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55話 13歳 4月1日 各派閥の授業内容、鉄迎派の授業はハード?

1週間でPVが5倍増に…

いったい何が起こってるのかよく解っていません。

とりあえず、見てくれた人はありがとうございます。

評価をくれた方、大変感謝です。

小心者の作者は震えております。

 さあさあ今日は遠征ですよ。日にちは4月1日、鉄迎派の授業を受けますよ。どうも、ヘルマンです。3月の終わりに一応全ての授業を把握した結果、鉄迎派の授業を一番最初に受けておくのが一番いいと判断しました。さて、一応調べた内容を確認しておきましょうか。


 まずは永明派、4月は初級ポーションの作成だそうです。快命草は各自で準備。5月は快命草の特性の把握をするそうです。実際は回復薬に必要なのは茎だけなんだ、とか色々解説するんでしょう。…4月と5月が逆なんじゃないかとか思ったりもした。6月は解毒ポーションの作成だそうです。鎮火草は永明派が持ってくるそうです。快命草は各自で準備。7月は中級ポーションの作成。快命草、魔力茸は各自で準備だそうです。8月は魔力回復ポーションの作成。魔力茸は各自で準備。9月は上級ポーションの作成。これも快命草、魔力茸は各自で準備。10月は治療学基礎。治療ってポーション飲むだけじゃいかんのか? とりあえず解らん授業です。11月は治療学応用。応用も何も万能薬ポーション様を飲んでおけば良いんじゃないの? これもよく解らん授業です。12月は最上級ポーションの作成。快命草と魔力茸は各自で準備、光属性の魔力茸と月光茸は永明派持ちの太っ腹です。これで永明派の授業は終了。


 次は鉄迎派の授業です。4月は魔境戦闘訓練です。移動、戦闘、移動の3日間を要します。持ち物は己の肉体と武器のみと書かれていました。5月は魔物解体です。準備物はゴブリンの死体とオークの死体。この時点で4月にゴブリンとオークを準備しておかないといけないことが解ります。6月は戦闘用の錬金アイテムの作成。必要なものは霊地と魔境の採取物でいいみたいです。多分足りないものは鉄迎派持ちなんでしょう。7月はまた魔境戦闘訓練です。移動、戦闘、戦闘、移動の4日間になり1日増えました。8月は魔鉄から鉄の生成です。魔鉄は任意個数となっているので沢山に越したことはないでしょう。9月は属性魔鉄の作成。水属性か風属性の魔石と鉄インゴットを用意しないといけないみたいです。順番に受けて行けば普通に揃いますね。10月は武器錬金の心得らしいです。準備物は破損させても問題ない武器とありました。まさか戦闘中に折れた剣を復活させながら戦う気ですか? 鉄迎派マジで戦闘民族。11月は魔境戦闘訓練3回目。5日間に延長されております。12月は鉄迎派の粋の塊、戦闘才能限界突破のアクセサリーの作成です。準備物は自分で用意できる最大限の品質の魔石だそうです。僕は恐らく満月茸で作った魔石になると思います。これで星を幾つ追加できるのか、本当に楽しみです。とりあえず、星3つ追加でミズチ、星4つ追加でスティナラニアへの挑戦権を得られると思うとどれだけ追加されれるか楽しみです。満月茸だぞ、期待しない訳がない。これで鉄迎派の授業は終了。


