160話 25歳 第9子産まれました、ヘルマン式精霊学考察中、暇人ども帰れ
夏の暑い時期が終わりまして、少しずつ涼しくなってきてますよ。…空調の結界を張ってあるのであんまり実感は無いですが。10月の下旬位だと思います。どうも、ヘルマンです。
レイドは頑張ったって黒字ですね。これからもそうだと思います。…騎士爵は大分増えたんじゃないかなあ。4つの奴も大概に売れていくんだよね。ストックできないくらいには出ていく。
今年は何人の騎士爵が増えたんだろう。…もう管理できているのか解りません。多分管理できてるんだろうなあ。徴兵するもんなあ。年金払うもんなあ。
戦争までに何人増えるかだな。そして何人徴兵されるかだな。…僕が漏れるような事は無さそう。こういう時の運って無かったりするんですよ。
まあ、覚悟は決めましたのでいいですがね。…エイミーの方が覚悟決まってるんだよねえ。結婚した時からすでに覚悟はしていたようだからね。…強いなあ。
ああ、そう言えば産まれましたよ第9子。女の子でした。名前を付ける権利を貰えたのでレイチェルという名前にしました。…何気に2人目、名前を付けたの。
産まれるまでは慣れたもんですよ。…僕は慌ててたけど、他のヘザーたちは何にも慌ててないの。…まあ、20人以上取り上げて来ましたからね。
流石に経験豊富です。僕の出る幕は無かった。お湯を取りに行って、ポーションを入れたらもう産まれてた。…もうギリギリが解るんだってさ。僕には一生解らないが。
まあ、母子ともに健康なので良し。…村だと割と死ぬんだよな。僕も3男だと思ってたけど、実は4男だったもんな。星振りの儀が終わってから聞いた事実。
1年の間があるなあとは思ってたんだよね。エドヴィン兄とマリー姉の間に。その間の子供は産まれて直ぐの冬に死んだそうだ。名前も知らない兄さんがいたんだね。聞いてないから知らないだけでついてたとは思いますが。
というか村ではとりあえず長男と長女が居ればいいんだよね。それに農家の才能が振られるんだから、次男次女以下はスペアって考えの家が多かったようだ。
というのは野菜の行商人をしているジャンさんから聞いた話だ。思ったよりも村の大人たちは残酷なのは聞いた話に寄るとだ。
セレロールス子爵領のダーリング村ではどうだったかは知らないが。僕は割とほっとかれたとは思いますがね。僕としてはそれの方が有り難かったですが。
過保護にされてもなあ。錬金術師を目指すうえでの障害としか思わなかった可能性もあるが。まあ、自由にさせてくれたことには、今は感謝している。
ただまあ、町でも似たような感じではあるんだが。ここ領都でも子供を大切にしているのかと言われたら、割とそうでもない。
跡取りになるような才能を求めて子供を産む人も居れば、出来たら即孤児院に入れる人もいる。…冒険者以外でもいるんだってさ。まあ、メインは裏街の人間だけど。
託児所も只でなければ流行ってなかった可能性もある。金を払ってまで預けようと思う人が少ないんだよなあ。教会は金を持っているから只でも運営できるけど。
でも聖職者の数も増えてきているんですよね。教会には割と訪問するから話位は仕入れているが、今年は聖職者に振られた人がいつもよりも多かったみたいだし。
神様もその辺調整してるみたいだし。祈りが足らない人は聖職者になってしまうんだろう。…普通は祈りが足りているから聖職者になるような気もするが。
まあ、家みたいに子供を大切にする家系は、町では一般的ではないという事が分かりました。大切にされるのは星振りの儀が終わってから。
人権が与えられるのは7歳からって訳だな。ちびっこはいい才能が振られるかの運試しみたいなもんらしい。…祈りの効果が確認されてからは、少しは変わったようだが。
子供を大切にする文化が根付いてくれるといいんだが。村では長男長女位しか大切にされないみたいだけど。…流石に兄弟は心配し合ったりもする。それは人それぞれだが。
僕だって村を出た口だからなあ。他の皆がどうしているのか気になることはあっても、関わり合いになることは無いからな。
セレロールス子爵領に帰ることもないし、エドヴィン兄の足取りを追おうともしないし、マリー姉が何処まで昇り詰めるのかも気にはなるが、積極的に情報を収集しようとは思わない。
耳に入れば嬉しいし、悲惨な目にあっていれば悲しむだろうが、それだけだと思う。手出しはしないと思います。…それが僕の生きてきた常識だし。他の常識は知らないし。
自分の子供も、成長すれば出て行ってしまうものだし、それはしょうがないと思ってる。…ずっと一緒に居られるとは思っていない。まず無理だろうし。
一緒に暮らせる可能性があるとするなら、錬金術師になって店を継いでくれる時だな。その位しか一緒に居られるとは思っていない。…誰かは店を継いでくれる錬金術師になってくれればいいなあ。
アランについても、気にはなるがもうアランの人生なんだ。頑張ってくれていればそれでいいし。ルクスもいるし、大丈夫だとは思うけど、万が一もあるもんな。
アリスはもう少し一緒にいることになるだろうね。具体的には13歳までだな。…それまでに家を出る可能性もあるが、仕事の事だもんな。仕方ないよね。
他の子たちはどうだろうね? 直近はラファエルな訳ですが、魔法使い志望ですから。…霊地に出した方がいいんだろうか? 魔境は早い。学校に行ってからで十分ですよ。
そもそも、魔法が上手いこと使えないだろうしね。魔術師ギルドで一応情報収集という名の雑談をしているわけだが、魔法名を叫べば発動するものでも無いらしい。
