表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
錬金学術院編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/201

69話 13歳 7月6日 授業のおさらい、スライム型の造魔の作成、スケルトンの強化

 2番棟0501号室からおはようございます。7月の6日ですよ。どうも、ヘルマンです。今日は造命派の授業に来ております。結構楽しみにしていたんだ、造命派の授業は。まあ、鉄迎派、永明派、黎明派の授業はもう受けたんですがね。特に特筆することは無かったんですよね。


 先に1日に鉄迎派の授業をいつもの5人で受けました。コッコドリッロまでの安全運転で2日連続で戦い、帰ってきました。連携は確かに上手くなったとは思いますが、それだけですからね。あー、エドが土属性のツヴァイハンダーを手に入れていた位でしょうか。水属性には土属性が効くらしいんですよね。属性的には水、火、風、土、水という順番に強いんです。水属性には土属性で挑むのが吉という事ですね。


 永明派の授業は、まあ、ね。中級ポーションだし。もう上級ポーションを作っちゃったからね。10本作らされて、後はエンドレス初級ポーションでした。魔境の錬金術師には初級ポーションと上級ポーションを年にどれだけ冒険者ギルドに納品しなさいというノルマがあります。それは前回のゼミでも少し話題になりましたね。中級ポーションは基本的には使わない。そんな中途半端な冒険者が少ないんですよ。中級ポーションは錬金術ギルドか錬金術師の店にいかないといけない訳です。


 黎明派の授業はとってもためになりましたよ? 魔械時計の作成でしたからね。土属性の魔石を時針、分針、秒針に加工して魔力茸で12方を囲み、風属性の魔石でギアを作って時計とするっていう感じで錬金釜で混ぜました。…だってセレナさんが先生だったんだもの。説明がほぼなかったのと同じなので、なんとなくと才能だよりに作りました。セレナさんは致命的に先生に向いていないと思うんだ。流石にぐわっとしてそいってしてやーで終わりと言われたときには鳥肌が立ちました。無理ですって。…でも結構な人が成功してたと思うんだよね。あの説明で。まあ、僕と似たように才能に頼ったんだろうけど。


 そんな訳で後の授業は造命派と幽明派。幻玄派は無かった、そう言うことにしといてください。んで、今日の造命派の授業ですよ。スライム型の造魔の作成。これ、自分でも作ろうとしたんですけど、失敗したんですよ。…才能を頼ったのに失敗したんです。これは何かあると思っているわけですよ。属性素材が悪かったのか、才能に任せたのが不味かったのか。それが解るんですからね。そんな訳で、早速スタートです。


『造命派の授業だ。今日はスライム型の造魔を作る。材料は水属性素材と魔石だけだ。魔石は8つ有ればトイレでよく見るあのネバネバが作れる。8個使う理由は寿命を伸ばすためだ。今のトイレのネバネバは餌をやらないと30日しか生きられない。今日作るのはそれよりも短い。3日持てばいい方だろう。それでも人造の魔物、造魔を作れるのだ。これは才能だけでは作れない。理に反したことだからだ。生命の作成とは禁忌と同じと考えられることもあるが、それは違う。これもまた錬金術の技であると我々の派閥は考えている。才能を超えてこその技なのだ。今日、皆はそれを体験するだろう。』


 なるほど、理に反しないといけないのね。才能だけでは無理と。才能に頼っちゃダメな部類なのか、造命派は。…ゴーレムなんかは才能で出来そうなんだよね。なんとなくだけど、構想はすでにあるんだよな。材料も指定してもらっているし。…でも造魔は才能がゴーを出さないんだよ。技の領域なんだろうけど、鉄迎派の星の川も技だって言ってたしな。錬金術には何通りも技があるのか。


『では、錬金釜を出し、まずは水属性の素材を錬金釜に入れる。その次に魔石を入れるのだ。順番は先に素材でないといけない。そして、水属性の素材に魔力を込める。そうすると魔力が液体になるだろう。それを魔石の中に入れない様に混ぜるのだ。そうしたら魔石が溶けて来るはずだ。そうして魔石が溶けきったら魔石の魔力と混ざらない様に素材の魔力を混ぜ続ける。』


 言っているようにやっているが、自分のやっているのと手順が全然違った。混ぜちゃっていたからね、魔力同士を。そうした方がいいと思っていたから。しかし、混ぜないのは結構大変だ。直ぐに混ざろうとするからな。属性魔石を作った時はこの感覚で混ぜたんだ。自分でネバネバを作ろうとした時もそう。水の魔石にしかならなかったんだよ。…でもこれ何時まで混ぜるんだろう。


