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56話 13歳 4月1日 初めての魔境、貴族は鉄迎派志望?

PVが増えると同時に過去の誤字報告が増えました。

報告をくれている方、ありがとうございます。

なるべく誤字の無いようにしているつもりですが、沢山あります。

申し訳ないです。

 北西門前広場からこんばんわ、鉄迎派の授業中だよ。どうも、ヘルマンです。現在時刻は真夜中、野営の交代の時間です。目覚まし時計なんてないこの世界、見張りの交代時間も凡そでやっている。…まあ、魔械時計があるんだけど、皆が皆持っているわけでもないし、起きる時間も目覚ましの機能が無いからずれ込む。だからパーティーメンバーの誰かが起きた段階で皆を起こす様にするらしい。因みに僕は起こされた方。因みに皆を起こしたのはグレンだ。起こされなかったら朝までぐっすりだった自信があります。…こういうのにも慣れないといけないなあ。


 さて、僕らの所は1組と交代。2組と交代の組もあるが、それは3年生のパーティーが担当するそうだ。決められた夜番のパーティーを探す。探すのは僕の役割だ。夜通し眼鏡を持っているのは僕だけだったからね。直ぐに見つけてリーダーに報告、そしてリーダー間で話し合いをし、夜番を引き継ぐ。さてさて、魔物が襲ってくるかねえ。


 夜通し眼鏡を持つ僕は索敵係だ。…こっちに向かってくるゴブリンの影はない。遠くでは別のレイドが戦闘をしてそうだな。見えないけど、ゴブリンの悲鳴が聞こえる。…こっちには来るなよ来るなよと念を送る。まあ、念を送ったって来るもんは来るんだが。


「右前方、数5、ゴブリンがゆっくり向かってきてる。」


「解った。…隣のパーティーに行きそうか?」


「…微妙、こっちの方が若干近いかも。」


「解った。各員戦闘準備。―――うっすら見えたな。テッド、ライトを当てろ。」


「はい。―――ライト。」


 隣のパーティーには話を通してある。ライトを当てた敵はこっちで対処することを。これなら取り合いにならないし、他のパーティーもそこで戦闘があることが解るからだ。…本当は使わない方が良いんだって。素人もいるから2パーティー遭遇戦にならない様に苦肉の策だったりするわけだ。魔物相手のけがはまあ許せるが、他のパーティーから怪我をさせられるのは堪ったもんじゃないからな。


 陣形は夕方と変わらずラピッドストリーム。今回はこれが一番ハマる陣形っぽいんだよね。大物が来た時も中心で止めて囲んでやれるからな。サクッとゴブリンを処理して所定の位置へ。うーむ、魔物は寝ないんだね。魔力から産まれるし、本当に不思議な生き物だよなあ。


 そんなこんなで4時間弱、交代の時間ですよ。あれからゴブリンを23匹倒したが、それだけだ。まあ、夜番は暇な方が良いよね。さてさて、リーダー同士で何か報告し合っていたが早速かえって寝ましょうね。さて、お休みなさい。


 朝、朝は個人で起きることとしている。…習慣って怖いよね。まだ夜の11時45分くらい。この時間に起きるというのが体が覚えてしまっている。井戸は何故か北西門の広場には5つ位並んでいる。それも結構離れた位置に…もしかしたら城壁で見えないだけでさらに奥にもあるのかもしれない。東門の方にも井戸を一杯作ってあげてください。…鉄迎派の人たちが勝手に作っただけという感も否めないのだが。


 さて、朝ご飯も各自で用意ですよ。井戸で顔と肉を洗って肉粥をいただきます。干し肉も塩以外の香辛料を使って作れるような状態にしてしまったからな、…オーモンド伯爵領だけ。王領でも多少は育てているけど、保存食に使う程は育ててないだろう。貴族が無駄に使う分くらいだけかな。しかし、そうなってくるとお店を構えるのをオーモンド領にしたくなるよな。食べ物の関係でさ。多分色々な種を持たされていたからオーモンド領だけ食のレベルが上がっていると思うんだよね。食の生活水準に占める割合は4割程と見込んでいる僕にとっては美味しい領地だ。…何処か迷ったらオーモンド伯爵領にしよう。そうしよう。


