197話 32歳 1年が早い、新年祭、レイチェル星を振られる
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季節は廻りに廻ってもう新年祭ですよ。今年は殆どジュエルラットしか作ってないからなあ。どうも、ヘルマンです。
何の成果も上げられませんでした。いや本当に。ジュエルラットしか作ってないもの。定期的に花火作りはしてたけども。今年の打ち上げは去年よりも少なかった。仕方ないね。
品種改良も全くしていない。片手間にする暇も無かった。まあ、成果が上がるかと言われたら微妙としか言いようがないんですがね。
魔通話の実験も今年は不調でした。……結局、同時に魔石を使わないといけないという所は改善できず。暗号化は無難に複雑化させただけで大丈夫だったので、進捗があるといえばあるんですが。
それは解ってた話ですから。常設にしたいんだよなあ。何か機構を考えないといけないとは思うんですが、何をくっ付ければいいんでしょうか。くっ付けるのが合ってるのかさえ解らんのだけど。
そんな訳で、ジュエルラットを作っていたら新年祭になってしまった。時間が過ぎるのが早すぎるよ。ゆっくり時間が流れてもジュエルラット作りに変わりは無いんですけどね。
そんな訳で、レイチェルの星振りの儀ですねえ。……もう第9子まで星振りの儀の歳になったんですねえ。後はルーナとミーナしかいないんだな。早いなあ。もう少しゆっくりでいいのに。
まあ、うちは家族で出店回りですよ。これは毎年欠かせませんねえ。食べるのが一番の娯楽だからな。今年はどんな新しい食べ物と出会えることやらだ。
あれは、春巻き……いや、どちらかと言えばブリトーかな。オーク肉の。餃子から派生したかもな。とりあえず、食ってみない事には話になりませんね。
「店主、5つくださいな」
「あいよ」
「……トマトソースを和えた麺を作ってた人ですか?」
「おう、2年程前に出してたな。なんだ、その時も買ってくれたのか」
「ええ、そのトマトソースを見て思い出しましたよ。あの麺も美味しく頂きました」
「ありがとよ。今度は祭りで食べやすそうなのを考えたんだ。これなら手で持って食えるだろ?」
「両手が塞がらないのはいいですね。発想は餃子からじゃないですか?」
「よく解ったな。あれを元にしてるよ。とりあえず、料理を巻けば美味しくなりそうな気がしてな。やってみたって訳だ」
「成る程、片手で食べられるのはいいですよね」
「だろ? 祭りではピッタリだと思うんだよ。はい、上がり。お待ちどおさん」
「ありがとうございます。頂きます」
早速一齧り。……トマトソースが絶品ですね。これにチーズがあれば完全にピザ巻きなんだけどなあ。チーズは出せないんだよ。錬金術経由の作り方しか知らんし。
辺境伯の所と喧嘩になるからなあ。自然発生ならいいんだ。僕が錬金術で流行らせるのは不味い。材料や味は違うだろうが、喧嘩になることは良くない。
畜産に力を入れて貰ってるからそのうち作れそうな気はしてますが。……発酵させるんだよな? なんか胃袋に入れてたらチーズになったとか聞いたことあるんだけど、それが合ってるか解らんからな。
ん? あれはお好み焼きか? ちょっと違うな。……チヂミか? 美味そうだな。これも頂きましょう。
「すみません。5つください」
「あいよ」
「発想はお好み焼きからですか?」
「おう、そうだ。こっちの方がカリっとして好きなんだよ」
「成る程成る程、ちょっと硬めでお願いします」
「あいよ、硬めね」
ソースは……辛めのツンとしたソースですね。美味しそうですね。粉物が流行りなんでしょうか。いいですねいいですね。屋台料理もいろいろできてきましたね。
「お待ちどおさん、毎度あり」
では実食。……っかっら。舌がひりひりします。でも美味い。ほのかな甘みが舌に浸みますねえ。さっぱりソースでも合いそうな気はしますが、これはこれで。
屋台あさりはいいですねえ。毎年何かしら違う物が出来てくる当たり、料理人が頑張ってる。僕も負けてられませんね。何かいい発想が出来たらフローラさんに作って貰わないと。
とりあえず、ピザは確定でいいでしょ。チーズはうちにはあるんだから良いの。広めないけど、食べる分には許されるだろ。顔パック作るついでなんだし。
顔パックは売ってないが、エイミーやメイドさんは好んで使っておりますよ。もちもちつるつるになるんですよね。僕はもう使ってないが。
そんな屋台回りをしておりましたが、いい時間になりましたので、忘れずに教会前に陣取り、レイチェルが来るのを待つ。今年はデュークもお留守番だから見つかるかなあ。
そんな事は関係なく、鐘がゴーンゴーンと鳴り響く。錬金術師ねえ。僕も願いましたからね。振られてくれるといいんですが。ちゃんと届いてくれていれば問題ないはず。
鐘が10回鳴り終わり、子供たちが一斉に出てくる。……今回は無理そうかなあ。目印になるデュークがいないもんなあ。
そんな訳で、30分近く待ったが来ませんでした。周りでは一喜一憂している子供たちがいる。思いも寄らぬ才能に振られることは偶にあるみたいだからさあ。
うちの子はこれまではそんな事無いんだけど、こればっかりはね。解らんのですよ。神様が何を考えているのか解れば、色々なことが解るでしょうよ。僕も魔通話の改善点とか聞きたい。
「レイチェルは駄目そうね。屋台回りを再開しましょ」
「いや、レイチェルの星振りの儀が駄目だったかの様に言わないの。屋台回りは賛成だけど」
エイミー、こういうところは割と淡白。子供の才能が駄目な方向に振られることを考えて無いのかな? それとも別の事を考えてるのかな? その辺は解りませんが。
とりあえず、屋台回りを再開しましょうね。帰れば会う訳だし。その辺はもう慣れました。会える方が珍しいと思うようにしたから。
錬金術師に振られているといいんですが。その辺は少し心配。同じ才能を欲した者同士の共感と言えばいいんでしょうかね。まあ、大丈夫でしょ。
そんな訳で、屋台回り中も会えず仕舞いで家に帰った。帰ったら先に待ってたので結果はどうだったかと聞いたら錬金術師の才能に星8つと第六感の才能に星1つと槍使いの才能に星1つ振られたそうです。
良かったですね。錬金術師に成れそうで。戦える才能も貰えたのは有難いことですね。鉄迎派でもいいですよ? 派閥は好きにしてもらったらいいですから。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。