 次は造命派の授業です。4月は魔石の作成。素材は草刈り素材でしょう。準備物無しとなっていますし。5月は属性魔石の作成。とりあえず属性素材さえあれば良いみたいです。6月は属性魔石の合成。ここの特性上風属性の魔石と水属性の魔石になるんでしょうね。7月はスライム型造魔の作成。漸く造命派らしい授業になってきました。準備物は水属性素材と魔石。これでとりあえずの造魔になるんだね。8月は魔物スライムの生成。…錬金術でスライムができるんですね。準備物は魔石10個と魔力茸10個。それでいいのかスライム。9月は4足歩行ゴーレムの作成。準備物は魔石10個、魔力茸10個、土属性魔石3個です。ここで初めて購入物が出てくるみたいです。土属性の魔石を手に入れるには遠征しないといけませんから、買うんでしょうね。10月は骨格入り4足歩行ゴーレムの作成。準備物は鉄インゴット2個、魔石10個、魔力茸10個、土属性の魔石5個です。だんだんと素材の量が増えてきました。11月は馬車用ゴーレムの作成。例のケンタウロス型のゴーレムですね。鉄インゴット10個土属性の魔石20個、魔力茸100個、魔石250個です。…あれにこんだけの素材が必要だとは思いませんでした。これに維持費というか整備費も掛かるんでしょう? 割に合うのか? 魔石だけでいいなら何とでもなると思うけど。12月は幌馬車の作成です。必要物は布30m、鉄インゴット10個、魔石300個、土属性の魔石20個、火属性の魔石15個、水属性の魔石30個、風属性の魔石50個、魔力茸250個。以上です。あの馬車が木製じゃなかったことに驚き。木目みたいなのついてたじゃんか。偽装する必要があるのか? 多分風属性の魔石を多く使う理由が木の偽装にも使っているんだと思う。でないと風属性の魔石が多すぎるもんね。これで造命派の授業は終了。


 次は黎明派の授業。4月は小構造物作成。実験場で三角や四角を作るんでしょう。とりあえず小さいのから。崩すから魔力操作だけで作るっぽい。準備物無しだし。5月は食器等複雑小構造物作成。こっちも準備物無し。食器が必要なら魔力茸とか混ぜれば耐久性が上がるんだと思います。6月は単純構造物作成。準備物が魔力茸沢山となっているので多少大きな物をそれなりの強度で作ってみるんでしょう。魔力茸は作る規模や物に因って変わるから沢山なんだろう。7月は魔械時計の作成。準備物は土属性の魔石3個、魔力茸12個、風属性の魔石8個。風属性で無くともいいはずだけど、まあ、順当に行けば風属性よな。霊地あるし。8月は普通住宅の作成。準備物は魔力茸を沢山。とりあえず平屋の練習。9月は2階建ての住宅作成。準備物は魔力茸を沢山、鉄インゴットを任意、土属性の魔石を任意。家に因って必要個数が違うから何ともならんのだろうね。10月は魔布・刺繍糸の作成。ここに来て黎明派の頑張りを見た気がします。毎年作ってるのね、授業で。素材は学術院持ち。11月は錬金釜用の釜の作成。これも準備物は学術院持ち。12月は精霊樹の苗木の作成。これも準備物は学術院持ち。これで黎明派の授業は終了。


 次は幽明派の授業。4月はゾンビの作成。準備物はゴブリンの死体。これの関係で鉄迎派の講義が1番目になりました。5月はゾンビの強化。準備物はゴブリンの死体とゾンビ。作ったアンデッドは『エクステンドスペース』で持ち運び可能なんだって。ゾンビを持ち運びたくないなあ。6月はスケルトンの作成。準備物はゴブリンの死体。ゴブリンのスケルトンなんです。7月はスケルトンの強化。準備物はゴブリンの死体とスケルトン。8月はアンデッドとの感覚共有。準備物はゾンビかスケルトン。ここまで受けていたら両方ともあるだろう。…アンデッドと感覚共有はあまりしたくないんだけど。9月はスケルトンの改造。準備物はガミラクラブの死体とスケルトン。どう改造するんだろう。想像もできない。10月はスケルトンの改造その2。準備物は魔鉄10個とスケルトン。多分改造済みでも大丈夫だろう。魔鉄メッキになるんだろうか。11月は任意スケルトンの作成。準備物はゴブリンの死体3つ。ここに来てキメラ型のアンデッド作成。どんなスケルトンにしようかな。12月はアンデッド召喚。準備物は闇属性の素材。なければ闇属性の魔力茸を支給してくれるらしい。というか、死体以外の素材は持ってくれると言うんだから幽明派は実は金持ちでは? これで幽明派の授業は終了。


