151話 24歳 スタンピードという名のお祭り、寿命延長薬、疑似聖銀
終わらない秋の到来です。12月の上旬ですよ。どうも、ヘルマンです。魔境はお祭りになりました。スタンピードが起こりました。ボーナスステージへ突入ですよ。楽しい楽しいレイドがまだまだ遊べますよ。やったね、冒険者達。
今年は暑かったからなあ。…現在進行形で暑いんですが。9月の末位の暑さですよ。もう12月ですよ? 異常気象です。まあ、家には空調の結界を張ってあるので、暑くも寒くも無いんですが。畑に出ると汗が出るんですよ。12月なのに。
まあ、僕はレイドには出ませんがね。…飽和してるよ。5組位レイドに出てるよ。乗合馬車で町を往復する人たちもいるよ。何処も彼処もお祭り騒ぎだ。冒険者諸君稼ぎたまえよ。他の町もお祭り状態なんだろうなあ。
この分だとどうなんでしょうね? とりあえず、冒険者ギルドに情報収集に行った感じでは、12月の20日頃には収まるだろうとの目星が大体ついている感じだった。凡その経験則だけど、この暑さから考えるとその位なんだと。
1月を跨ぐ時もあるらしいが、こんな生易しい暑さじゃ無いとのことだ。特に真夏が酷いらしい。…出張中も暑いと感じた夏があったが、あれ以上になるらしい。あの夏は振れ幅としたら許容範囲らしい。まじかー。面倒だなあ。
しかし、ボーナスステージとはいえ、ミズチとスティナラニアが出てくるわけでもなし。ちょっと浅瀬でケルピーと対面する時があるくらいだ。出ていくのは殆どがゴブリンかオークかウォーターウルフ。心配することでは無いとのことです。
冒険者も大概戦えるようにしてしまったからな。星1つでも3パーティーもいれば余裕で勝てるくらいには道場の成果は出ていると思いますよ。来てない奴? 知らんね。来るもの拒まず、引き入れはしない。それで場所を食っても意味無いし。
道場に来ている人には星が結構振られている人も居るからね。全員に聞いて回っているわけじゃないよ? 噂だけでもその辺は十分だ。おいあいつが来てるぞ? みたいな噂があればこっちの耳にも入るさ。
別に拒みはしませんのでどんどん来てもらったら。必要ないと思えば必要ないですからね。…才能に愛されるのがちょっと早くなる位ですし? 戦ってればそのうち愛してもらえるでしょうし。そのきっかけ作りなだけですから。技まで持って行くには実践あるのみ。
訓練でも身に付きますが、実践の方が早いとは思います。…意地悪な才能でも無ければ。才能の性格までは知りません。貰った本人がどうにかしないといけない事ですので。僕のは割と素直さんだったので苦労は無かったですが。
錬金術師としては…漸くと魔水が揃いました。水属性は沢山あるんだけど、他の属性はギルドで買うか、自分の残り物を使うしか無い訳で。…ケチなヘルマンが安い素材を先に使うので溜まるのが遅かっただけですよ。計画に問題はありません。
才能も疲労から帰って来た事ですし、早速準備と行きましょうね。…この魔水を6属性全て混ぜるんだ。しかも魔石にせずに魔水のままにしないといけないような気がしますね。魔石にしたらしたで面白いものができるかもしれませんが、今回は液体のままの方が良いと思います。
そんな訳で、混ぜます。錬金釜に全部入れて混ぜる。全部均等になる様に混ぜる。固まりそうなのは避ける。液体のままで混ぜ続ける。直ぐに固まりそうなんだよなあ。気を抜いたら魔石になってしまいそう。続けて混ぜ続けます。
混ぜること3時間。固まりそうになる回数が減っていき、暫く液体のままですが、まだ駄目な気がします。とりあえずそんな気がするから1時間後。完全に混ざり切ったと思います。…多分30分位は無駄に混ぜていたと思いますが、無駄で上等。ミスったら時間が痛すぎる。
保存瓶に6瓶。まあ順当でしょう。これで1瓶とかだったら泣く。色は…黒灰色。全色混ぜたと考えればまあ、妥当といえば妥当かな。黒白青赤緑黄色と混ぜたんだからこんな色になるのは普通だと思います。
そして、多分これを飲めば寿命が伸びると思われます。…不老不死には興味は無いが、そのうち実験しないといけないでしょうね。まあ、それはさておき、これを銀と混ぜますよ。…これを魔石にした方がいいだろうか?
