表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

168/201

168話 26歳 領主様の呼び出し、アラクネ秘匿技術に

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 今年もレイドが堅調なようです。…冒険者ギルドを確認してきたが皮紙で埋め尽くされていた。あれを書き換える作業も大変だなあ。4月の下旬ですよ。どうも、ヘルマンです。


 ちょっと今日は呼び出しを受けておりまして。領主館にいかないといけないんですよ。…図書館の件か? 報告書を出したのってその位なんだが。


 でも図書館の件で呼び出されるって言っても、訳が分かりませんよ? 何処に建てるか位だと思うんですが。…運営方法か? 絵画の才能や絵師の才能持ちを司書にすればいいだけだよな。


 他に難しいことなんてあったか? …植物紙が足りなくなったか? 1000枚位渡したよな。それで本を作る気か? …そうなったら面倒くさいですよ。植物紙専用の錬金術師が欲しい所。


 写真機をもう一台とかなら楽なんだけど。…実質この領でしか作れないからな。高級素材を使ってるからな。多分秘匿しても良いものですから。…公開しちゃいました。すでに手遅れです。


 後は何があるよ? 酒か? ドワーフだからなあ。僕が酒屋のパトロンをやっていることは知っているだろうし、その件で何かあるのか? 何もないよな。


 火酒の作り方が何処からか漏れたか? ケビンさんから漏れてそうだなあ。しかし、教えていいものか。知らんとは言えんからなあ。


 まあ、1人で来いとも何も言われてないところを鑑みるに秘密をどうこうしようって気はなさそうだとは思うんだけど。…他に呼ばれる理由が思いつかないんだが。


 後は何があったか。…戦争の話か? まだ早いよなあ。僕だけ呼ぶのもなんだかなあ。多分違うと思います。本当に何の話だろう。


 そんな思いをしながら代官屋敷に着いてしまった。…しょうがない。行くか。何の呼び出しか知らないが、別に悪いことだと決まっていないんだ。


 …悪いこともしてないよな? うん、してない。別に緊張する必要無くないか? 呼び出しだけど、いつ以来だ? 魔境の周辺の町に騎士爵を増やしに行ったとき以来か。懐かしいな。


 ああ、違うわ。魔剣を納品しに来たわ。…自分から来てるじゃん。魔剣の話の可能性もあるのか。あれの処分は僕の手に余るんだけど。まあ、いいやとりあえず行こう。


「すみません。呼び出されているヘルマンです。」


「ヘルマン様ですね。こちらへどうぞ。」


 いつも通り奥に通される。…もう道は覚えてしまったがな。流石に行ってきてではいかんもんね。扉をノックしてもらっていつも通りだ。


「入れ。」


「…失礼します。」


「おう、ご苦労さん。戻っていいぞ。―――でだ、ヘルマン。こいつの話だ。」


 …テイマーギルドの支部長がいる。…アラクネの話か? それとも畜産関係の話か? 副支部の話か? 馬車用動物の投資の話か? 魚の話か? 酒屋の話か? …どれだ?