 最後に幻玄派の授業。4月はベックの林の幻獣の知識。…あんまり興味ないんだけど、一応行くつもり。5月から8月までは素材採取となっていました。授業しろよ。9月から12月までは幻獣捜索研究。これで幻玄派の授業は終了。…授業しろよ。幻玄派だけ内容が薄すぎるんだよ。素材採取も準備物も期間も書いてないんだよ。授業する気なさすぎ。幾らフィールドワークが主だからって適当過ぎるでしょ。…これ幻玄派の授業受けなくてもいいんじゃないかな。


 そんな訳で、死体が欲しいということで鉄迎派の講義をまず受けましょう。魔鉄も欲しいし、解体用のオークも欲しい。ガミラクラブも1匹は欲しい所。『エクステンドスペース』に保存しても傷むんだよなあ。…解体用とアンデッド用だから良いんだけど、勿体ないような気がする。まあ、お金には困ってないから良いんだけど、他の人たちはどうするんだろうな。…まあ、『エクステンドスペース』に保存しておけば1か月くらいなら持つかもな。


 そんな訳でお馴染みの修練場にて待機。鉄迎派って3番棟殆ど使わんのよね。解体何かも修練場でやるんだって。でも鉄迎派の授業は午前だけ。午後は普通に戦闘訓練だからさ。…でも壮観だね。大体ここに5千人くらい集まっていると思う。上級生もいるんじゃないかな。さてさてこんだけの人数の大移動だ。…名物になっていそうだな。でもどっちに行くんだろう。北門か西門か、はたまた北西門か。…多分北西門だろうな。何でって冒険者ギルドが無いから。錬金学術院や魔術師学校、貴族学校何かも同じところ使ってそう。ベックの林はしょうがないよな。東門だけしか隣接してないもんな。さーて、初めてのウーゼ塩湖だ。張り切って行こう。


「時間になった! それでは魔境戦闘訓練を開始する! 5人一組にまとまる様に! 余ったら報告しろ! パーティーが組め次第北西門に行くようにでは解散!」


 マジで! パーティー組まされんのかよ。ソロが良かった…なんていう訳がないが、即席パーティーで上手くやるまでが授業なんだろうか。…知ってる奴なんかはすでに5人組で参加してそうだよな。特に上級生。さて、待っていても始まらない。さっさとパーティーメンバーを探しに行こう。大きな声でパーティーメンバーを募集している奴もいれば隣の奴に話しかけている奴らもいる。さてどうするか。話しかけるしかあるまい。


