39話 12歳 魔境の魔物は? ベックの林に到着
錬金術ギルドからこんにちは。どうも、ヘルマンです。錬金術ギルドに来てベックの林とウーゼ塩湖の採取物や魔物について勉強中でございます。簡単に言ってしまうと、ベックの林はキノコと草。ウーゼ塩湖はキノコと草と苔と水晶。こんな感じだ。魔物についても8種確認されているようだ。
まず最初にゴブリン、これは道中でも戦ったからまあわかるよね。雑魚の代名詞。次はオーク、こいつも雑魚。でも美味しいお肉が取れる美味しい魔物。売価はゴブリンの50倍。ゴブリンマジ雑魚すぎ。次はガミラクラブ、カニさんですね。大体1m位らしいです。足が美味しいらしい。前世の僕が味噌はだめなのかとうるさいが、駄目なんじゃないかな。次はコッコドリッロ、ワニさんですね。大体3m位らしいです。胃袋の中に竜丹があり、それが水属性を帯びているらしい。因みに胃袋も水属性を帯びている。高いのは多分竜丹の方。肉は美味しくないそうです。
次はカーバンクル、大きいリスさんですね。大きさは様々で50㎝から2m位まで幅があるようです。額に宝石が埋まっており、それが高く売れるそうです。ただし、体の大きさが宝石の大きさではないらしく、大きい個体であればいい訳ではないらしい。しかも色の厳選とかもあるみたいで、買取がややこしそうな魔物だ。しかも向かってこずに逃げることも多いらしい。因みに宝石も水属性を帯びている。しかし、素材としてより宝石としての価値の方が高いらしい。食べられるとは書いていないので、美味しくないのでしょう。
次はケルピー、馬とイルカの合いの子ですね。上半身が馬、下半身がイルカらしいです。前世の僕がイメージと違うと言っているが、こっちの世界ではこれがケルピーです。文句は初めに名前を決めた人に言ってやってください。大体5m位の大きさで、心臓の横に水属性を帯びている水晶があるらしいです。因みにこれも食べられるかは書いてないので美味しくないんじゃないかな。
次はミズチ、蛇竜ですね。大体10m以上の個体しか確認されていないそうです。鱗が水属性を帯びているそうです。後は体内にウォーターサファイアがあるそうですね。絶対に高い奴ですね。素材としても宝石としても価値が高そうですね。因みにこいつを少人数で倒すことが出来れば騎士爵、魔導爵が貰えるみたいです。貴族になりたい人は頑張って討伐しましょう。レイドでは駄目らしいです。あくまでも少人数。多分5人くらいが最大人数じゃあ無いですかね。
最後はスティナラニア、水晶蛇竜ですね。こちらも10m以上の個体しか確認されていないみたいです。鱗が水晶でできていて強い水属性を帯びているみたいです。こちらも体内にソーサリーアメジストという宝石を持っているらしいです。名前から推察するにソーサリー、魔法使いか魔術師に関係ありそうな錬金アイテムが作れそうですね。錬金術大辞典にはレシピが載ってないので知っている人が少なそうです。もしかしたら秘伝だったり、失伝してしまったのかもしれませんね。そしてこちらも少人数で討伐したら騎士爵、魔導爵が貰えるらしいです。さらに最終ページの物は高いと相場が決まっています。ソーサリーアメジスト、大魔金貨が飛び交うんでしょうね。
因みにミズチもスティナラニアもレイドであれば年に数回倒されているようです。錬金術ギルドの資料では鉄迎派の方々が主になって討伐しているようです。大体100人規模の討伐隊を貴族様の呼びかけで集めるようです。少なくとも戦える才能に星が3つ以上振られていることが最低ラインのようなので参加しようと思えばできるようですが、死にに行くようなものでしょう。慣れている人たちなら死人は出ないのでしょうけど、やめておいた方が良さそうですね。パーティーでの討伐はミズチの方は最低でも星6つ、スティナラニアの方は最低でも星7つ推奨らしいです。…狭き門ですね、騎士爵も魔導爵も。