 さて、食事が終わって後片付けをしてテントを畳んで、30分くらい待ったかな。魔境ではテントは毎回畳むらしい。…指方魔石晶の首飾りを置いておく場所が無くなってしまった。まあ、城壁に向かって進むだけなんだが。そして帰りも泊まりも同じレイドとは限らない訳だ。次の錬金術師たちも来ているからね。どんどん送り込まれて来るから居場所がどんどん端に追いやられる。…端になるたびに井戸を作ったからここの門の所だけこんなにも井戸があるんだろうね。恐らく錬金術師の仕業。


「さて、今日は1日狩り続ける訳だが、ペースはどうする?」


「接敵の度に討伐で良いでしょう。こんなに人数のいることです。少し奥に行かないと魔物の湧きも追いつかないと思いますよ。…初めての魔境組も居ましたね。魔物は不意に湧きますが、人の直ぐ近くでは湧きません。少し、大体30m程離れた所に湧きます。だから浅瀬では朝湧いてから冒険者が皆通り過ぎる昼過ぎ位まで湧かないと思ってもらって大丈夫です。不意の遭遇戦もありません。」


「そりゃあ助かる。他に気を付けておかないといけないことはないか?」


「リーダーの指示に従うことと、陣形を壊さない事でしょうか。…他にありますか?」


「いや、俺もそれくらいだと思う。…後は何を狙うかだが、ケルピーはまず無理だろう。全員1年では手が出せんと考える。よくてカーバンクルまでだな。コッコドリッロ位は狩っておきたい。竜丹のような少し高額な素材も欲しいからな。」


「カーバンクルは逃げる個体も多いと聞きました。追いかけるんですか?」


「カーバンクルを追うのは止めておきましょう。ケルピーまで誘導されると面倒です。向かってきた奴だけ倒しましょう。」


「僕は採取もしたいので塩湖周りまでは行きたいです。水恋水晶も欲しいですから。」


「確かに水恋水晶は欲しい所だ。皆の分、5つは確保したいな。」


「…できるだけ水際を進みましょうか。それだと採取もしやすいはずです。コッコドリッロとの遭遇も増えますが。」


「まずはコッコドリッロと一戦してからだな。危険だと思えば水際の採取は浅瀬の塩湖で諦めよう。…少し奥まで行って西門に向かうからその辺りはよろしく頼む。」


「? 西門の方に移動するんですか?」


「ああ、端数は冒険者ギルドに売ってしまいたいからな。取り分で揉めないための策だ。…だから採取物に関しても端数は錬金術ギルドに売ることになる。水恋水晶も4つまでなら錬金術ギルド行きだ。」


「成る程な。俺はそれでいい。」


「僕も了承しました。」


「では行こうか。…出遅れているから戦闘は余りなさそうだが。」


 そんな訳で進み始めた一行。先頭を歩いている人たちが戦闘しているので、まずはそれを追い越さないと魔物が狩れない。…30分位歩いて漸く散り散りになってきた。この辺になるとオークやガミラクラブが普通に湧いている。まあ3,4体だから5人もいれば余裕だったんだが。オークも首を刎ねるだけだし、ガミラクラブは目と目の間が弱点っぽいと才能が教えてくれているので真っ縦に振り下ろす。と、綺麗に半分になってしまった。…これじゃ味噌は確保できないのと、魔鉄も転がったから倒し方を考えないと。


「ガミラクラブは剣なら突き主体の方が良いですよ! 背中じゃなくて腹の方は柔らかいので!」


「ありがとう、テッド。そうしてみる。」


「次、正面、ガミラクラブ3。」


「解った!」


 相変わらず真っ先に突っ込んでいってくれるグレンには頭が上がらんね。ヘイト管理も上手いし、立派な盾役をこなしてくれている。


「右奥! オーク! 3体!」


 シルビオもリーダーとして連戦の時の敵の所在は大変に有り難い。僕じゃまだまだ視野が広くないんだよな。…盾の後ってポジションもあるんだろうけど、目の前の戦闘だけじゃなく他も見れる余裕が凄いよね。


「次! 小休止!」


 おっと、お休みですか。目の前のオークの首を刎ねて『エクステンドスペース』に回収。さて周りを見る。確かに近くに敵影なし。そのまま、塩湖の周辺を散策。陣形は崩しません。右翼側が塩湖周辺なので僕は左翼の警戒。ちらちらと下も見てるんだけど、素材になりそうな物はあまり生えていない。基本は塩湖の周辺か中にあるからな。水泡茸なんかはそもそも水の中に生えるキノコだし。でも魔力茸は回収。これも後で分けるんだから僕もサクッと回収しますよ。水流草なんかは皆無視してるし、良いんだよな? 気付いてないだけなのかもしれないからこっそりと回収してるんだけど。


