189話 29歳 飯屋開拓、食い倒れ紀行作家ロマン
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年齢を重ねると時間が過ぎるのは早いと言いますが、本当ですね。もう12月の下旬ですよ。どうも、ヘルマンです。
最近昼間は飯屋開拓に勤しんでおりました。1番通りや2番通りにも飯屋って結構あったんですね。メインは西通りだと思っていましたから知りませんでしたね。
それに宿屋も昼を出してくれる所が結構あった。こっちも収穫ですね。まさか宿屋が飯屋をやっているなんて思ってもみませんでした。
でも味はやっぱりメインの西通りには勝ててないですね。美味しいことは美味しいんですが、もうちょっと頑張って欲しい所。
ただ、南側8番目の宿は確かに美味しかった。何で飯屋をやらずに宿屋をやっているのか解らないくらいの腕があったと思います。
裏街の方も行ってみたが、確かに美味い飯屋の所は人が少なかった。魔境の最下層の人たちにはお金を撒けていないからなあ。しょうがないとは思うんだ。
そのために道場も無料でやってるんだし。来てくれればパーティーでケルピーを倒すくらいの実力は付けさせてあげるんだけどなあ。来ないものはどうしようもない。
特にこの時期は道場に誰も来ないことがザラにある。別に誰にでも来て欲しい訳でも無いので別にいいんですが。来て欲しい人たちが来ないだけで。
まあそんな訳で、飯屋の開拓をやっておりました。……やっぱりエイミーと食べに行くならメイン通りかなあ。穴場みたいなのは特になかった。残念です。
錬金術の方は進捗駄目です。魔通話試作機をまた作ったんですが、装置に直接声を届けるという事さえ失敗しました。単なる拡声器にしか成らなかったわけですね。
大失敗の原因も解らないため、何が駄目だったか考察中ではありますが、プロトタイプよりも駄目な方向に進んだため、失敗という訳です。
花火の方は……何ともなあ。普通の出来だと思いますよ。改良の余地は残っているにしても、とりあえずはこれで十分なんじゃないですかね?
祭りで打ち上げる予定でいるので、筒と花火玉の準備をしておかないといけないですね。日にちをおいても使えるのかどうかのテストもしたいのでまだまだ花火作りは続けます。
ただなあ。花火玉作りは錬金術というより工作なんだよなあ。材料は錬金術で作るんですが、最後は手で作りあげますからね。
紙を作って、その紙で強度の違う魔水袋その1とその2を作って、別の紙で半球の花火の器を作って、中に魔石と魔水袋を入れまして、半球同士をくっ付けて、魔力操作で完全に蓋をします。
それで花火の完成なんですが、魔石の配置とか魔水袋の配置とかは完全に手作業。難しくは無いので別にいいんですが、錬金術でくるくるポンと出来ないものか。
まあ、そんな感じでしょうか。錬金術については。……錬金術と言っていいものか疑問な点もありますが。まあ、錬金術という事で。
トランプが出ていってから今日まではそんな感じでしたかね。特に報告書の必要な物を作ったわけでもなく、質問書を出さないと解らない謎にぶち当たった訳でもない。
品種改良は続けてるんですが、成果はないですし。劣化にしかならんのよなあ。こればっかりは気長にやるしかない感じです。
まあ、直ぐに成果の出る物ではないと回答書が帰ってきてますし、気長にやりますがね。……僕の気がもつかどうか解りませんが。
気が短いとは思ってはいませんが、品種改良をやるには気が短いでしょうからね。長寿種向きな研究ですね。手を出さないという選択肢は無いんですが。
でも今年は何もやってないような感じがするんだよなあ。……花火は作ったが、報告書が必要かな? 要らない様な気はするんですが、出しとくか。金にもならんと思うけど、流行れば面白いかもしれないし。
成果ってそれくらいしか無いんだよねえ。毎年何か作ってはいますが、もうちょっと頑張りたかったなあ。今年は大人しめでした。
アラクネの探りも偶に来ているようですが。まあ、優秀な密偵さんは見つからないので解らないんですが。迂闊な密偵さんは割といるらしい。……僕には判断が付きませんが、言葉だとさ。
うーん、何か作れないかなあ。今からでも遅くないから何か作りたいよなあ。錬金術に進捗が欲しい。魔通話が失敗に終わった以上何か欲しいと思います。
「旦那様、お客様です」
「お? はいはーい」
この時期に客か。誰だろう? トランプの違う遊び方を教えろって所かな? ……違った。ロマンさんですか。
「お久しぶりです。今回も書いてきました。同じものもあるかもしれませんが」
「ありがとう。いいのいいの同じものがあっても。その時その時の感想が大事なんだから」
食い倒れ紀行作家のロマンさんです。……いや、本職は野菜売りなんだけど。僕の中では食い倒れ紀行作家だからいいの。
「また随分と書いてくれたね。……何かこれがおすすめとかあった?」
「そうですね……香辛料を使った料理が流行ってるように感じましたね。結構売れるんですよ。より辛めの物が今はよく出ますね」
「成る程。……野菜も買いますので、ちょっと奥までよろしくお願いします。サラ、奥まで、フローラさんの所まで案内してあげて」
「かしこまりました」
「そんなに珍しいのは無いと思いますよ?」
「いいのいいの、1つでもあれば嬉しいんだから。じゃあお願いね。あ、そうだ。これ本にして教会に保存してもらうようにしたから」
「本ですか⁉ そんな本にする内容じゃないですよ」
「これを見て何か料理を思い付く人がいるかもしれないからいいんだよ。……65枚あるから小魔金貨65枚ね」
「本当にここに来ると金銭感覚が狂います。……まあ、お金は有り難いので受け取りますが」
「ではこちらに」
奥に行ったロマンさんを後に紀行を読む。……――……――……――……やっぱり文章が上手いよなあ。味が解りそうな文章だもんな。
まあ、これはある程度味の予想が付きますが。知ってる野菜と香辛料を使った野菜粥ですね。……米を使っているんですね。成る程。お腹が空いてきますね。
定期的に来るのが嬉しいですよね。いい暇つぶしになるんですよ。読み飽きたら本にして教会に持っていけばいいんだし。製本くらいはこっちでしますよ。……細工師に任せるだけですが。
今日から数日は娯楽に困りませんね。これを読めばいいんですから。……他にも探してるんだけどなあ。料理の才能持ちで、文章の才能持ちで、料理の店をやりたくない人を探してるんですが、見つかりません。
祈るようにしている弊害ですね。自分の欲しい才能を祈るから適当に振られた子供が少ないんですよ。それでも一定数はいると思うので、代官屋敷で募集を見てくれればなあ。
まあ、まず見つからないでしょうが。そうそう都合のいい人なんていませんよ。ロマンさんとは第六感の才能が導いてくれただけですし。
あそこのおばちゃんも元気でしょうか。星の多い第六感を持っていそうな雰囲気はありましたよね。暫くは行くことは無いと思うのであえるかどうかで言ったら会えないでしょうけど。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




