146話 24歳 アランの旅立ち、調味料工房始動、風呂屋追加、ジャンさんに頼み事、子猫の作成
春をうっすらと感じる季節。…まあ、家は年中一定の気温なんだけど。3月の中頃ですよ。どうも、ヘルマンです。アランがルクスと一緒に旅立って行きました。行先はカンムリ丘陵にですね。風属性の魔境です。
武器も火属性の魔銀で出来た物を新しく作って持たせました。砥ぐのはいつもの鍛冶屋のおっちゃんに頼みました。僕の剣のメンテナンスもやって貰っている人なので信用できます。魔金のと火属性の魔銀のと2つを砥いで貰いました。…先だけで、少し安心しました。
アランは直ぐに騎士爵になって見せますと言って出て行ったので、7歳にして騎士爵になるつもりなんでしょうね。…僕としては戦争が終わったころに取って欲しいなあと思う訳でして。…まあ、次会うときは戦争でですかね。殺伐としていますねえ。
アリス含めた子供軍団はいつも通りに教会に行っております。3歳組のミレーナもこの春から行き始めました。ミレーナは錬金術師とテイマーに成りたいんだったよね。…欲張りさんだけど、祈れば聞いて貰えるんじゃ無いかな。
神様も大概不思議だよねえ。基本太陽神しか才能を振ってくれない訳ですが、まあそれ以外の神様からも一応振って貰えるみたいなんですよね。解らないので厄介ですが。僕も本当に振られているんでしょうか？ 料理に振られているんじゃないかと言われましたが、どうなんでしょうね？
振られている感じが無いので解らんところですが、まあ、料理には拘りがありますが。錬金術も料理方面にやれたかっていえば、途中は女性に関係のあるものばかりを作ってたしなあ。…ネバネバの作成辺りから料理の方面に行って、また寄り道って感じでしょうか。
まあ、今は思った以上をやってくれる料理人を雇いましたからね。当分は料理はしない予定です。…それらしきものもしませんよ。…ちょっとマヒジュのチーズを作るくらいで。自分で食べるもの位はいいじゃないねえ？
僕の子供たちにも何か振って貰えてるんだろうか？ それともこれからの行いで変わっていくんだろうか。…大罪には振られて欲しくないが。アランも傲慢に呑まれないといいんだけど。…気付かせてくれる存在が必要だよなあ。…ルクスじゃなくて伴侶であって欲しいんだが。
まあアランの結婚はまだまだ先でしょ。まだ7歳よ？ 子供を作れる歳では無いわな。でも騎士爵を取るんだろ？ 大変だろうなあ、婚活。言いよってくる人は多いだろうけど、金目当てはなあ。その辺りは上手くやって貰わんといけないなあ。
そんな訳で、暇してるわけですが。…この間シリアス全開だったのに、だらけてんのかって？ クールタイムだよ。星の川製造機やってんの。まだまだ、この都市には星の川が足りていません。誰だよ、こんなことにした奴は。先を見えてなさすぎだろ。
…はい、反省しておりますとも。しっかし、まだ領軍に4つの奴も行き渡ってないのか、見回りついでに買いに来る奴の多いこと多いこと。1500人いたっけ？ あと何人位合ったやつが無いんだろう。年生産300位よ？ 他の錬金術師も多分製造機してるよ？ まだ合わん奴がいるとかマジですか？
でも、来年には解消されてるんじゃ無いかな。11個の奴は知らんけど。あれも年200位は作るんだけどなあ。出来れば300作ってるよ？ 素材が無いんだもの。足りないんだもの。しょうがないじゃん。あんだけレイドで狩ってるのに。
知ってる？ もう4月の1日のレイドの張り紙あるのよ？ しかも3か所も。飽和なんて優しいもんじゃないんだよ。もう被ってるのは無視。思い思いにレイドをするようになっていますよ。…気持ちは解る。僕はケルピーのレイドは諦めたし。
錬金術で金を撒くことに決めたから。…回収する未来しか見えない訳だが、とりま調味料工房を作りました。…酢、醤油、味噌、ソース、マヨネーズを工業化するようにしました。…例によって人材を募集したら来るはずも無いので、テイマーギルドで家族で暇してる人がいないか聞いて回った。
