154話 25歳 他の子の星、教会に行きましょう、剣を打ってもらおう
新年も始まりまして、…相も変わらず星の川製造機をやっております。1月の上旬ですよ。どうも、ヘルマンです。星振りの儀で家のアリスが無事、テイマーに星が振られました。9つという最上の結果だったんじゃ無いでしょうか。
解らんけど、多分10個は出ない。そう思っております。あれは初めて実装された才能か…特別な才能にしか振られないと思ってますから。だから現行の最上は9つであると考察済みです。子供が9つの才能を振られたことを喜びましょうね。…ちょっと嫉妬しますが。
それで、他の子たちはどうだったのかと聞かれれば、他の子たちも上々といった感じですね。まずはヘザーの所のトム君、彼は父親と同じ鍛冶師の才能に振られました。星7つ振られたようです。父親のジャンさんは聞いたところ星6つだったので父親を越える才能の持ち主という訳ですね。
後は解剖の才能に星2つと遠見の才能に星1つと言ったところでした。中々に振られましたよねえ。僕の剣を預けている親方でも星5つらしいですからね。将来的には越えていくことでしょう。まあ、修行は必須だとは思いますがね。
それで、サラの所のルイス君は、騎士の才能に星6つ振られたようです。騎士ですか、いい才能ですね。色んな武器に対応していますからね。無難に剣ですかね? その他は聴覚の才能に星2つ、跳躍の才能に星1つ、夜目の才能に星1つ振られたそうです。
何気に夜目はいいですよね。便利な才能だと思います。後は跳躍も良いと思いますね。星1つ位なら全然使えます。5つも6つもは要りませんが。他の2人と冒険者に成りたいそうなのでいい才能を貰ったと思いますね。
それで、レベッカの所のシーラちゃんは守護者の才能に星7つ振られたそうです。いいですねえ、守護者の才能は。盾使いの上位互換ですよ。何気に武器も持てるのが守護者のいい所。…騎士に守護者といいパーティーだと思いますよ。
後は右手の才能に星2つと算術の才能に星1つ振られたようです。右手の才能は本当の所どうなんでしょうね? 右手に盾を持ったら相乗効果とか出ないんでしょうか? 戦える才能では無いみたいだからなあ。無理かな。算術さんは、はいそうですか案件。よし。
それで、フローラさんの所のドロシーちゃんは斧使いの才能に星8つ振られたそうです。メインアタッカーが来ましたね。斧は攻撃力が魅力ですよね。ハルバードでもいいんですよ? 何を使うか楽しみですね。
後は裁縫の才能に星1つと紡糸の才能に星1つ振られていました。…服飾関係の仕事にも就けそうですね。まあ、本人たちが冒険者志望なので関係ない才能ですね。
そんな訳で、子供たちの進路はテイマーギルドに1人、鍛冶師に1人、冒険者に3人となっております。冒険者組は訓練が終わったら出ていくようです。魔境はここの魔境を選んだようですね。まあ、まずは後2人探さないといけませんね。
アリスにも訓練はつけますよ。…前に練習で作った鉄の連節鞭をあげようと思ってます。魔銀は過剰だと判断しました。テイマーギルドの職員だしね。戦うといってもゴブリンかオークでしょ? 余裕ですね。星9つですよ?