まあ、錬金学術院で必要なのはパーティーでゴブリン、オーク、ガミラクラブを倒せればよし、コッコドリッロ、カーバンクルを倒せてなおよし。ケルピーを狩れて十分。ミズチ、スティナラニアを倒せたら職業を間違えているという評価のようです。これは錬金術ギルドの受付さんの総評なので間違いは無いでしょう。確かにミズチとスティナラニアを倒せる時点で錬金術師よりも星の振られている才能があるはずですからね、職業を間違っていると言われて間違いないでしょう。というより難易度が一気に変わりすぎなんですよね。もう少し順番に強くなって欲しいものです。
僕は十分のケルピーを倒すのを目標としましょうかね。恐らくここまで乗せてくれた御者さんが魔杖に使ったであろう魔石もケルピーの水属性の水晶とベックの林で採取できる風属性の竜巻草を使ったものだったのでしょう。御者さんは剣士に星2つと言っていたので、星3つの僕なら慢心しなければいけると思います。…ただ、レイピアでは厳しいでしょうね。大きさ的に首を落とすのもブロードソードの方が良さそうです。ブロードソードの練習もしておきましょう。レイピアよりもブロードソードの戦闘に慣れておいた方がいいと思います。
さて、錬金術ギルドでの情報収集はこれくらいでいいでしょう。入学に際してはポーション瓶製造機を買っておいたらいいと錬金術ギルドで教えて貰ったので中金貨3枚で購入。何故か魔力100%でコルクまでできるという不思議仕様。どうやったらこんなものができるんだろう。錬金術大辞典にも載っていないんだよね。載っててもいいと思うんだけど、もしかして魔道具士が作っているんだろうかね。
魔道具と錬金アイテムは殆ど同じだ。ただ、魔道具士が作るか錬金術師が作るかだ。何故か同じものを作れるものがあるのに作れないものもあるという不思議なこともあるんだよ。魔道具士も魔術師ギルドの管轄なので素材を売って作って貰うっていう受注生産らしい。ストックは幾つもあるらしいが、この時期、入学時期の後には足りなくなることもあるそうだ。まあ、来年の入学のために買うなんて物好きはなかなかいないとの事だったが。…そうなんだよなあ。まだ入学時期なんだよ。特急馬車のせいで思った以上に早く着いたからなあ。まあベックの林に行くよね。風属性の素材はセレロールス子爵領の霊地を回っただけでは、余り高いものは無かったし、丁度いいよね。
そんな訳で一日かけて歩いてきました、現在東門の前でございます。東門の前の兵士さんに冒険者証を見せて王都の外に出る。外壁前に沢山のテント群、ああ懐かしいね、この感じ。3か月くらい前だもんね、レールの林にいたのも。まああそこまでの密度では無いけれど。広い広い王都、外壁前も広々と使えるから火事なんて起こらないと思うんだけど…外壁の一部が黒ずんでいるところを見ると、火事もあるんだろうなあ。こんなに広い土地があるのに。
…井戸が無いから延焼するに任せるしかないのかな。…井戸が無い? 何処で水を確保するんだよ。絶対にあるはずだよね、井戸。…ああ、あったあった。井戸の周りに冒険者が溜まっているから見えなかったよ。無いはずないもんな、井戸。無いと生活できないし。…しかし、ちょっと井戸周りに集まりすぎじゃないか? 火事の対策が甘すぎるよ。僕は外周より一つ分外に陣取ろう。自分さえ燃えなければ関係ないからね。他の人が燃えてもいいって意味じゃないよ? テントの布が燃えてもいいって意味だからね。傲慢さんはご退場くださいよ。
さて、テントを立てまして、井戸に水を汲みに行く。ここにいる人たちは大部屋も使えなかった可哀そうな人たちなんだよね。採取する時期にしてもかなり早いし、雪は降っていなくとも冬だもん、寒いのは変わらない。…僕も宿屋で春まで待てばいいんだろうけど、こんな中途半端な時期に宿なんて取りたくないもんね。通しで借りるのも結構高い。魔境の物価だから思った以上に値が張るんだよ。お金に余裕はあるのに変なところで貧乏性なのがいけないんだと思うけど、こればかりは性分なんだ。どうにもならないと思います。さてさて、明日からの採取のために、今日は早めに寝ますかね。この霊地は別に昼夜逆転させなくてもいいし、夜寝られるのは楽でいい。あったか布を首に巻いておやすみなさい。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。