「すみません。心当たりが多すぎて、どの話かは分かりません。取り敢えず、テイマーギルドが関係あるのは分かりました。」


「あ? おい、アントニオ。こいつはそんなにテイマーギルドに関わってんのか?」


「…ああ、色々とやってるな。ダニエル兄、多分5つ位に関わってる。こいつはそれだけ領都で色々とやってたわ。」


「お前…、まあいいんだけどよ。今回呼んだのはこいつの話だ。…この布だ。覚えはあるな?」


「もしかしなくともスパイダーシルクの布でしょうね。では、アラクネの件ですね。」


「ああそうだ。アラクネの件だ。…簡単にいうと、これを外に出すのはやめだ。家の領の秘匿技術にすることにした。だからアラクネの作り方をこれ以上広げるな。」


「…あの、豊穣会宛に手紙を出してしまったんですけど。」


「それはこっちで差し押さえてある。問題ない。他に作成方法を話した奴はいるか?」


「まだ錬金術ギルドにも出していないので、製法は僕しか知りませんが…。手紙を差し押さえてあるんですか?」


「ああ? 当たり前だろ? 他国と繋がってたらどうすんだよ。手紙の内容は出ていくものも、入ってくるものも内容は確認してる。…物騒な内容のもんもあったけどな。」


「あー、人に魔鉄があるかどうかの奴ですね。考えをまとめるのに割と重要だったので、…それとも持ってきたものの話ですか?」


「どっちもだよ、全く。なんで人に魔鉄があるのかどうかを聞くのか大分迷ったんだぞ? 秘密の暗号なんじゃないかとな。…読み取れなかったうえに特に動きも無かったから白だと判明したがな。」


「あー、そんな心配もあったんですね。…僕はとりあえず、他国に知り合いも居ませんし、豊穣会にも偶然入っただけなので。」


「裏は取れねえがな。まあ、一応警戒しておかにゃならん対象なのは覚えとけよ。…疑ってはいねえがよ。」


「…植物紙も写真機も報告書を出しましたけど、あっちは平気だったんですか?」


「あ? あれは問題ねえだろ。植物紙なんてものは余り流行らんだろうし、写真機位にしか使わんだろ? それに写真機の素材を考えろ。真似できるのは一部の貴族だけだ。あれは公開した方がいいんだよ。持っていることに意味が出来るもんなんだからよ。わざと公開してやって射幸心を煽ってやるんだよ。俺は持ってる。お前は? ってな。」


「はー、成る程。そんな公開の仕方もあるんですね。…で、今回のを非公開にするのはなんでなんですか?」


「それはこの布の質だ。普通に染色したが、まずこの艶は大綿花じゃあ出ねえ。」


「艶ですか。」


「その顔は解ってねえな。…まあいい。後は洗い勝手のよさだな。お前さんの所の髪洗液で洗っているが、汚れが直ぐに落ちるし、伸び縮みが殆どしねえ。何度も何度も洗わせたが、耐久性が大綿花とは全然違う。」


「ほう。そんな特性があったんですね。」


「そして何より燃えにくい。つうか燃えねえ。こんな布は初めてだぞ。」


「ああ、やっぱり火属性を抜いたのが良かったんでしょうね。後少し水属性も作用してるんでしょうか?」


「その辺は専門外だ。解らん。が、そう言う代物だ。スライムにも食わせれたし、これは家だけで生産する。」


「…難点はアラクネが繁殖不可な事だな。作って貰わにゃいかん。ヘルマン、これをお前だけで作って500体。どのくらいかかる。」


「げっ、マジですか。…星の川や魔水作りを止めてまで生産するとなると。うーん。1日に出来て…6体かなあ。それを500体となると…90日は欲しいんですけど。」


「ん? そんだけでいいのか。…どうするよ。」


「報告書の内容通りなら、快命草畑があればどれだけでも飼える。その位の広さはテイマーギルドの裏でも錬金術ギルドの裏でも十分のはずだ。ハニードランもスケルトンもいるが、広さ的には何も問題ない。最近になってハニードランの方も体を小さくすることを覚えたからな。…後は休む場所を確保してやらんといかんから付近の住宅は何軒か潰すがその位は問題ないだろ? ダニエル兄、増やすなら早い方がいいぞ。」


「だろうなあ。油の件でもそうだったが、貴族女性の動きは思ったよりも早いからな。よし、1500だ。他の依頼は断っていい。領主命令だ。1500、そんだけ作ってくれ。」


「ちょっと待ってくださいね⁉ 1500か…7体作れば新年祭までには何とか終わるかなあ。あ、スティナラニアのレイドは出ても大丈夫ですか? 腕が鈍らない様にしたいんですが。」