後は代官屋敷から今年の年金を受け取るのと同時に豊穣会からの手紙と報奨金を貰いました。…いや、問い合わせの件、早すぎだろうと思っていたらバドランの件でした。すっかりと忘れていましたね。大魔金貨2枚だったので1枚年金に追加して入っておりました。
報奨金は普通こんなもんらしいです。20枚も30枚もポンポンくれていた学術院時代がおかしかっただけみたいですね。その旨も書いてありました。後はお酒にしたら凄く美味しかったらしいです。…僕は飲みませんので。
問い合わせの件は早い所届いてほしいなあ。永明派は絶対に知っていると思うんですよね。死体の解剖位やっていても驚きませんので。…なんとなく幽明派の方なんじゃないかとも思わなくも無いですが、多分永明派だと思います。
そんな訳で、今日は教会に行こうと思います。…考察の結果。聖金は教会でしか入手出来ないと思うんですよね。王都で学んだ聖者か聖女がいれば一番いいんですが、聖職者でも何とかなるとは思うんですよね。
簡単にいえば、聖属性を付与してもらえればいい訳でして。そうすれば聖金になると思うんですよね。…色々と考察はしております。前世の僕もフル稼働で考察しておりますとも。…どこまで当たっているのかは知らないですが、とりあえず、金のハンマーと魔金のハンマーを用意しました。
準備は万端。喜捨の用意もばっちりです。さて、教会に行きましょうね。教会はいつも孤児の雇用の時にばかり行っているんだよなあ。こんな用件で来る奴は初めてだろうが、初めてはなんにでもあること、諦めてくださいね。
「すみません、どうも、ヘルマンです。」
「いつもありがとうございます、ヘルマンさん。ご用件はなんですか?」
「こちらに王都で勉強された聖者様か聖女様がいないかと思いまして。居れば紹介願いたいんですが。」
「いつもの部屋で少々お待ちください。」
「孤児たちを雇うときに使っている部屋ですか?」
「そうです。聖者様をお呼びしますので。」
「では、待たせていただきます。」
始めこそ孤児院に連れていかれてたんだけど、そのうち孤児たちを連れてきてくれるようになったんだよね。毎度雇用の話だから、ちびっこまでは関係ないしね。説教部屋とでもいえばいいんでしょうかね? そこでゆるりと待たせてもらいましょう。
しかし、聖者様がいたんだね。王都から帰って来た。てっきり王都で塩漬けにされているのかと思いきや、地方にも出てきているなんて。運が良かったですね。…一応疑似聖銀も持ってきていますよ。答えが合っていればそのまま鍛冶屋に直行です。
「お待たせしました、この教会の聖者、ジェイミーです。」
「どうも、ヘルマンです。」
「どうも、ヘルマンさん。今回はどのようなご用件で?」
「聖金でハンマーを作りたくてですね。お願いに来ました。」
「…聖金という言葉をどちらで?」
「ああ、別に誰かから聞いたとかではありませんよ。過去に元貴族の方から才能が与えられた時期の話を聞きまして、そこからの考察から星振りの鐘が恐らく聖属性を付与された金、聖金だろうという結論に至りまして。」
「たったそれだけで聖金の名前まで出てくることは驚きですが、何故聖金を?」
「僕が今考察しうる金属の中で、最も硬いであろうと思ったのが聖金だったので。恐らく魔金よりも硬いのではないかと思いますが。」
「…確かに硬いかと言われれば硬いと思われます。…誰も聖金を壊そうとは思いませんので、詳しいところまでは知りませんが。」
「まあそうでしょうね。とりあえずハンマーを作って叩ければいいので、聖属性を付与してもらうことは可能ですか?」
「可能ですよ。…しかし、ずっと付与される訳ではありませんよ? 5日も経てば聖属性が抜け落ちてしまいますから。」
「5日もあれば十分だと思います。…しかし、やはり聖属性が抜けますか。星振りの鐘は龍脈と繋げてあるんですね。」
「…ヘルマンさん、龍脈は教会の秘密なんですが、どうしてそれを?」
「本当に誰からも聞いていませんよ? 考察から導き出しています。」
「…月に惹かれたと言われたことは、おありですか?」
「錬金学術院で言われました。恐らく、料理関係の月に惹かれているんじゃないかと。」
「料理の月からでも、教会の秘密に立ち入れるんですね。ええ、龍脈と繋がっております。…流石にハンマーをお繋ぎすることは出来ませんよ?」