 ウーゼ塩湖を歩くこと1時間、カーバンクルを見かける様になりました。…でも前情報の通り逃げる。しかも無茶苦茶速い。こんなん宝石の厳選とか鬼ですか? 本当に貴族様は…。逃げるカーバンクルは追わない。これも決めたとおりだ。そうして歩いていると漸くと見つけた。3m位のワニだ。コッコドリッロですね。


「前、コッコドリッロ、2体。行きます。」


グレンが一体引き込む。もう一体は…右翼に向かったか。じゃあこっちのワニさんを相手にしないとな。後に回り込み上から下へ振り下ろし、…意外とさっくりと刃が入ったな。しっぽが切れた。まさか骨までいくとは思わんじゃんか。その後、胃を傷つけない様に後から叩き切り、テッドが上口を切り飛ばし、ほぼ無力化してからとどめを刺した。…向こうは流石のツヴァイハンダー、槍でけん制している間に首を切り飛ばしていた。これだから剛剣はかっこいいんだよ。


「コッコドリッロも問題なさそうだな。…この調子でいこう。」


 今度は左翼が塩湖に接する所。僕の採取技術が役に立つ時が来ましたよ。…これは水泡茸。こっちは水郷苔、水明草もあるじゃんか。確保確保。…水恋水晶はこれだろう、確保ー。この調子この調子。ゆっくりと歩いていく中陣形を崩さずに素材の回収をするさまはさぞかし奇妙な動きをしていることだろう。でも採取は散々やってきたことだからな。これくらいは余裕よ。


 採取討伐採取討伐とどんどんと順調に進む一行。そんな中、リーダーからストップが掛かった。


「あれがケルピーだな。…撤退するが、他の皆はどうだ? 勝てそうか?」


 遠くにいるケルピーを見る。…うん、まだ無理かな。まだ駄目だ。勝てるだろうけど、負傷者を出す可能性が高い。撤退が安定でしょう。


「僕は撤退に1票です。…勝てるでしょうが、今日はそれで門をくぐらないと駄目になりそうですから。」


「…それが正確な判断だと思います。盾で受けることはできますが、あの巨体だと。両手盾に変えないと無理ですね。それでも上級ポーションが欲しい所です。」


「星3つ組が無理そうってんなら素直に下がるのが良いんだろうな。撤退に1票。」


「僕も賛成です。」


「では、近づかない様に撤退する。このまま西門を目指す。」


 当初の予定通り撤退。これが正しい判断だと思います。3年生になる頃には倒す相手です。先に見れておいてよかった。あれが目標ですからね。


 その後も、危なげもなくコッコドリッロを倒しつつ、運よく向かってきたカーバンクルを3体も倒した。上々ですね。夕方までみっちり狩りをしたので本当に疲れました。冒険者が2,3日休みたくなるのも解りますね。門の前に来たら一気に疲れが来ました。はー疲れた。


「これで授業は終了だな。魔物の集計をしよう。」


 パーティーだからね、これで終わりじゃあないんですよ。今から取り分の計算です。…非常にめんどくさい。まあ『エクステンドスペース』から出さなくても計算はできます。中に入れてあるものの個数くらいは把握できるようになっています。…昔は大体でしかできなかったんだ。成長してるんだよ『エクステンドスペース』も。


「1人当たりゴブリンが52匹、3体キープ。オークが21匹、2体売却。ガミラクラブ33匹、2体売却。コッコドリッロ12匹、1体売却、カーバンクル3体売却だな。売却額は売ってから5等分にしてもらってくる。…素材の方の分配はグレンが中心になってやってくれ。俺の分の素材はグレンに渡しておく。俺は余り採取できなかったからこれくらいしかないが。」


「まあ、討伐をしながら指揮をして、採取までは手が回らないでしょう。仕方ないですよ。」


「…助かる。それじゃあ売却に行ってくる。」


「ではシルビオが帰ってくるまでに素材の方の集計もしてしまいましょう。…という私もそんなに採取できていないんですが。」


「…俺もだな。なるべく水恋水晶を狙ってたんだが、3つしか見つけられてない。」


 そんなに少なかったか? 沢山あったと思うんだがな。まあ集計してみれば解るでしょう。ともかく集計しましょ。


「…1人当たり魔力茸が20本、2本売却。水泡茸が6本、1本売却。水明草が8本、2本売却。白糸草が7本、3本売却。水郷苔が1瓶、売却無し。水恋水晶が4つ、売却1つ。後はこれらですが、ヘルマン君これらは?」


