175話 27歳 アラクネ作り終わりました、品種改良試してみた、馬鹿が探りにやってきた
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魔境も静かになりましたねえ。今年も僕は殆ど関係ありませんでしたが。12月の上旬ですよ。どうも、ヘルマンです。
アラクネ作りは大変でしたね。……十数日前に終わりましたが、暫くは造命派の領分に触ろうとは思わないくらいには作りましたね。
幸いなことに探りを入れる人は来ませんでした。良かったですね、秘密が漏れなくて。まあ、金で動く僕ではありませんので。金は余ってるんだよ。
投資するにしたって投資先が無いんだよねえ。まあ、しょうがないので抱えていますが。エイミーにも何割か持ってもらっているんだけど、要らないと言われてしまった。
まあ、解るが。大魔金貨入りの瓶をポンと渡されても、わーい使い倒そうとは思わんよなあ。え、どうしろと? となるだけだよなあ。持ってもらうことに意味があるんですよ。
一応、寿命がいつ来るか解らないからさ。……寿命、僕の方が長いとは思うんですが。まあ、気分で持ってもらっている。使いたければ使ってくれていいからとは言ってある。
そんな訳で、また星の川作りに精を出しております。4つの奴は最近になって足りて来ているのか余り話は来ないんだよ。もっぱら11個の奴の話だからなあ。
ストックはほんの少ししか無い。殆ど売れてしまっている状態だ。需要はまだ底に来ていない。子供の分も欲しいからなるべく残っていて欲しいんだがなあ。
そんな訳で、魔水作りに精を出しております。魔水が一番使うからなあ。魔石にするから。がっつりと素材を買い込み作っておりますとも。
ただ、一日に作れる回数が決まっているからなあ。そこはしょうがないとは思うんだけど、もっと作れればいいんだけどな。
今のルーティーンだと大体仕事の合間に子供たちと遊ぼうとするとお昼寝の時間なんだよなあ。……残念過ぎる。子供との時間を取ってあげたいのに。
夏場はちゃんとレイドをやりましたよ。腕が鈍るのは避けたいからなあ。ジョンさんのパーティーと一緒にガンガンスティナラニアを倒しています。
腕が鈍ることはありませんが、ケルピーのレイドをしていないので、沢山と戦うというのがあんまりないんですよねえ。強い敵とばかり戦っています。いいのか悪いのかは解らんところ。
僕としては、素材の供給が途切れないのでいいんですが。連戦の練習もしとかなくて良いのかなあ。……戦争を見据えたら、ケルピーのレイドを熟した方がいいような気はするんだが、如何せん数が多すぎるもんな。僕が行こうとは思えないほどにレイドが走っている。
錬金術の方もなあ。アラクネ作りが忙しすぎて構想を練る暇がありませんでした。降ってくるのも待っているんですが、中々降ってきませんね。魔水作りも飽きてきましたし、何かないかとは探しているんですが、無いもんなんですよねえ。
……それでも錬金生物を作ろうとは思いませんがね。流石にもうお腹いっぱいです。暫く他の物を作りたい。何がとは決まっていませんが。何か無いかなあ。
ああ、種の入手はある程度集めてあります。……何種類かは作って畑に植えました。アラクネばかり作るのも嫌になってきますからね。
とりあえず、20種類位種を改良? して植えました。どうなるのかは分かりません。とりあえず作った感じです。年中育つのかさえ分かりません。……すでに幾つか駄目になっているものもありますが。品種改良は思ったよりも難しそうですよ。
それを思うと、豊穣会の面々は色々と努力していたんだなあと思います。……多分、僕みたいに何十種類も作っては駄目にしてを繰り返しているんでしょう。気の長いことだよなあ。
僕には余り向いていない可能性がありますね。……待つ時間が余り好きではない事が少しだけ分かったような気がします。僕はせっかちの様です。今まで知りませんでしたが、多分そうだと思います。