「それは解っています。聖剣にしたいとかではありませんので。」
「…まさか、本当ですか?」
「何がです?」
「…まあ、いいでしょう。分かりました。ただし、注意事項があります。聖属性を付与した場合『エクステンドスペース』に入りませんので。」
「承知しております。袋も準備してきましたので。」
「…本当に何から何まで考察ですか?」
「はいそうです。」
「…月に惹かれたものは何もかもが早いと言われていましたが、ここまでですか。…まあ私も教会を出た身。ここでの話はしないでくださいね。」
「ええ、考察はしても外には…生きているうちには漏らしませんので。」
「まるで死んでからは知らないと言いたげですが、まあいいでしょう。注意事項はそれだけです。聖属性を付与した結果は話しましたし。」
「5日が限度という話ですね。了解しております。」
「ではハンマーをここに。」
「魔金では駄目ですか?」
「ええ、駄目です。純粋な金でなければ成りません。」
「…成る程。分かりました。これをお願いします。」
「暫く席を外しますがよろしいですか?」
「ええ、こちらで待たせていただいても?」
「大丈夫ですよ。」
そう言って席を外していきました。…恐らく錬金術と同じく才能に働きかけないといけないとかなのかもしれませんね。…考察では龍脈と繋ぐ時だと思っていたんですが。そんな感じで考察をしようと思ったら直ぐに戻ってきました。
「終わりましたよ。」
「…場所が関係するんですか?」
「ええ、聖堂でないと駄目なのですよ。」
「…成る程。分かりました。…注意事項の通りですね。袋に入れて帰ります。」
「ええ、そうしてください。」
さて、親方の所の売り場に行きましょうね。…聖剣はあるんですね。王都の教会にあるんでしょう。聖金で作られた剣。というより、金で作られた剣を龍脈に繋いだ剣でしょうね。…アンデッドに特効があるんでしょうか? それとも生きる者全てに特効があるんでしょうか。
それとも、勇者にしか使えない剣なのか。いずれ何時かの時の為の剣。それが聖剣なのかもしれないな。まあ、僕が親方に作って貰うのは疑似聖銀で作られた剣だ。聖剣とは違うものになるだろう。どんな剣になるんだろうか。
自由市の鍛冶屋の所に弟子さんがいた。今日は預ける訳にはいかんからな。直接渡しにいかないとな。…鍛冶場に案内してもらうのは初めての事だな。何処にあるんだろう。
「こんにちは。親方に用があるので鍛冶場まで案内して欲しいんですが。」
「ヘルマンさん。ええ、いいですよ。ちょっと待ってください。―――さ、行きましょうか。」
そんな訳で、自由市を後に。…魔術師ギルドの裏手なのか。…裏手という程近くはないか。結構遠い。こんなところに鍛冶場がかたまってたのか。知らなかったなあ。
「親方ー、ヘルマンさんです。」
「おう! ちょっと待て!」
そんな訳でちょっと待ちましょうね。…スライム燃料でここまで高温になるんですねえ。暑い。鍛冶場の中はもっと暑いんだろうな。凄いな鍛冶師。才能に高温耐性でもあるのかいな?
「おう、待たせたな。」
「いえ、それ程でも。…多分打てる物を調達してきました。時間制限があって、5日後位には使い物にならなくなると思うんですけど。」
「ああ、お前さんの剣を作るのに5日もいらねえよ。…まあ、やってみんことには解らんがな。打てなかったら直ぐに返しに行く。お前さんの太い方の剣でいいんだろ?」
「ええ、そっちでお願いします。では。」
「おう、吉報を待ちな。」
そんな訳で、帰りますか。どんな剣が出来るでしょうかね。楽しみですね。しかし、この辺りは来たことが無いですから新鮮ですね。…鍛冶屋ばっかりではなさそうですね。工房ばかりといった方が良さげだな。…ひんやり帽子を作って貰ったのはもう少し外側だったからなあ。工房街って所か。
さて、帰ってきて早速…魔水を作りましょうね。色々と作りましたからね。またしばらくは我慢しましょうね。材料、セット完了しました。それじゃあ才能を使って掘っていきましょうね。ではまたしばらく。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




