192話 30歳 ジュエルラット作り、爪を切る話
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アリスからお願いを聞いて翌日ですね。自由市をぶらぶらとしながらネズミ狩りをしてました。どうも、ヘルマンです。
10匹位取ってきました。まあ、こんなに要らないとは思いますがね。1発で決めてやりたいと思っておりますので。こういうのは得意な方です。
時間がかかる品種改良とかよりは向いていると思います。……一応、豊穣会の出身なんだけどなあ。治水も品種改良も苦手とかどういった了見なんでしょうかね。食材に惹かれて入っただけだからなあ。
まあ、ともかく混ぜますよ。材料は一応決めてあります。その場のノリと雰囲気で追加するかもしれませんが、勘は大事だから。
まずは主役のネズミ君。素材の後に入れます。素材は致風石が1個、花水晶が1個、スティナラニアの鱗が1枚、星彩茸が10本、竜巻草が10本、快命草が300本、うーん王土通草の実も1つ入れましょうか。
後はー、風属性の魔力茸を10本追加しまして、……こんなもんかな。これで行きましょう。足りない感じはしない。大丈夫だろう。
後は魔石をどれだけ入れるかですが、……風属性の魔力茸も入れたしな。20個でいいかな。この辺りは感覚だからなあ。多分時間に関係してくるんだろうが。
さてと、早速錬金術のお時間です。とっとと混ぜましょうね。素材の感覚的に2時間30分が目安だと思うんですが、さてさて。
そんな訳で、2時間後。思ったよりも早く固まってくれましたので、くるくるポンと。完成ですね。……まあ、ネズミ。ハムスターが一番近いのかな? しっぽが短くなっちゃったし。
とりあえず、手のひらサイズにしましたよと。成長はするでしょうが。成長しても5倍になるのかどうかって所でしょう。
「エイミー、出来たからテイムしてー」
「テイム! 小さいわねえ。かわいいけど、起きないのね?」
「小さくしたときは毎回そんな感じなんだよね。反動か何かがあるんだろうか」
「アラクネは直ぐに動いてたじゃない」
「アラクネは小さくしてないから。ベースが無い錬金生物だし。シャウトやペフタンの時は知らないんだけどさ。動いてた? 記憶が無いんだよね」
「動いてなかったわよ? 貴方も動いてなかったけど」
「ねー、思い付いたからやっちゃったけど、レシピを伝えたら怒られたからね。こんなに高級素材を混ぜてって」
「魚は動いてたわよね?」
「そういや魚も作ったか。魚は小さくしなかったな。大きい方が美味しそうだったから」
「まあ、小さくすると動かなくなるのね。なんとなくわかったわ」
「後はアリス待ちだね。気に入ってくれるといいんだけど」
「そうね。気に入るといいわね。私は気に入ったわよ」
「ありがと。でも一応宝石を取れるようにしたつもりなんだけどな。爪どう? 宝石みたいになってない?」
「ん? どれどれ……綺麗な色をしているわよ? 緑色って感じかしら」
「うーん……ちょっと濃いエメラルドグリーンかな? 想定内の色だね」
「この爪をどうするのよ? 剥ぐの?」
「剥がないよ⁉ 伸びてきたら切るんだよ。……人も切るでしょ?」
「切ったこと無いんだけど? 途中で割れたりするじゃない? その時に周りも一緒に削ってるわ」
「あれ? 切らないの? 僕は鋏で切ってるんだけど。やすりも掛けてるんだけど」
「そうなの? 割れたら割れたで良くない?」
「いや、悪くは無いんだけどさ。……まさか爪を切る習慣が無いとか思わんじゃんね」
「爪を切って痛くないの?」
「痛いところまでは切らないから。白くなってる部分があるじゃん? そこを少し残すくらいで切るから痛くないよ」
「ふーん。割れたらその近辺を剥いてポーションを掛けてたわ」
「ああ、万能薬ポーションがあったか。そんな事してたんだ」
「初級ポーションなら貴方が沢山作るじゃない? だからサラたちに貰ってたわ。それでいいと思ってたもの」
「まあ、悪くは無いのかな? 他の人たちもそうしてる感じ?」
「さあ。私の家族は基本私と一緒だったから切ってないはずよ。割れても放置してるんじゃない?」
「……爪切りは流行るだろうか。……いや、習慣が無いんだから余計に危ないか。やすりで削るくらいかな? エイミーもやすりで削ってみる?」
「私はいいわ。困ってないもの。どうせ初級ポーションでいいんだし」