ちゃんと魔力操作で魔力を練り上げて魔法を発動するようです。魔力を練る際に詠唱をする派閥があったり、無詠唱の派閥があったり。
魔法名は言う事が多いらしいですが。パーティーで行動するのに無言で魔法を使うのは危ないからという意味があるらしいが、それでも魔法名も言わない派閥もあるとのことだ。
魔法使い系統にも派閥があるんですねえ、と聞いたら錬金術師よりも派閥は多い模様。才能毎に派閥があり、詠唱派や無詠唱派と細分化されて行くんだと。
錬金術師でいうところのゼミと一緒なんじゃ無かろうかね? 詳しいところまでは聞いてないから知らないけれど、魔法使いも色々とあるみたいですよ。
まあ、僕は魔法は使えないが、使ってみたいなあとは思うことはある。…かっこいいじゃんね、魔法。オリジナルを作る人もいるみたいだし。色々と使えそうだと思うんですよ。
魔法も全てが解明されているわけでは無いようですし。…魔法も魔力を使うからヘルマン式精霊学を確定させるために割と魔術師ギルドで会話をするようにはしているんですが。
今の所ヘルマン式精霊学が崩れるような超絶理論は聞いてないしなあ。生きている時間が長いほど魔力が増えるっていうのも間違いではないと思うんですよね。
体に貯えられる魔力は個人差があるのはこれはもうしょうがないと思うんですよ。どれだけ大きい容量が与えられるかは産まれ次第だと思うんですよね。
そして、成長と同時に魔力が増えていくそうなんですが、体の中の聖属性が減っていき、その枠に普通の魔力が入っていっていると考えれば間違いは無いと思います。
…極端な事を言えば、魔法を使えば使う程、取り込む魔力が多くなるから、聖属性の魔力も吸収する機会が増えると思うんですよね。だから魔法を沢山使う、魔境の魔法使いは長生きなんではないかと思う訳です。
星の雫のせいで効率よく魔力を使える様になったから、聖属性を吸収する機会が減ったと見るべきか、継戦能力が上がったおかげで、魔境にいる時間が長くなって、魔境の奥地に行き、強い聖属性を沢山吸収するようになると見るべきか。
どっちだろうなあ。レイドをやれば長生き出来るとか、鉄迎派の理論と同じような気がするが、ヘルマン式精霊学でも鉄迎派の理論は間違ってないと思うんですよね。
錬金術師も魔力を使って攻撃をするからな。…いや、冒険者も使うんだけどさ。強撃とか飛剣とかも魔力を使いますから。…魔法に比べたら微々たるものですが。
常に技を使い続けても多分吸収する方が早いんじゃないかな。…知らんのよなあ。強撃や飛剣なんかの魔力量。MPとか見えれば話は違ってくるんだろうけど。
…MPが見えたら寿命も大体予想がつきますが。総魔力量が減ったな、寿命が伸びたか。なんてことがあり得ることに。そんな優しい世界ではないですね。
戦いすぎで魔力が枯渇するんだろうか。…僕は実験しませんよ。鉄迎派がやってくださいね。魔力が枯渇するまで戦いたくない。そんな苦行、誰がするのか。
だって、スティナラニアのレイドをやっても錬金術で減る魔力量よりも少ないんだよ? 錬金術で魔力枯渇を感じるのも大概なんだけどさ。
徹夜で錬金生物を作る時くらいですよ。あれも魔力回復ポーション飲まないと魔力が切れる。…正確には聖属性以外の魔力が切れる。聖属性は扱えないから。
実験はしませんが、多分、魔力切れで倒れても死なないとは思います。…あんな規模の錬金術を失敗させたくないので実験はしませんが。素材が勿体ない。…万が一死んでも困るし。
まあそんな訳で、考察する時間は沢山あるんです。…錬金術がしたい。星の川や魔水以外の物を考えてわくわくしながら作りたい。星の川製造機はやめられそうにありません。
…そして店の中でリバーシ大会をしている人たち。帰ってくれないかなあ。細工師に作って貰えと言ったはずなんだが。出来上がりに満足いかなかった人たちがいた模様。
ガラスで作ったのが不味かったか。色合いが綺麗でインテリアにもなるからガラスが良いと申されまして。…リバーシ製造機もやっております。
星の川や魔水以外だぞ。喜べヘルマン。…喜べるか! ガラスの形を変えるだけだよ。色を付けるだけだよ。錬金術師じゃなくてもやろうと思えば出来るんだよ。そして何気に色液を作るのがめんどくさい。贅沢に青明蠟を使って着色してやってるぞ、この野郎。
娯楽が無い世界を侮っていましたね。去年は細工師に依頼に行ったんだろうなあ。…で、何処かで僕が作ったと漏れたんだろう。納得いかなかった人たちが訪れたんでしょうね。
何十作ったか解りませんね。そして、店の中で始めるんじゃない。帰ってからやってくれ。…下手に広く作ったのが仇になったか。
そして、そんなリバーシをしている人たちに集るシャウト。…餌は十分あげてるでしょ? みんなの癒し系錬金生物になってるんだよなあ。
動物喫茶では無いんですよ。早く帰ってくれないかなあ。お茶なんて出しませんよ。自分たちで酒を持ってきている。…持ち込み許可の店でも無いんですが。
いやまあ、素材の持ち込みは歓迎なんですが。錬金術師としての仕事が出来るのは有り難いので、どんどん仕事を持ってきてもらってもいいんですが。
…なんで家に来てるか聞いたこともあったさ。…飲食店が一杯なんだって。賭けをしようにも場所が無い。…家は賭博場でも無いんですが。
ほら今日は店じまいですよ。早く帰ってくれ。…そこ、ブーイングするんじゃない。家は朝2時から朝10時までなの。とっとと帰れこの野郎ども。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