「こっちは薬草学大全に載っている素材だよ。1人当たり水流草が12本、売却3本。消火草が5本、売却3本、温度草が6本、売却1本だね。どれも中銅貨の素材だから魔境の本には載ってない奴だね、安いから。」


「勉強不足だったかな。薬草学大全は読んでないな。」


「僕も知らなかったです。」


「俺も知らねえな。…シルビオから預かったのにもなかったんだよな? あいつにも教えてやった方がいいか。」


「知らなくても良いとは思うけどね。どれも中銅貨以下だし。僕も1巻しか読んだこと無いんだよね。」



「幸いにして時間はありますからね。学術図書館にでも行って確認しておきましょうか。」


「俺も勉強しとくか。」


「僕も読んでおきます。」


「…なら僕も全巻読んどこう。必要になるかもしれないし。」


 皆薬草学大全読んでないんだな。…僕もジュディさんのところで読まなかったら、多分読んでないだろうからな。…この機会に勉強しておきましょう。


「戻った。1人当たり大金貨1枚、中金貨2枚、小金貨2枚、大銀貨2枚、中銀貨2枚に小銀貨8枚だ。それぞれ分けて貰ったから確認してくれ。」


 保存瓶に入れられたお金を確認した。…多分合っているんじゃないかな。冒険者ギルドを信用しておこう。…面倒だなんて言わないぞ。どうせ後で財布用の保存瓶に分けるんだもん。そしてその後は、西門の前の広場にテントを設置。…今回もレイドに参加しているよ。300人のレイドだってさ。そこに入れて貰った。ゴブリンだけは今日も取れるだろうからキープなわけだ。オークは殆ど来ないからお金にしてしまった。来たらまたお金になるだけだが。


 そういう訳で、次の日の朝でございます。夜番はまあ暇だったよ。一応ゴブリンを7匹狩ったので、キープの分と合わせて1人当たり2匹の追加。ピッタリ割り切れる様に出てきたゴブリンは偉いね。売っても小銭にしかならないんだが。そんな訳で一行は錬金術ギルドへ。こっちでも余りの素材を売却。…歩くだけで夕方前なんだもんね。大変だよ王都は。雑談では色々話はしましたがね。


「戻りました。1人当たり中金貨4枚、中銀貨3枚、小銀貨9枚、大銅貨4枚に中銅貨2枚だね。水恋水晶はやっぱり良い値段になったよ。」


 水恋水晶は錬金術ギルド価格だから大金貨2枚って所か。行商人なら大金貨1枚って所だな。まあ、この前貰った賞金が額がデカすぎて中金貨4枚ですら小銭なんだが。…一応ほぼ入学金だぞ? でも、パーティーで報酬を分けるのも面倒だが、錬金術師以外の冒険者が入ったレイドなんかの報酬の分け前の取り扱いは面倒この上ないぞ。素材が欲しいのに売りに出された後に買い直さないといけないとかになるのかな。面倒くさい、面倒くさいぞ。一番いい所を貰っちゃったら金にならないもんな。


「なあ、今回のパーティーはやりやすかったから一応、皆の部屋番号を教えて欲しいんだ。錬金術や今回みたいにパーティーを組む際に先にやり取りをしておいた方が有利だろ? 予定が合わなかったら仕方ないが、俺はもう一回魔境に行こうと思ってるんだ。その時に気心知れてるとやりやすいからな。」


「僕は良いですが、手紙なんかのシステムがあるんですか? 直接訪問しかない感じですか?」


「寮の管理人に部屋番号を伝えれば部屋に手紙が届けられる。大体朝に届く様になっている。女性はそれでお茶会や何かを連絡を取っているという話だ。俺もその意見に賛成だ。俺の部屋番号を教えておきたいし、皆の部屋番も教えて欲しい。」


「私も良いですよ。盾使いだと報酬を減らす人間もいますからね。」


「僕も大丈夫です。」


 そんな訳で皆の部屋番号を教えて貰った。皮紙にメモを取ったが、シルビオが03012号室。グレンが03024号室。エドが04035号室。テッドが10028号室。んで僕が09001号室。