…液体でいい気がするなあ。この感覚は大切にしてきたからな。今回も大丈夫な気がします。僕の才能さんはそこまで変な性格では無いとは思います。2つ1度でもいい気がします。が1つずつやりましょう。
銀インゴットを入れて、寿命延長薬とでもしましょうか。それを1瓶入れます。それを混ぜる。…普通の属性金属を作るときと一緒だな。混ぜて混ざって固める。即完了だ。…これでいいのか? じゃあもう1個作りましょうね。
インゴットを2つ作りまして、これを武器にする前にやることがあります。…『エクステンドスペース』に入りませんね。仮説はある程度正しかったようですね。…ああ、寿命延長薬も入りません。これはここに保管しとかないといけないのか。…面倒な。
厄介物じゃないですか。…まあ、魔銀は出来ましたので、さっさと武器の形にしてしまいましょうね。そんな訳で魔杖で形を整え…整え…整わない。なんぞこれ? 魔力操作で動かんのだが? …しょうがないね。鍛冶屋に打って貰いましょう。
時間は朝の9時。…今日は魔水を作って、11個の奴を作って終わりにしましょうか。明日持って行こう。…『エクステンドスペース』に入らないのが不便すぎる。とりあえず、ここに置いておくとして、寿命延長薬は…ここに隠しておこう。
そんな訳で次の日。朝1に星の川を作りまして、ご飯を食べて、魔水を作ってさあ出発だ。…日課になったもんだよ。農民だったころと同じ時間に起きてるよ。まあ、慣れたもんよ。ずっとこれだからこれでいいのだよ。
自由市でいつもの鍛冶屋を見つけて声を掛ける。…今日は親方じゃないのか。まあ、お弟子さんでもいいか。渡していつもの剣の様に打ってもらえばいいんだし。
「すみません、ヘルマンです。」
「あ、ヘルマンさん。いつもお世話になっております。」
「いえいえ、いつも世話になっているのはこっちですので。今日はちょっとお願いに。武器を打って貰いたくて。」
「? 最高品質の武器を持っていますよね? 武器を替えるんですか?」
「いえ、ちょっと厄物でして。」
「…錬金術師が厄物というんですか? もしかしなくともその荷物ですよね?」
「ええ、『エクステンドスペース』に入らない金属でして。」
「??? そんな金属があるんですか?」
「ええまあ。これをとりあえず、いつものこの武器と一緒の様にお願いします。」
「まあ、俺も親方に渡すだけですし、いいですよ。急ぎですか?」
「いえ、ゆっくりでも良いんで。とりあえず、武器にできれば。」
「? 分かりました。お預かりします。武器が出来たらいつもの様に届ければいいですか?」
「そうしてください。じゃあお願いします。」
「はい、お預かりします。」
さてと、魔銀も親方に任せることにしましたし、これでオッケー。…なんで魔力操作で武器にできなかったんだろう。まったく魔力操作を受け付けませんでしたよ。不浄の魔石の事を思い出しましたね。あれも引き出せませんでしたし。無事に疑似聖属性となっているんでしょう。
名前も魔銀でいいんでしょうか。まったくの別物な気がするまでもなく別物ですし。そうですね。疑似聖銀としますか。じゃあ星振りの鐘は聖金という感じでしょうかね。…でもあれ、魔力を補充しなくてもいいんでしょうか?
必要なさそうだったよなあ。多分大丈夫でしょう。属性魔銀も必要ないんだし、問題なしなし。さて、帰ったらまた魔水を作らないといけないですね。でもこれで少しは錬金術も前に進んだ気もしますし、いい気分ですね。
時間が少し早いかなあ。錬金術ギルドに寄って行きましょうか。素材を補充したいですし。魔水用にケルピーの水晶とかその他諸々買って行きましょう。今年はスタンピードのおかげで普段より沢山入荷するでしょうし、良いことですね。さて、昼からも頑張りましょうね。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。




