので抑えるようです。でも、楽しそうにするエイミーを見てるとこっちも楽しくなってくるな。楽しいひと時は一瞬。でもこの一瞬を全力で楽しみましょう。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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[一言] 貴族は昼飯を食い 平民というか農民とかは昼飯を食わないまではわかるけど 冒険者たちのような肉体労働も昼食わないのはちょっと不思議 金がなくて食えないのはともかく まともに働けるタイプの冒険者…
[一言] 農家っていう才能の偉大さよ。 農業というひとつの基幹産業を開墾から収穫まで支えられる技能の多様さと凄さ(^-^; 個別技能の能力との差が凄すぎないかな。
[良い点] 淡々と話が進むけど、他のテンプレなろうとは違って異世界しているから面白い。 [気になる点] 麺は主人公が開発して広めたんだったけ? それでお金もらったっけ? [一言] 孤児に料理人とか欲し…
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