支部長に、「お前はテイマーギルドをなんだと思ってるんだ。」と言われましたが、都合の良い所と解釈しておりますです。はい。そんな訳で、酢、醤油、味噌の工房は動き始めておりますよ。今まで、家で修行した料理人しか持ってなかった調味料を使いこなしてみなさいな。
料理の才能さん出番ですよ。…まあ、料理店からも引き抜いたんだけどさ。いや、流石にソース作りは才能が無いと無理。そんな訳で、料理の才能がある奴を1人引き抜き、ソースを増産してもらっています。
マヨネーズは魔力操作が出来ればいいから…と思っていたんだけど、これはエイミーの実家の養鶏所に任せることに。…卵の入荷がね。そんな訳で、エイミーの弟さんに精霊樹の苗木と普通の魔石をプレゼントし、育てて貰う事に。
…魔杖はさ。別に錬金術師じゃなくても作れるんだよ。考えてみ、精霊樹の苗木と魔石、後は魔力のたっぷりの水でいいんだよ？ 錬金術師要素無いでしょ？ そんな訳で、魔杖を作って貰い、魔力操作で乳化させることだけ覚えれば後は簡単よ。頑張って売ってください。
ああ、保存方法は保存瓶に入れておけば3か月は大丈夫だったので。家で実験済みですよ。…流石に放置しすぎると分離しちゃいます。3か月も大丈夫なら料理人なら使い切るさ。問題なしなし。売れなかった奴は使い方が悪い。マヨよ？ 売れないはずないよね。
そんな訳で、調味料工房は色々と稼働しました。建物は特に要らないし。今ある家を工房にすればいいんだから錬金術で建てるとかもしないでオッケー。頑張ってネバネバを管理してもらう人が増えただけです。…テイマーギルドに監査に行ってもらいましたが問題は無かった。よし。
後は魚の養殖だけど、順調に行っているようです。サボり魔なのが幸いしてか、いい感じに減る前に増えるというサイクルに入っている模様。良いことだよね。魚の値段も落ちないし、在庫が無くならないしで、いいことずくめ。なんてうまく回っているんだろう。サボり魔なのに。
黎明派っぽい仕事やってない？ 最近はさ、造命派の仕事だったり、鉄迎派の仕事だったりばかりやってたからさ。パーッとやったわけよ。そろそろ調味料を受け入れられる下地が出来たと思ったんだよ。始めからは無理だと思ってたから。儲かってからでないと無理でしょ。
その点は問題無いからね。100％を越える客足が来てるんだから。立ち飲み屋じゃねえぞと言ってやりたいが、まだまだ料理人が足りない。早く、料理の才能持ちがどんどんと産まれてこないかなあ。修行を付けて店を持たせてやるよ。
全店100％を越える稼働率ってのが大問題なんだ。もっと独立するやつはいないのかなあ。パトロン位はしますよ？ まだまだ増えても問題ないくらいにはお店が儲かっているんですよ？ …ちょっと前に料理人を外に出しちゃったけどさあ。それ以上には料理の才能持ちがいるでしょ？
後黎明派っぽいことといえば、風呂屋を増設しました。…風呂屋マジで流行りすぎじゃね？ 3軒もあるのに繁盛時は芋洗い状態になるってんでもう2軒追加しましたよ。…24時間営業は1軒だけだけど。同じフォーマット、2軒作るのに1日も要らないですよ。…スケルトンさんだけは冒険者ギルドでゴブリンの死体を買い漁りましたが。4000匹分買ったか？ そんくらい買ったよ。
スケルトン動力は本当に便利。あれあるだけで揚水問題が解決するんだからさあ。まあ、風呂屋位にしか使っていない訳ですが。池とか川にも作られているんだろうか？ 豊穣会が実験と称して色々とやっているような気はしますねえ。水に五月蠅いらしいですからね、南の人たちは。
まあ、そんな訳でさあ。暇してるわけですよ。黎明派の様な仕事を行って満足してる僕ですが、普段は星の川製造機してるんです。…毎日やれば360個手に入るんですが、年間大体300個。サボってるわけじゃないですよ。違うものも作らないと仕事にならんですよ。
