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【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編

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193/201

193話 30歳 魔通話の試作、祭りで花火

 麦や米が実る季節、時間が過ぎるのが早いですね。前まではもっと余裕があったように感じます。10月の中旬ですよ。どうも、ヘルマンです。


 年を重ねるごとに1年が早く感じるのは、1年が相対的に短くなるからという話を聞いたことがありますが、真実かは知らないがあっという間に10月ですよ。


 この時期に何があるのかといえば、ブラックダイヤの入荷時期なんですよ。大体毎年このくらいの時期に入ってくる。


 というのも、闇の魔境のドラガリア平原の最盛期が5,6,7月らしいんですよね。そのころに貯まったブラックダイヤを現地の錬金術師が買い、余った物がギルドに収拾される。


 だから大体この時期になるとブラックダイヤを買いに錬金術ギルドを往復するわけですよ。待てないから何度か行く羽目になるんだよ。


 んで、買ってきましたよ。ブラックダイヤ。今年は11個入ってきました。去年のと合わせて16個。実験が2回分ですかね。構想次第で1回になるかもしれないですが。


 大切に使いたいが、パッと使ってしまうのが僕な訳でして。早速色々と混ぜて見ましょうね。何を混ぜようか。今回は魔水主体で混ぜたいと思っております。


 暗号化がそれの方が上手くいくような感じがするんですよ。……これも良いな。混ぜよう。闇属性の素材はふんだんに使っていきますよ。


 ……んで、なんやかんやと考えてブラックダイヤを12個も使ったものがこちら。受信機と送信機を合体させるから難しくなるんだ。一方通行が2つなら簡単なのではないか、そう思って作ったのがこちらです。