「失礼、メンバーは決まってますか? よければ僕と組みませんか?」


「俺も決まっていない。自己紹介は後でいいだろう。先に5人確保しよう。」


「了解。」


「なあ君、メンバーが決まってなければ俺たちと一緒に組まないか?」


「良いですよ。今何人ですか?」


「君で3人目だ。どんどん行こう。」


「今3人って言ったか? こっちは2人だ。どうだ?」


「良いだろう。この5人で決定だ。…先に離れよう。勧誘されるからな。話しながら自己紹介といこう。」


 とりあえず、即席で決まった男5人でここを離れる。…歩いて1日、遠いよなあ。でも先に確認しておかないとな。


「…とりあえず確認です。野営の準備は問題無いですか? 食料とテント、あと初級ポーションは持っていて欲しいです。」


「俺はすでに準備済みだ。…他は?」


「私も大丈夫です。」


「こっちも問題ない。」


「準備できています。」


「よし、歩きながら自己紹介といこう。俺はシルビオ=ベルトン、法衣伯爵家の5男だ。槍使いの才能を星2つ持っている。」


「私はグレン=ガルシア。法衣子爵家の4男です。盾使いの才能を星3つで持っています。」


「俺はエド=カラーノだ。法衣子爵家の5男だ。剣士の才能に星2つ持っている。」


「僕はヘルマン、平民です。剣士の才能に星3つ持っています。」


「僕はテッドです。鎌使いに星2つと光魔法に星1つ持っています。」


「魔法使いか。光魔法ということは簡単な回復魔法程度ならいけるのか?」


「キュアなら使えます。後はライトくらいで、攻撃魔法は覚えてません。」


「解った。…まあ、浅瀬で戦うんだから使わないとは思うがな。」


「僕は盾使いという才能を初めて聞きました。盾で魔物を倒せるんですか?」


「倒せるが、今回私は完全に盾役の方が良いでしょう。処理速度は剣士の方が絶対に早いですから。…分け前は等分でよろしいですよね?」


「俺は問題ない。」


「俺もだ。」


「「同じく。」」


「有り難い。でないと戻らなければならなかったでしょうからね。」


「確かに盾使いは珍しい才能だからな。しっかりと盾役をこなしてくれれば問題ない。」


「暫定でリーダーはシルビオで良いか? 理由としては一番爵位が上だからってだけだが。」


「僕もそれでいいと思います。槍使いってことは、このパーティーの一番後ですから、指揮はしやすいかと。」


「俺は構わないが、他に案はあるか? ―――無いなら暫定で俺がリーダーだな。持ち物の確認もしたし、得物も大体把握した。他に寄るところが無いなら北西門にそのまま向かうが?」


「俺は問題ない。」


「私もありません。」


「僕も大丈夫です。」


「僕もいいです。」


 そんな訳で5人で仲良く北西門の方に向かっていった。魔物の話もした。何と魔物は魔鉄を取らない限り劣化が遅くなるらしい。これは良いことを聞いた。心置きなく『エクステンドスペース』に放り込んでおける。陣形の話をしたりもしたが、僕は魔境にそもそも行った事がない。そんな話をすると、驚いたのはシルビオとグレンとテッドだった。僕とエドが魔境に初めて行く組みたいだ。暫定リーダーが魔境経験者ってのは助かります。魔物が一杯の場所としか認識してないからな。するとシルビオが少し困ったような顔をした何だろう。


「このパーティーに魔境初心者が2人もいるとなると他の所にも魔境初心者がいそうだな。…野営は他のパーティーと話をするんだが、この分だと少し大目に見積もっておかないといけないかもな。」


「そうですね。魔境初心者ということは夜の戦闘も初めてでしょう? まずはそこから慣れないといけませんね。」


「マジかよ。夜にも戦闘があんのかよ。」


「僕の方は夜通し眼鏡を持っているので昼間と変わらず戦闘できると思います。」


「なんだ、いいのを持っているじゃないか。…だが、それだけじゃ駄目なんだ。他の奴らがこっちを見れてねえからな。」


「そうなんですよ。だから僕もライトを覚えたんですが、…ライトを使うと魔物が寄ってきてしまうんですよね。」


「ですが、今回は使う他無いと思いますよ。他のパーティーも同じような注意を今他のメンバーから受けているとは思いますが。」


「鉄迎派の戦闘訓練もいきなりここまでハードだとは思っても見なかったがな。普通は魔境の冒険者は30人規模の6パーティーで潜るからな。…門前で待とう。待ってみて良さそうなところとレイドにしよう。夜だけでもレイドにしておいた方が良いだろうからな。」


「賛成ですね。少なくとも50人規模のレイドにしておきましょう。…恐らく早めに出たところも私たちと同じく門で待つと思います。…余程自信のあるところか、全員が初心者でもない限り、同じ結論にたどり着くでしょうし。」