「だよねー。初級ポーションは万能だよなあ」
「錬金術の不思議な所よね。とりあえず初級ポーションを飲んでおけば何とかなるもの」
「一応、薬師でも作れるみたいだから、エイミーでも作ろうと思えば作れるんじゃない? 薬師の才能を貰ってたよね?」
「……よく覚えてるわね。でも作り方も知らないから、適当にやってみるしか出来ないけどね」
「うーん、磨り潰したり、水を混ぜたりしたら出来るとは思うんだけどね」
「……錬金術より早くできるの?」
「いやー、解んない。錬金術は1本ずつしか出来ないけど、薬師なら大量生産とかできそうな気がする。知らないけど」
「でも廃れてしまっているものね。まあ、面倒なことしてまでポーションが欲しいとは思わないけど。買えばいいんだし」
「まあねえ。多分錬金術の方が便利だったんだろうな。薬師には申し訳ないけど」
「今困ってないから良いのよ。困ってたら問題だけど」
そんな他愛もない話をしながら、アリスが帰ってくる夕方を待つのだった。大体夜の0時過ぎには帰ってきます。歩くと割と遠いからね。こっちは魔境に近いし。
そんな訳で、夜に入りました。アリスももうすぐ帰ってくるでしょう。……帰ってこない時も偶にありますが。テイマーギルドって忙しいんだね。
「ただいまー。パパー、出来てるー?」
「出来てるよー。エイミーに預けてあるから」
「まだ寝てるけどね。はい、この子よ」
「うわー、かわいい! 要望通りだね。ママ、テイム解除して――テイム!」
「一応、爪が宝石みたいになる様に作ったから」
「え⁉ 剥ぐの⁉ それはちょっと可哀そう」
「いや、切るんだよ。まあ、伸びていたらだけどね。半年はかかるんじゃない?」
「そんなにかかるんだ。――よし、レティシアにしよーっと」
「ああ、名前ね。……種族名、どうするかな」
「あら? 決めるの? 珍しいわね。普及させるものにしか付けて無かったでしょ?」
「報告書は出すからね。領主様で止められる可能性は高いけど。一応出しとかないと」
「アリスはちゃんと明日、テイマーギルドに報告に行くのよ? こういうことは疎かにしちゃ駄目よ」
「はーい」
「うーん、もうそのままでいいかな。ジュエルラットにしよう。うん、そうしよう」
「ジュエルラットね。そうやって伝えとく。支部長で良いんだよね?」
「支部長でいいと思うよ?」
「何で貴方が疑問に思うのよ。支部長でいいわよ。爪が宝石になるかもしれないこともちゃんと伝えるのよ?」
「解ってるよ。じゃあそんな感じに伝えとく」
「多分、支部長から領主様に行って、宝石の結果を見てから来年あたりに量産させられるんだろうなあ。面倒になりそうだなあ」
「面倒だと思うなら最初から普通の子にしておけばいいのに」
「いや、そこはほら、なんか譲れない何かがあるんだって。普通に作るのは面白くないじゃん?」
「パパ、レティシアに面白さは求めてないんだけど……」
「まあ、遊び心も必要だよ。アラクネも一応役に立ってるでしょ」
「シリルが裁縫士見習いになりましたからね。出来た分をあげているから」
「シャウトやペフタンは? 役には立ってないよね?」
「あれはできうる限りでの最高を目指した結果だから。意味はあるんだよ」
「アリス、真に受けちゃ駄目よ。作りたくなっただけの言い訳なんだから」
「パパ、そうなの?」
「……まあね。作りたかったのも事実だよ」
まあ、最高の材料が有ったら、錬金術するよね? とりあえず何でもいいから混ぜたくなるよね。そんな結果があれな訳なんですが。ペフタンはテイマーの才能の星4つでテイム出来てないんだからな。シャウトでギリギリみたいだし。
アリスが欲しいといえば、ペフタンをあげるつもりだったんだよ。エイミーでテイム出来なくてもアリスなら出来るだろうし。星9つは伊達ではないんですよ。
そんな訳で、楽しい錬金術でした。……造命派じゃ無いんだけどなあ。でも僕の性格的には造命派が合ってるのかもしれないけど。気の長い研究は肌にあってない気がする。
でも、魔通話は完成させるつもりでいます。100年後くらいですかね? 気の長い話になるとは思いますが、頑張りたいと思ってます。……現状、素材が無くて手詰まりなんですが。今年も何回か実験したいと思ってます。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