出来るだけ早く形にしたいと思ってしまうんですよね。それを思うと品種改良には向いてなさそうです。……やってはみますがね。生姜が欲しいんだ。簡単に出来てくれないかなあ。
「旦那様、お客様です」
「ん? はーい」
客? 誰だ? 戦盤の奴はまだ早いだろ? 出してから1年経ってないからなあ。いや、作ってくれって依頼は何件か来たんだけどさ。細工師に作って貰えと突き返しているから。流石にもう来ないでしょう。ルールの改定の話をしに来るならもう少し先だと思うんだよ。
領主様の依頼の方が優先ですからね。……品種改良は息抜き。息抜きは必要だよ。毎日同じものを作り続けるのも疲れるんだよ。偶には違うこともやりたい。
そんな訳で、店の方に行ったんだが、……貴族の使いだな。立ち居振る舞いが平民じゃない。豊穣会の面々に似た雰囲気を感じる。となると、探りに来たのかな。ギリギリで納品が間に合った感じか。
「失礼、ここで質のいい糸を作っていると噂を聞きましてやってきました。私、ミクロスと申します」
「どうも、ヘルマンです。質のいい糸ですか? 作ってませんよ?」
「おや? おかしいですね。確かに此処の錬金術師の店で作っていると伺ったんですが」
「?? いえ、本当に作っていませんよ? 細工師に宝石は卸していますが、糸は扱ってないです」
「そうですか。質のいい糸があると伺ったんですが、噂は眉唾だったのでしょうか」
「いえ、質のいい糸自体はありますよ。自由市でその服も売り出しているみたいですし。少しどころかかなり高いですが」
「おお、それですそれです。その糸が何処で作られているのか知りませんか?」
「知っていますよ。……知らない人がいるんだろうか? 大々的にやってますよね?」
「おや? そうなのですか?」
「ええ、去年か一昨年か忘れましたが、テイマーギルドと錬金術ギルドの裏で作っているはずですよ? 色々とやっていたみたいですし」
「そうですか。何をやっているのかはご存じで?」
「貴方の言っていた糸を作ってるんですよ。……案内しましょうか? 家の娘もテイマーギルドで働いているので、見たいといえば見られると思いますが」
「いえ、そこまでお手間を掛けさせるわけには行きません。直接交渉に行くとしましょう」
「そうですか。しかし、質のいい糸だとは思いますがなんでまた? 商人にしては少し貴族社会に慣れたような身のこなしですが」
「ええ、専売させて貰えないかと思いまして、交渉に来た次第です。なのでこちらで作っていないなら、ギルドの方へ当たってみます」
「そうですか。……専売は難しいんじゃ無いですかね? 領主様の肝煎りだと噂で聞いていますよ」
「だからこそ、専売契約が出来れば儲けが出る訳ですよ。商機があると思ったわけです」
「成る程、そう言う考え方もあるんですね。勉強になります」
「では、そう言う事で。失礼いたしました」
探りを入れてきた人はあっさりと帰って行った。……本当にあっさりと引いたな。とぼけてもう少し踏み込んでくるかと思ったが。
まあ、基本的に嘘は付いていないからな。そう言う才能があるのかは知らないが。悟りの才能とか読心の才能とか有ったら知らんけど。
あの感じだと、本当に僕が関係あるのか知らない感じで来たような気がするな。錬金術師の店を1軒1軒回っているんだろうか? 他の錬金術師も知らない訳ないよな。
……錬金術ギルドに素材を仕入れに行くときに、あれを見ることになるもんな。流石に知らん事は無いだろう。絶対に気になって一度は見たはずだ。
テイマーギルドと錬金術ギルドの裏には、アラクネの居住区があるんだが、異様なんだよ。高さ地上6階建てくらいの糸の張った建物があるんだから。
中には沢山のアラクネが住んでいるんだが、アラクネは階段を使わずに糸を階層の窓に引っかけて道を作っているからな。
地面をある程度固める液体でも出しているのか知らんけど、地面にびたっとくっ付いている極太の糸があるから。それが何本も窓から出ているから異様に見える。
そんなもの見たこと無い人の方が少ないんじゃ無いかな。冒険者広場に行けば見えるし。自由市からも見える。多分、ミクロスと名乗った男も見た上で来ていると思うんだ。