「おう、年内に終わるんだったら数日位構わねえ。多少ずれ込んでも構わねえから1500だ。」


「素材は錬金術ギルドから買うにしても切れないか心配なんですが。」


「そっちは俺から手を回す。素材の確保は任せとけ。買いに行かせるのは誰でもいいだろ?」


「まあ、そうですね。…持っていくのはどうしましょう。」


「お前の子供のアリスでいいだろ。家に就職してるんだ。毎朝一緒に出て貰え。多少遅れてきても文句は言わねえよ。」


「ああ、そうか。アリスがいたな。…数の管理はそちらでしてもらえますか? アリスに定期的にあと何匹か伝えて貰えれば大丈夫なので。」


「おう、その位問題ねえ。どうせ数えんだ。偶に後何匹か伝えるわ。…そうだな。最初は1000来た段階で、声を掛けるか。あと少しになってきたら細々と言うからよ。」


「分かりました。そうしてください。…懸念材料はそれくらいですかね。とりあえず、素材さえあれば何とかしますので。」


「報酬は年金の方に乗せとくからな。心配すんなよ。」


「お金に関しては余り心配してません。…報告書はそっちで保管するつもりです?」


「ああ、増やそうと思ったときにお前さんが死んでたら何ともならんだろ? だからこれはこっちで保管する。」


「分かりました。…他の錬金術師も巻き込むわけにはいかないんですよね?」


「なるべく秘密を知る奴は少ない方がいい。探りを入れてくる奴らが絶対にいるからな。お前にもそのうち話が来るさ。早ければ来年の春から夏頃に探りに来る。…確実に錬金術師が絡んでることがバレるからな。お前なら金では動かんだろ? それに騎士爵を持ってるからよお。相手も慎重になるだろ。」


「…暗殺対象にはならないですよね?」


「なるわけねえだろ。殺したらそこで終わりじゃねえか。殺したら技術が手に入るんなら別だが、作れそうな奴を殺してどうする。それ以上増えなくなったら雇い主の方が困っちまう。こういう事では殺しはねえよ。」


「話が来ても白を切っておけばいいんですよね?」


「ああ、誰が作ったかなんて漏れやしねえよ。…いや、漏れるだろうが、深く追求されたりしねえよ。精々大魔金貨1000でどうだと言ってくる位だ。」


「…別にお金に困ってないですし、それじゃあなびかないですね。魔境の高級素材をたんまりと持ってきてもらう方が嬉しいですね。この領、光属性と火属性の魔境が無いので。」


「…持ってこられても話すんじゃねえぞ?」


「はい。その辺は信用してもらっても大丈夫ですよ。」


「まあ、家の領ほどおかしな所は無いからな。…誰かさんのせいでな。」


「いいじゃないですか。騎士爵が増えるんですから。」


「限度ってもんを覚えて欲しかったがな。…知ってるか? この領都で去年だけで50人程増えてんだぞ?」


「あれ、そんなに増えてますか? …大分増えますね、騎士爵。ラッシュ時はもっと増えてましたよね? 領軍が騎士爵を取った時ぐらいからが。」


「おう。1200人位一気に騎士爵が増えたときがあったな。」


「一応聞いておきたいんですが、この領、今騎士爵何人いますか?」


「あー、っととと、これだな。今で7533人だな。一気に増えた時期があったからな。去年で凡そだが、350人位増えてんのか。」


「戦争に行くとき、全軍で行くんですか?」


「解らん。遠征費はせびるつもりだかんな。東の戦争に西のもんが出張るんだ。貰うもんは貰わんとな。…大体3000から5000だと思っとけ。お前さんにはまあ、まず間違いなく声がかかるからよお。」


「…因みに選考条件を聞いておいていいですか?」


「あ? そうだな。子供がある程度育ってて年寄り過ぎてない奴で選考するからよ。なんだあ? 行きたくないってか?」


「いえ、子供が騎士爵を取っていると思うので、戦場に行くにはまだ幼いかなあと思ってまして。」


「…ああ。あいつか。アランっつったか? 確かドラガリア平原だったよな。」


「…そうですが、何故に把握していますかね?」


「そりゃあお前。7歳っつう最年少で騎士爵を取ったやつなんか目を付けて当然だろ? ありゃお前の子供だったか。それじゃあ納得だな。」


「あのまま騎士爵を取ったんですか。パーティーを組んだ方が後々はいいからちゃんと組んだんだろうか?」


「申請では5人で上がってるからよお。組んでるだろ。まあ心配すんな。お前の子供が戦争に駆り出されるのは、王が渋らずに全員分の褒賞を用意した時だけだ。まあ、まず渋るだろうからな。そうなったら選考外だ。流石に結婚もまだの奴を他の奴を差し置いて連れてけねえよ。」