『混ぜ続けるとそろそろであるが、魔石の魔力が再度固まってくるので、固まる前に水属性の素材の魔力を混ぜる。そうすればどろどろとした物が出来上がってくる。それに土属性の魔石を入れれば、村にある肥料を生み出すネバネバになるが、今回は肥料を生み出さない物だ。そのまま固める様に魔力を抑え込め。そうすれば見たことのあるネバネバになるはずだ。失敗したものは何度も挑戦するように。素材は沢山持ってきているだろう?』


 どろどろの物を固める様にグッと魔力を込める。…ほんとだ、固まらない。ネバネバしたものが出来た。…何でこうなるんだろう? それを説明できれば技になるんだろうが、説明できないよなあ。才能に逆らってできるものが造命派の技の片鱗か。面白そうだな。…黎明派は抜ける気はないが、これを極めれば生物も思いのままに作れそうだ。…テイマーの才能も欲しかったなあ。そうすれば何かしら作れたかもしれないのに。まあ、無いものねだりは仕方ない。造命派も奥が深そうだなあ。


 ネバネバが出来たが、どうしようねこれ。…とりあえず寮のトイレに入れとくか。そのうち死ぬだろう。…死ぬと死体が残るんだろうか? どうなんだろう。残りそうな気がするが、ネバネバの死体をネバネバが食べそうだな。まあ、いいか。入れとこ。そして次の授業。幽明派のスケルトン強化の授業。今月の大本命だからな。素材が安上がりで、スケルトンが強化出来れば最高だな。闇属性の魔力茸だったとしても沢山持っているから問題なし。作るときに使ったから混ぜるときにも使うのかな? …でも、ゾンビの時は何もいらなかったんだよな。いらないなら楽でいいんだがなあ。


 そんな訳で、やってきました、6番棟0901号室。ここばっかり使っているような気がするが、気のせいだろう。そんな感じで授業スタート。


『ようこそ、幽明派の授業へ。今日はスケルトンの強化をやります。ゴブリンの死体はちゃんと魔鉄が入っていること。死体を持っていないものはおかえりください。それでは授業を始めます。』


 なんで帰る人がいるんだろうか。学べよ。単細胞じゃあるまいし。何度目だと思ってんだよ。


『魔力茸を持っていない人は助手に申し出てください。一応用意はしてあります。闇属性でなくても問題ありません。普通の魔力茸で結構です。―――それでは最初にスケルトンを錬金陣の上に寝かせてください。その上にゴブリンの死体を乗せてください。向きはどうでもよいです。そうしたら死体の上に魔力茸を乗せてください。乗せましたら、魔力茸に魔力を流し込み、魔力を引き出してください。それを死体に、魔鉄によく流し込んでください。』


 死体にも魔鉄にもよくよく流し込みましたよ。さあさあつぎはなんでしょうか。


『それでは死体から魔力を残さない様に引っ張ってください。そうすれば死体は残らないはずです。この時に、魔鉄が残っていたら失敗です。最初からやり直してください。成功した方は、スケルトンの骨全体に魔力を纏わせて、余りそうで有れば頭に流し込んでください。最後にその状態で安定させるために魔力を押し込んでください。魔力が固まれば終了です。スケルトンの強化は体全体の身体能力の強化と頭脳の強化です。凡そ500体位まで効果があることが解っています。それ以上は強くはなりません。力も最大強化でもゾンビに劣ります。なのでゾンビにも使い道はあるのです。…ゾンビの強化は力も強くなりませんし、頭もよくなりませんので使い方に限りがありますが。』


 500体かー。結構いるな。積極的にゴブリンを狩らなきゃ。スケルトンの強化のコストは軽いみたいだし、作成にしか闇属性の魔力茸を使用しないのがいいよね。強化し放題だよ。しかも頭がよくなるのは良いね。永明派のスケルトンは500体強化と見た。快命草の採取ができる位には賢くなるってことだからね。言い方は悪いが、草刈り冒険者よりも使える。これは真面目に言っている。


 帰ってからは今までのゴブリンの死体の処理だ。600体程あるから1体は最大強化できるよ。これからも魔境には何度もお世話になるなあ。魔力茸の在庫は使い切れない程には持っている。さてさて、部屋でスケルトンの強化祭りですよ。さあさあ、まだまだ今日は長いですよ。食堂に先に行って夕飯を食べたら強化だ強化。終わるまで寝ないつもりでやりますよ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