188話 29歳 トランプ世に出る、飯屋の開拓
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魔境が落ち着きまして、今年のレイドも堅調に終わりました。10月の上旬ですよ。どうも、ヘルマンです。
レイドも10回程行って来ました。3パーティーなので安定感が違いますね。レイドも沢山走っているし、問題ないですね。
錬金術は相も変わらず星の川を作って、合間に花火を作っている毎日です。花火作りも手慣れたものですよ。紙は植物紙を使っているんですが、花火には必要なんですよ。皮紙じゃあ強すぎるんです。
まあ、植物紙も使い道は殆ど無かったですし、花火に使えるんならいい感じなんじゃないでしょうか。……別の使い道もあるんですが、今日まさに必要になったわけです。
「なあ、ヘルマンさんよ。何かないか?」
「賭けを手軽にやりてえんだよ。リバーシやジェンガじゃあ時間がかかりすぎてよお」
「酒飲みながら楽しく賭けをやりてえんだよ」
「……なんでうちなんです?」
「そりゃあ実績があるからな」
「だいたいここにくりゃ何かあるだろうっつう信頼があるわけよ」
「他で探してる奴らもいるが此処が本命だろ?」
「そうですか。……まあ、無くはないですが」
「おおっ、やっぱりな。此処が当たりじゃねえか」
「それで、今度はなんだ?」
「簡単だと嬉しいんだがな」
「これですね。トランプという遊び道具です。まあ、色々と遊び方は有りますが、簡単なものにしておきましょうか」
そんな訳で、トランプがついに世に出ていくことに。……もうちょっとジェンガが頑張ってくれると思ったんですが。酒飲みの気が短かったか。
そんな感じで、ブラックジャックの21を25にしたものを教えました。絵札なんて無いからな。13を2枚連続で引いたらドボンですが、そんな運のいい人なんて滅多にいないでしょうし。
1枚目をオープンにして、2枚目以降を自分だけ見てクローズドで重ねて行きます。1枚目と相手の表情を見て勝負するかどうか考える訳ですね。
25に近い人が勝ち、同じ数字なら枚数の少ない方が勝ち、同じ枚数なら引き分け。両方ドボンも引き分け。こんな感じでいいと思います。
これなら酒を飲みながらでも出来るでしょう。……計算が出来ない程酔っていたら知りませんが。まあ、その辺は自己責任だ。
「……成る程な。これなら簡単だな」
「表情の読み合いか。……酔ってる奴の表情が読めるのか?」
「まあ、これなら時間もかからねえし、何人でも遊べるな」
「10人とかは無理ですからね。52枚しか無いんですから。ああ、この2枚は抜いて遊んでくださいね」
「おう。……つうと何か? 遊び方が複数あんのか?」
「御明察です。まあ、飽きたらまた聞きに来てください。……トランプを折らないでくださいよ? 折ったら折れ目で次のカードが何か解っちゃいますから」
「分かった。……で、これが幾つあるんだ?」
「複数作ってんだろ? 全部出してくれよ。絶対に取り合いになるんだからよ」
「混ぜるなって言いたいんだろ? 解ってるよ。解ってるから出してくれ」
「はあー。まあ、ここに5セットありますから持っていってください。紙は頼まれたら作りますので、絵は絵画の才能持ちに書いて貰ってくださいよ」
「よっ、流石ヘルマン」
「解ってるじゃねえか」
「いよっ、太っ腹」
「まあ、賭けるのも娯楽の1つですから気持ちは解らんでもないですからね」
「だなあ。暇なのはいけねえ。楽しまねえとな」
「おう、ここで練習してくか」
「そうだな、練習な。幾ら賭けるよ」
「家は賭博場じゃ無いんですが……日が落ちるまでには帰ってくださいよ?」
「わあってるって」
「2,3回やったらルールを覚えらあな」
「そういやよお、この辺りで爆破騒ぎがあったって聞いたんだが、ヘルマンか?」