「それなら安心です。…あ、ブルーアンバーは出して通りましたよね? そっちは良かったんですか?」


「話が飛ぶ奴だな。あれは王都でも誰かしら作るだろ? あの材料だけ見ると王都でも作れる。…抱えても宝石が売りに出された時点で錬金術師なら大体の見当は付くだろ?」


「あー、そうか。王都でも作れるもんな。成る程。」


「返事の方も時間がかかるのもしょうがないだろうよ。新しい宝石だ。カーバンクルのとどっちがいいとか大きくて綺麗なのとかを求めるだろうから今年に褒賞が出れば早い方じゃないか?」


「…成る程。あんまり考えて無かったですが、貴族女性は宝石にも五月蠅そうですもんね。」


「当たり前だろ? 一代貴族の平民上がりと違うんだぞ? 強欲に呑まれた奴らが買い漁る可能性もある。ある意味燃料を投下したに等しい。カーバンクルのと違って色は決まってるが、形はどうにでも出来るからな。それに鉄迎派がどうせ大量に狩ってんだろ? 材料はたんまりとあるじゃねえか。」


「…今から報告書が帰ってくるのが怖くなってきましたね。」


「諦めろ。お前のしでかしたことだ。…まあ、少し早いか遅いかの違いだ。どうせこの領で流行ってんなら王都でも流行る運命だ。それに星の雫の方が収まってきたら誰かしら作っただろ。お前が金を手に入れることになっただけだ。気にすんな。」


「お金を大量に貰ってもなあ。豊穣会経由で出してるので半分だけとはいえ、流石に余ってきてるんですよねえ。…光属性の魔境か火属性の魔境が湧いて来ませんかね?」


「湧いてくるわけねえ…とは言えねえんだよなあ。魔境も霊地も解らんことだらけだからなあ。」


「冗談のつもりだったんですが…。湧いてくるんですか?」


「解らん。だが、大昔には霊地も魔境も少なかった様な感じの文章が残ってんだよ。…書かなかっただけかもしれねえが。その辺は目下王都で研究中だ。」


「そうなんですね。」


「ああ。ともかく、1500のアラクネを頼むわ。出来るんなら急いだ方がいいぞ。探りをどのタイミングで入れに来るのか知らないからな。」


「…なるべく早く頑張ります。」


「おう。帰っていいぞ。アントニオ、お前は残ってけ。話を詰めとくぞ。」


 そんな訳で退出しまして。…星の川製造機を一時中断ですね。…アラクネ製造機か。面倒になったなあ。そんな質のいい布になるなんて思ってなかったもんね。


 でも、火属性を入れなかったのは正解ですね。燃えなかったか。…なんでなんだろうね? 解らん。火属性が無ければ燃えないって訳じゃ無いよな。無色も燃えると思うんだよね。


 …それ以外で構成されているんだろうか。まあ、ともかく錬金術ギルドで材料を補充して行きましょう。在庫があれば後は気にせず作るだけだ。


 無ければ無くなる前に補充をよろしくお願いします。1日7体作りましょう。ご飯も食べたりするとそれが限界だと思うんだ。休みも欲しいし。しかし、年末まで作るのか。面倒になりました。はあ。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人作家の私も文章に反映できると思います。

…多分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] アラクネは属性のバランスを崩して作ったけど、繁殖するタイプにならなかったということか。
[一言] アラクネ大量売却は脳内BGMでドナドナが流れそう アラクネ10匹とかハニードランだとそんなことないのに
[一言] 本人自覚のないままに 伝説級の錬金術師になってそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