「その辺は初心者の俺は任せるしかない。交渉事も頼んだ。」


「ああ、任された。」


 マジかよ。30人で潜るってかなりハードな場所じゃないか魔境は。…一度行っておいた方がよかったのか、今回初めてでよかったのか解らんね。まあよかったことにしておこう。ポジティブシンキング、これ大事よ。そんな訳で1日掛けて門の前まで着いた。…門の前では兵士が魔物と戦ってるよ。まじかー、魔物のいる中で寝ないといけないのか。寝たら死にましたとか嫌だぞ。そんでもって多分鉄迎派の戦闘訓練を受けているだろう集団を発見した。やっぱりレイドにして挑むんだろうな。シルビオが交渉に行って直ぐに帰って来た。


「レイドは了承された。今で60人らしい。100人になるまで粘るとのことだ。今回の所の先発組だからな。俺たちで12パーティー目らしい。」


「後8パーティー待つんですね。…他のレイドメンバーは先にテントを張りに行った感じですか?」


「ああ、場所の確保だな。火事はくれぐれも注意するんだぞ。生存率に関わってくるからな。」


 そうして場所を確保してある場所に行き、魔物の間引きをしながらテントを張る。今日が1番最初だからだろうな。すでに魔物と交戦中だ。…ここが魔境か。


「エドとヘルマンは先走らない様に。基本最初はタンクであるグレンがターゲットとなる群れを決めてくれ。」


「任されたよ。撤退と移動は群れが終わる前くらいに指示をくれると助かる。」


「善処する。パーティーリーダーは初めてだからな。遅くなるかもしれん。」


「でもまずは拠点にテントを張ることからですね。他のレイドメンバーが刈り取ってくれている間にテントを張ってしまいましょう。」


「ああ、そうだな。」


「テントを張る基準は霊地と同じでいいか?」


「それで大丈夫だ。…この辺にしよう。早いとこ張ってしまって間引きに参加しよう。」


 5人の場所が決まり、テントをさささっと張る。これは慣れたもんだからな。さて、他のメンバーも張り終えたみたいだからまずは間引きと行きましょう。


「前6,ゴブリン。行きましょう。」


 グレンが両手に盾を構えてゴブリンの群れに突っ込む。双盾か! かっこいいじゃないか。ブロードソードに慣れてきているが実践は初めてだな。まあ使い方はレイピアと変わらんが。片手でブロードソードを振るいゴブリンの首を刎ねる。エドも反対側から同じようにゴブリンに切りかかっている。ツヴァイハンダーか、両手剣もかっこいいなあ。テッドもグレンが受け持っているゴブリンの首を刎ねている。双鎌、マンティススタイルだ。皆個性があって良いじゃない。あっという間に6匹終わった。『エクステンドスペース』に仕舞おうとする僕とエド。テッドは倒した最中に『エクステンドスペース』に回収しているようだ。…成る程、連戦するための技術か。見習わないと。


「右から8、ゴブリンだ。来るぞ。」


 シルビオから指示が飛ぶグレンに続き敵に向かって進む。さあさあ次の敵さんいらっしゃい。心臓を突きさし、蹴り飛ばす。そしてそのまま『エクステンドスペース』に回収する。すぐさま横のゴブリンの首を刎ねてそのまま『エクステンドスペース』へ。


「ヘルマン! 3歩下がれ! 前追加7体!」


 おっと、前に出すぎたか。リーダーいい仕事するじゃない。追加ね、了解了解。余分に5歩ほど下がって前にまた出る。最前衛のグレンを抜かさないような立ち位置じゃないといかんのか。パーティー戦闘自体が初めてだからな。こればっかりはなれるしかないな。気持ち1歩後に下がり前へ突き、『エクステンドスペース』へと落とす様に処理。3歩下がってまた前へ。


「撤退! 30歩下がる!」


 撤退命令が出ました。目の前の敵を処理しつつ辺りを見渡し、30歩後退。安全地帯に戻って小休止、しかし魔物が尽きない。すぐさま前方の左側に敵の影が。左の方が近いが、…あっちには他のパーティーがいるな。