「ああ、花火ですね。そうですね。家の前の通路で打ち上げてますよ。大体夜の1時に打ち上げてますから見たい方はどうぞ。空に打ち上がりますので」
「なんでまた爆弾を上に投げてんだ?」
「綺麗なんですよ。来年以降のこの時期に祭りをしようと領主様に持ち掛けましてね。その夜にでも打ち上げようと思いまして。その練習中ですね」
「祭りか! 祭りはいいよな」
「丁度レイドが終わった時期か。いいんじゃないか? 俺も行きたいぜ」
「日取りの予定とかは決まってんのか?」
「詳しくは知りませんが、多分冒険者ギルドでお知らせがあると思いますよ。それと屋台が出来るでしょうから解るとは思いますがね」
「西通りも一段と賑やかになって来たしよ、良いことじゃねえか」
「最近だとあの宿屋だろ。また新しい料理を思い付いたとか言ってたろ」
「ちょっと聞き逃せない情報ですね。宿屋ですか? 昼食とかはやってるんですか?」
「おお? ヘルマンは知らなかったか。西通りの……何番目だ?」
「南側8番目だろ? あそこの飯は店屋と同じくらい美味いって評判だぞ?」
「料理店は回りましたが、宿屋でご飯を出してるところがあるとは知りませんでしたね。今度行ってみましょう」
「最近になって教会に通うようになってからだよな、あそこの飯が美味くなったのは」
「教会には料理の本がありますからね。僕が作らせてるんですけど」
「そうなのか? まあ、それを見て何かひらめいた見たいでよお。結構美味いんだよ」
「宿屋にしては、前から美味い飯を出してたんだがな。最近のはもっと美味いよな」
「酒も出すようにしてくれればなあ。あそこは酒は持ち込みだからなあ」
「成る程成る程、他には知りませんか?」
「あ? あー……裏街だがいいか?」
「いいですよ。買いはしませんが」
「場所は解ってんだろ? 西通り南側4番通りなんだが、なんて言ったらいいか」
「あれだろ? 1回増えた風呂屋の2軒隣り」
「あーあそこか。あそこも飯が美味くなったよなあ」
「風呂屋の2軒隣りですね。今度行ってみます」
「おう、基本的にはあそこは美味い飯を出さないからな。人の入りが少ないから解りやすいんだよ」
「……人の入りが少ないんですか?」
「そりゃあ料理よりも女だからな。美味い飯は高えじゃねえか」
「裏街に用のある奴らは基本的には女か男目当てだからな。料理を売りにしてもな。まあ最近はそうでもないみたいだがな」
「そうですか。盲点でしたね。宿屋に裏街ですか。基本的に食事は西通りでしかしたことが無かったので」
「まあ、基本はそうだよな」
「西通り南側1番通りにも美味い店があるぜ。偶には通りを外れてみな。割と飯屋はあるぞ」
「裏街は、最近は風呂屋目当てに行くやつも多いからな。そう言う客目当てに料理を出すところも出てきてるからな」
「そうなんですね。新規開拓に行ってみましょうかね。とりあえずは教えて貰った宿屋さんに行ってみます。当たりな感じですし」
耳寄りな情報ですね。宿屋に裏街。確かに食べに行ったことがないですね。食べ物屋として見ていなかったですからね。
それに南側1番通りにもあるんですか。北側には宿屋が多いですけど、……そっちも飯屋をやっていないか開拓していかないといけませんね。
エイミーには悪いですが、開拓は1人でやりましょう。美味しかったら2人で行きましょうね。飯屋開拓も頑張らないと、娯楽が少ないですからね。
そしてとうとう娯楽のストックが無くなってしまいました。遊び方はババ抜き、ポーカー、ハイアンドローなどなど色々あるのでまだまだトランプで遊べますからね。
他にも何か考えないと。……トランプの親戚でもいいかな。UNOとか。まあ手軽なのはトランプですがね。何か良いものはないものか。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




