200話 150歳 魔通話で通話
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ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
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時間の進む速度がもの凄く早くなって来ております。150歳になりました。9月の上旬ですよ。どうも、ヘルマンです。
エイミーに先立たれ、帰って来たレイチェルにも先立たれて、僕はまだ生きております。……寿命延長薬は2年に1度飲んでましたからね。この間、無くなったので多分そのうち死ぬと思います。
魔通話は完成したと思います。……距離が問題なんですが、多分問題なく遠くまで通話出来ると思うんですよね。
1対の片割れを豊穣会に送ったのでもうそろそろ電話がかかってくると思います。……時間が間違ってなければ今日のはず。特急便を使いましたから。
ジリリリリリリリリリ
ああ、来ましたね。さて、久しぶりですが、誰でしょうかね。
「はい、どうも、ヘルマンです」
「……本当にヘルマン君か? 私だ、ブルースだ。間違ってなければヘルマン君は150歳程になっているはずなんだが」
「はい、本当にヘルマンですよ。まだ生きてます。薬の実験で長らえてます」
「……薬というと、不老不死の薬が出来たのか?」
「いえ、不老不死という訳にはいかないと思います。2年くらい前から飲んでいませんから、後20年程で死ぬと思います」
「成る程な。それは発表する気はあるのか?」
「ええ、もう10年程様子を見て、問題なさそうなら豊穣会宛に報告書を出します。報奨金が出たら豊穣会で取り置いてください。多分、送られても死ぬだけですから」
「解った。……しかし、これも凄いものを作ったものだ。ちゃんとオーモンド伯爵領にいるんだろう? それで王都と話が出来るんだから画期的と言っていい。これも発表しておくから心配するな」
「お願いします。……他の人はまだ生きていますか?」
「死んだ者も居る。それは仕方ない。ヘルマン君の後に入った者も居るが、そこは余り気にしていないだろう?」
「まあ、そうですね。あ、レイチェルがお世話になりました。これだけは言いたかったんです」
「まさか親子で同じゼミに入ることになるとはこっちも思っていなかったからな。……レイチェルはもう逝っただろう?」
「はい。先に逝きました。今は別の……何代目かな? 店を引き継いで居ますよ」
「そうか。まだ生きていたことは他の面々に伝えてもいいか?」
「はい、お願いします。……ああ、この魔通話はケビンさんにあげてください。僕も領主様に渡してきますので」
「解った。……しかし、この無限魔力炉ももっと早く公開しても良かったんじゃないか? 色々と使い道がありそうだが」
「そうですね。考えもしたんですけど、魔通話を先に出されることを懸念したんですよ。まあ、僕以外に作っているのか知りませんが」
「私も知らないな。初めて聞いたからな」
「後、この世界についての考察も、寿命延長薬の作り方と一緒に送りますので、一読をお願いします」
「この世界についての考察とは?」
「魔力が一体なんであるのかや、不浄の魔石の正体なんかも記載しています。不老不死に成りたい場合の方法とかも色々と書いて送ります」
「……何をどうやったらそこまで解ったのかは聞かない。恐らく理解できないだろうからな。その報告書も何処まで理解できるのやらだ」
「まあ、王城の研究職の人にも見せてあげて欲しいですね。考察の一端になればいいかと」
「そうか。他に何か言っとかないといけないことはあるか?」
「いえ、特には。お久しぶりでした。今度は手紙での報告になると思います」
「ああ、楽しみにしている」
魔通話を終えて、一息。ふー。出来たか。長かったようで短かったな。エイミーに先立たれてからが異様に早い気がするんだよね。話し相手が居なくなってしまったのが辛い所かな。
後は、ヘルマン式精霊学の報告書をまとめましょうかね。豊穣会宛に書くのも久々ですね。さーて、何から書きましょうか。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。