「前方に8、ゴブリン。」


「了解!」


 またグレンが突っ込む。基本的に僕らの陣形はラピッドストリーム、真ん中少し前方にグレンが出て受ける。その左右をシルビオとテッドが固め盾に向かう敵を狩る。その外側で僕とエドが剣を振るう。そんな感じ。錬金術師だけど、皆前衛だからね。横陣形になるのは仕方ない。某RPGと違って盾が機能しない訳じゃないし。さてさてお仕事しましょうね。前方のゴブリンを突き殺し、下がりながら剣を抜き『エクステンドスペース』へ。


「右前方! 4! ゴブリン!」


 先に目の前のを処理して右前方に向かう。僕は左翼だから出番はなさそうだけど、陣形は崩さないようにしないとね。


「撤退! 下がる!」


 今回の目的は寝床の確保、奥に進むことじゃない。リーダーが解っている人でよかったよ。僕だったら前進してたかもしれない。下がって小休止。警戒は怠りませんよ。


「各リーダー集合! 定員集まった! 各リーダー集合! 定員集まった! 各リーダー集合!」


「呼ばれたな。行ってくる。」


 僕たちは4人になったけど、警戒は継続、リーダーはとりあえずグレンに引継ぎ。大分間引きされてきて安全は確保されておりますが、まだ多少こちらに向かってくるゴブリン共はいる。…馬車での移動の時は静かで良い子してたんだけどなあ。春になるとこんなにも魔物が増えるなんて思わんじゃん。本当に魔境や霊地って不思議だよね。遠くで蠢くゴブリンやオークを眺めつつ、向かってくるなオーラを全開で出す。仕事は明日。今日はしっかりと寝る予定なんです。そして10分後、我らがリーダーが帰って来た。


「全員傾聴、これからリーダー会議で話し合った計画を報告する。」


 まあまずは野営の順番、これは僕たちは真ん中の時間帯が割り当てられた。良いのか悪いのか解らんけれど、途中で起きる分夜番は短いという組だ。7班、6班、7班と順番に夜番だ。僕らは6班の所。まあ、朝になるときには寝られてるんだから良いんじゃないかな。続いて明日の行動。これは各班毎に動くと決まったようだ。…まあ実際は20人規模のレイド5つくらいに別れて狩りをする感じになるみたいだ。5千人いたのは伊達じゃない。少し奥までいかないと狩場がないくらいの規模になるそうだ。…この春先の寝床確保が一番忙しい仕事らしい。道理でポンポンと遭遇戦になるわけだ。これからは貴族学校や魔術師学校、鉄迎派の人たちでこの一帯の確保をしつつ、11月まで場所を押さえるらしい。11月が錬金術師の最後の魔境戦闘訓練だからね。一番夏の暑い時期は鉄迎派の人たちが100人規模のレイドでスティナラニアを討伐しに行くらしい。鉄迎派は錬金術師をなんだと思っているのか。


 何で一番活性化する夏にレイドをするのか。夏にしかスティナラニアがいないそうなんだよね。冬にはいないんだって、スティナラニア。ミズチもそう。ケルピーは冬以外はいるそうだ。…狙いたいよね、ケルピーの水晶。今はまだ無理だろうけど、2年の秋には挑戦したい。今回はゴブリン、オーク、ガミラクラブの3体を確保。コッコドリッロとカーバンクルは倒せたらいいな枠。ケルピーは多分実力不足。そんな感じだろう。そんな訳で、夜番の順番が決まったんだから早いとこ飯食って寝ないとね。寝とかないと損だよ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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― 新着の感想 ―
[一言] さらっと陣形で、ラピッドストリームが出てきている ロマサガの中だけの名称だと思っていたけど、一般的な名前?
[良い点] 野郎パーティーなのが良いですね。 野外だと女性トイレの確保が超大変、その点は錬金術でなんとかなるのかな?
感想一覧
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