見てないなら節穴もいい所だよ? まずは錬金術師を探るよりもそっちを探って情報をまとめてから聞き込みだろう。……若かった所を見るにそう言った仕事が初めてなのかもなあ。
まあ、今後はああいった輩が増えるという事なんだな。了解了解。当たりを付けて来ていないならあしらうのは簡単だな。当たりを付けてこられて粘られると面倒だけど。
「おう、珍しいな、ヘルマン自体が店番やってるなんてよお」
「まあ、少し先客が居ましてね」
「ああ、さっきのぶつぶつ言ってた奴な。何しに来てたんだ? ありゃ冒険者でもねえし、町でも見たことない恰好をしてたからよ」
「多分、王都か何処かの貴族の使いですよ。……服装が違いましたか?」
「あー、なんていったらいいんだ。着こなしが違うっつうか雰囲気がよお。この町のもんじゃねえなって感じたな」
「成る程、着こなしの雰囲気ですか。そこまでは見ていませんでしたね。しぐさなんかは元貴族かなって感じるところはありましたが」
「そこは俺らじゃ解らねえな。でだ、中級ポーションを100本くれ」
「はいはい。――どうぞ、毎度あり」
「おう、ありがとよ。……んで、その貴族の使いが何しに来てたんだ?」
「錬金術ギルドとテイマーギルドの裏の事は知ってますか?」
「あー、あれなあ。何だったか。糸を作ってるんだったか?」
「そうです。それを何処で作ってるんだって聞いてきたわけですよ」
「見りゃ解るよな? あんだけデカい変なのがあるんだからよ。なんでそっちに行かねえんだ?」
「それが解らないんですよねえ。明らかに怪しい所は向こうでしょうにね」
「だなあ。貴族の使いは馬鹿でも出来んのか?」
「流石に無理でしょ。家でも馬鹿は要らないですし」
「だよなあ。物探しに向いてねえ奴を遣わしたのかもな」
「貴族の側も大したことないのかもしれませんがね」
「おおっ、ヘルマンも言うじゃねえか。お前さんの方がマシだってか?」
「そこまでいうつもりは無いですが、僕ならもう少し周りを見られる人を送り込みますね」
「怪しい場所は解ってるからな。俺もこの町で長いこといるが、あれにはまだ慣れねえからな」
「異様ですよね。糸っぽいものが使われてるのに何でそっちを先に調べないのか分かりませんよ」
「確かに。おっと待たせてるんだ。そんじゃな。また来るぜ」
「いつでもどうぞ」
冒険者に馬鹿にされる密偵って一体……。まあ、僕もそう思いますが。変な物の出所が錬金術師と思い込んでいるんだろうな。……じゃあギルドに行けよとも思わなくも無いが。
しかし、大したことない貴族だろうというのは事実だと思います。領地持ちの伯爵に喧嘩を吹っ掛けるのは、それ以上の力があるか、馬鹿のどっちかだろうからなあ。
対等、もしくはそれ以上の力があれば、あんな密偵って解る密偵は送り込まないだろうし、多分お馬鹿だとは思うんだ。お隣の伯爵の使いだったら目も当てられないな。
恐らく、王都の法衣男爵当たりが有力でしょう。何をしたいのかは分かりませんが、もう少しマシなのを送った方がいいですよ。
怪しさ全開の残念さんでしたからね。商人と偽るのにも無理がありすぎて会話が繋がってませんでしたから。もう少し何とかならんかったのか。
まあ、普通に行けば錬金生物にたどり着くでしょうし、どの錬金術師が噛んでるかの探りを入れてくる連中が増えるでしょ。多分、客に偽装したり、色んな手を使ってくると思います。
あんないかにも貴族の元で働いていますって感じのは来ないと思います。そこまでこの国の諜報は甘くないと思っていますので。……僕が気付かない様に探ってくださいよ?
しかし、メイドさんには口止めしてないんですよね。何を作っているのかは言ってないので大丈夫かな? ……駄目な気がする。一応口止めしとこう。忘れてたなあ、そういうとこ。面倒くさいなあ。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