 後は暗号化が上手くいっているのかの実験ですね。エイミーに協力してもらいましょうね。1セット持っていって、使い方を説明して準備はもう少し。


 僕とエイミーの間にメイドさんを挟みます。今回選ばれたのはヘザー。その辺のお掃除をしてくれていたところを捕まえました。毎度の事です。よろしくお願いします。


「じゃあ離れるから、離れたら魔石を置く場所に置いてみて。多分それで上手くいくはずだから」


「わかったわ。ヘザーはそこで良いの?」


「うん。僕が廊下の方で動くから。後は声に合わせて動いてもらう形でお願い。指示はエイミーに出すから」


「はいはい。じゃあヘザーもよろしくね」


「かしこまりました」


 そんな訳で、4階の扉越しにエイミーと通話するわけですが、どうなるでしょうか。通話は出来ると思うんですよ。後は暗号化が出来ているか。


「あーあー。エイミー、聞こえる?」


『聞こえてるわよ』


「ヘザーに聞いてみて。聞こえてるかどうか」


『わかった。ヘザー聞こえてる? ――――聞こえてないって』


「了解。じゃあ扉の前に移動してもらって」


『はいはい。ヘザー扉の前に行って欲しいみたい――――移動したわよ』


「はいはい、じゃあこれは聞こえてる?」


『私は聞こえてるわよ。ヘザーって事よね?』


「そう、聞いてみて」


『ヘザー、何か聞こえてる? ――――なんか変な感想を言ってきたわよ?』


「変な? なんだろう。解った。実験終わるよ。ありがとね」


『どうやって終わるの?』


「魔石を取ったら終わるよ。――――そんな訳でありがと。通話は普通に出来るみたいだね」


「不思議だけど会話出来るわね。で、ヘザーがなんか変な事を言ったのよ」


「変な事って何?」


「旦那様、体の中を何かが通っているような感覚を覚えました。それ越しに話しているとぞわぞわとしたものが体に入ったり出たりを繰り返しているような感じがしました」


「うーん、多分魔力が出たり入ったりしてるんだと思うな。声を魔力暗号に乗せて運んでいるから、波長が合う人にはそんな感じがするのかもしれないな」


「成功なの? 失敗なの?」


「成功よりだね。ちょっと暗号化が足りなかったのかな。もう少し複雑な暗号にしてみないと駄目かな。そうすれば反応しない様になるとは思うんだけどね」


「ふーん。大変そうね?」


「まあね。とりあえず、魔石をこれにしてみて。今度は普通の魔石でどの程度話が出来るのか実験したいから」


「はいはい。ヘザーはどうするの?」


「ヘザーはもういいかな。ありがとうね」


「いえ、では仕事に戻りますので」


「僕はまた外に出るからちょっと待ってて。扉を出たら魔石を置いてくれる?」


「わかったわ」


 そんな訳で、外に出て何気ない話をすること5分ほど。魔石が溶けて無くなった。……溶けるという表現が正しいのか解らんけど、とりあえず無くなった。


「うーん。5分かー。解ったとりあえずありがとう。また何か有ったら協力してね」


「ええ、いいわよ。なんだかんだ楽しいから」


 とりあえず、2人でしないといけない実験はこれで終わりだ。後は1人でも出来る。……魔石を置きっぱなしにして、無言でどの程度魔石がもつのかを計りましょう。


 ……そんな訳で、5分後に同じような現象で魔石が無くなった。……魔力があると常に通信し続けるのか。維持費が膨大になるな。これは何とかしないといけないな。


 後は呼び出し機能も欲しいな。相手がしゃべってるのかどうかが解らんからな。定期連絡とかならいいが、いざというときに使えないと話にならない。


 うーん、まだまだ改善の余地ありですね。……もう素材が無いので来年ですね。それまでに構想を練って置かないと。


 ふー、なんだかんだといい時間ですねえ。今年も色々と頑張りましたねえ。……まだ2月半残ってますが、魔通話の実験をしたら1年終了みたいな感じがするんですよね。


 レイドも堅調に終わりましたし、いうこと無しですね。3パーティーが安定したのは良いことですね。事故防止に丁度いい感じです。


 ああ、そう言えば、少し前にお祭りがありましたよ。ミズチとスティナラニアのお祭り。エイミーと出店を回って楽しみました。


 やっぱりお祭りはいいですね。家の料理番3人も出店を出していましたね。餃子の出店でした。仕込みは大変だと思うけど、美味しいんだよ。最高ですね。


 エイミーはエールを飲みながら食べてました。合うんだって。僕は飲みませんから、エイミーだけで楽しんで貰いましたが。


 次の日の朝0時までやっていたらしいですよ。流石に僕はそこまで居ませんでしたが。僕には別の仕事がありましたからね。


 花火の打ち上げですよ。この日の為に沢山作って来たんですから。新年祭は昼の祭りだから花火は映えない。夜の方が映える。


 そんな訳で、夜の1時頃から2時ごろまで、花火を打ち上げまくりました。フローラさん曰く、綺麗だったそうですよ。打ち上げ係は真下からしか見えませんからどう見えているのかは解らないんですよね。娯楽を作る側にいってしまいましたからね。僕も見たかったなあ。


 とりあえず、花火の作り方は錬金術ギルドにも報告したし、豊穣会宛にも手紙を出しました。是非皆で賑やかしになりましょう。僕も見る側に回りたいので。


 ただなあ。他の錬金術師も忙しそうにしてるんだよなあ。星の川作るだろ。ブルーアンバー作るだろ。他のポーション類を作るだろ。


 仕事が沢山ですね。良いことじゃないですか。そのルーティーンに花火を追加してもらえば。皆で仲良く打ち上げましょうね。……来年は僕だけじゃないといいなあ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人作家の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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― 新着の感想 ―
[一言] 拡声器から有線とか諸々を飛ばして中継局もない携帯電話作ろうとしてるって考えたら、そりゃ無理だわな。
[良い点] 中々形になってきた魔通話。 才能のお導きかやる度進化しますね。 [一言] ずっとポーションだけが定番商品だったところに、いくつもいくつも…
[一言] そんな事言ってるとそのうち他の錬金術師に刺されるぞww
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