具体的にはポーションとピッタリ長靴。殆どこれ。冒険者の足回りを改善したら、領軍の足回りも改善したでござる。いや、領軍が麦藁靴じゃああかんでしょ。足回り大事よ。星1つ分から2つ分は戦力として変わってくるよ。平和だから問題になってなかっただけじゃないかな。
まあ、どっちにしても製造機してるんですよ。偶に自分用の物を作ることも…多々ありますが。デュークの時はこのまま死ぬんじゃないかと思いました。辛かった。眠気とテンションとの戦いでした。…あれをもう1回はやろうとしてるんですよねえ。
「旦那様、家の旦那が帰ってきました。例の物を買ってきたとのことです。」
「わかった。今行くよ。」
おっと、噂をすれば何とやらですね。例の物が届きましたか。明日からはまた5徹ですよ。辛い辛い錬金生物作りですよ。まあ、飼ってみたいと思っていた動物なんですが。
「ヘルマンの旦那、買ってきましたよ。」
「ありがとうございます、ジャンさん。約束通り、お釣りは要りませんので。」
「へへ、いやあおいしい仕事でしたねえ。偶には冬にも帰ってくるもんですねえ。」
「暑いのが苦手なんでしたっけ？ 夏に帰ってくるとは聞いていましたが。」
「夏は同業者も活発に動くんで、冬に動く方が儲かるんですよ。」
「そう言う理由もあるんですね。なんとなく納得は行きました。」
「まあその分種類は少ないですがね。その辺は儲けとの相談ですよ。」
「そうなんですね。…ところで、リチャードからも話は行っていると思いますが、本当に食い倒れ紀行の計画を実行できませんか？」
「ヘルマンの旦那、俺には無理ですわ。料理の味なんて美味いかどうかしか判らねえ。材料や調理方法なんかが解るのは料理の才能持ち位ですよ。それに文章の才能も持っていないですしね。代官屋敷に出す報告書で四苦八苦している俺には無理な話です。…おいしい話だという事は解ってるんですがね。試しに書いてみたものがありますが、読めたもんじゃ無いですよ。」
「どれどれ―――…―――。むう、やっぱり文章の才能と料理の才能の2つが必要そうですか。これじゃあ流石に解らないですね。」
「でしょう？ 俺に出来ることはヘルマンの旦那が知らなさそうな野菜を買い集めることくらいですわ。」
「いやまあ、それでも大概有り難いんですがね。村でしか消費されてない野菜なんかも仕入れて貰っているわけですし。」
「その辺はよく行く村でしか無理ですがね。流石によそ者に売るもんじゃねえですから。信頼関係を築くのが行商人のやり方ですよ。その分、他の村には足が中々伸びないんですが。」
「まあ、行商のやり方に文句は付けませんので。いつも通り、フローラさんに会ってから行ってください。」
「それが1番の仕事ですので。では、奥に行かせてもらいますわ。」
さて、ジャンさんに頼んでいた死体も手に入りましたし、明日早速錬金術と行きましょうかね。確定で5徹だと思うんですよ。材料はデュークを作った時と殆ど一緒ですから。…闇天紋茸を50本と漆霊闇苔を10瓶、ブラックダイヤを5個追加しますが。
闇属性の魔境の町、ドラガリア平原の周りの町の冒険者ギルドに行ってきてもらったわけですね。そこでこのソンブラガートの死体を買ってきてもらったわけですね。…コックス大湖でいうところのケルピーに当たる魔物で、猫型の魔物です。
猫を飼いたかったんですよ。犬枠は今はデュークがいる訳ですし、猫枠が欲しかった。…他の魔境が活性化し始めてるから出来た事ですけどね。領軍の皆さんが頑張ってくれているわけですね。報告書の通りやってくれていることでしょう。
そんな訳で、明日また非常に長い錬金術を行いますよ。まったく、造命派じゃないんだけどなあ。次の日からまた5徹したヘルマンが3日間丸々眠ることになったが、それはそれ。自業自得ですので。テイマーギルドにはエイミーが行きましたよ。…名前は何になったんだろう。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人作家の私も文章に反映できると思います。
…多分。