「ヘルマンは平民の1番目か。何日に入学したんだ?」


「僕は1月2日入学ですよ。」


「初日じゃないか。王都出身だったのか?」


「違うよ? 馬車で50日位の所から来てる。丁度特急馬車が出てたから早めに来たんだ。」


「特急馬車に乗れたのはラッキーだったな。俺は普通の乗合馬車だったから80日位掛かったぞ。貴族学校に入るときだけど。大分後の入学になっちまったからな。」


「80日てことは、辺境伯の所位か?」


「そうだ。東のヴァインシュタイン辺境伯の所からだな。」


「辺境伯の所なのに法衣貴族だったのか?」


「ああ、親父が大臣みたいな位置だったからな。俺が産まれる前までは領地を治めていたらしい。まあ、出世したってことだな。」


「成る程な。」


「貴族の話は全然解らないからお手上げだ。」


「僕もです。」


「私たちはもう平民落ちしているんですから平民同然ですけどね。」


「ああ、貴族だったってことを威張り散らす奴らもいるがな。」


 そんな貴族様とパーティーにならなくてよかった。そんな訳で、錬金術ギルドの近くの裏口から入ると丁度永明派の1番棟があるところだった。こんなところに裏道があったのね。錬金術ギルドのアルバイトに行くときにショートカットになりそう。そんな訳で皆明水寮だから帰り道も一緒だ。一緒ついでに闇管理棟に行って明日以降の授業の確認にも行った。そのついでにゼミの確認もしに行こうとしたら驚かれた。


「ヘルマンはもうゼミに参加しているのか⁉」


「え? うん、参加してるよ。難しい内容を理解できないながらに聞いてる。」


「何派にしたんだ?」


「黎明派だよ。初日の授業の時に誘われたから行ってみているんだ。」


「黎明派か。…何をするゼミなんだ?」


「農作物や香辛料の改良とか治水とからしいよ。」


「…特に興味が惹かれるものではないな。」


「私も別の所の方が良さそうです。」


「僕もあんまり。」


「俺は鉄迎派で探そうと思ってるからな。剣を振っているのがやっぱり合ってそうだと今回の魔境行きで再確認したわ。」


「エドは鉄迎派か。…それにしては貴族学校で魔境には行かなかったんだな。」


「両手剣だからな。体ができるまで行かないって決めてたんだ。」


「そういう考え方もあるんですね。…私は魔物を怖がらない訓練のために絶対に行けと言われてましたからね。」


「そうか、ゲレンは王都出身だったんだな。」


「ええ、親からは是非に鉄迎派にと言われてますよ。」


「…同じか。家も鉄迎派にしろと言われている。」


「王都出身だと鉄迎派に入れられるんですか?」


「一応は自由にできる。だが、鉄迎派だと騎士爵を狙えるだろう? 鉄迎派の12月の授業は知っているか?」


「ええ、戦闘才能限界突破のアクセサリーの作成でしたよね。…それにそこまでの効果が?」


「ああ、素材にも因るが星1つの奴でもパーティーでミズチを狙えるくらいにはなるらしい。」


「…そう言うことです。身内が一代貴族だと社交で舐められないとかの理由ですよ。」


「うわー…面倒くさい。」


「まあ、見栄の塊なんだ。特に王都の貴族は。」


「…平民でよかったです。」


 僕も平民でよかったと心底思います。貴族面倒くさい。そんな事で皆と別れて6階へ、4月の10日位という話でしたが、…4月の12日になったんですね。何かあったから変えたんでしょうけど。…ブルースさんが授業担当とかかな。もうちょっと早めに知らせてるよなあ。まあ大した理由でも無いのかもしれないが。


 そんな訳で、明日はとりあえず朝に永明派、昼に造命派の授業に出ようと思ってます。ポーション作成は快命草を準備しなきゃなんだけど、3月に幻玄派の畑の草刈りやってたからね。沢山在庫を抱えております。沢山作れます。大丈夫です。造命派の授業は魔石の作成。これの魔力操作が難しいと感じたら錬金術ギルドにアルバイトしに行く予定です。とりあえず魔石の作成が簡単と思えるくらいまではアルバイトしようかと。…簡単だったら行かない。授業でどうにかなりそうだった場合も行かないかなあ。苦学生やりに来ているわけじゃないし。お金は当初の予定よりも貯まってしまっているんだよ。


 そんな訳で、良い時間ですから食堂に行って寝ましょうか。1日歩いて疲れたからね。さて、明日からも頑張るぞ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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[気になる点] 戦闘以外の才能突破アイテムはないのかな
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