表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編
141/201

141話 23歳 最後の遠征から帰ってきました、子供の世話も大変

 今年の魔境は少し早く潮を引きましたよ。11月の終り頃です。どうも、ヘルマンです。魔境が12月に入る前に大人しくなってしまいまして、収まったんならとっとと帰りましょうねという訳で帰ってきましたよ。


 冒険者ギルドのお婆ちゃん支部長は準備は万端に整えていたらしく、魔物を大量納品したけど、音を上げることはなかった。まあ、解体要員さんたちは必死に解体してましたけどね。ラグーンウルフが手間なんだよなあ。皮が大きいから。


 まあ、解体の才能さんの前ではほんの数分で解体されていくんだが。早いよ。見ていて清々しいほどの速度で解体していくんだもん。あれは解体の才能に愛されてるね。完全に愛されてる。そう感じました。…お爺ちゃん解体師が一番早かった。流石ベテラン。腰が曲がっていても刃は曲げない。そんな意気込みで解体されていた。


 冒険者の方はまあ、普通? ルター町の冒険者並み? まあ、褒められるほどではありませんが、しっかりと冒険者をしている連中でした。欲望に忠実と言えば良いのかいな。金さえ貰えれば何でもやりますよ感が凄かったかな。


 レイドの方も十分ですかね。スティナラニアのレイドでは100人を切ることもありましたが、参加したであろう全ての冒険者が星の川を買えるくらいには来ていたと思う。1回だけ来て後は来なかったとかのパターンもあるだろうが、3回か4回来れば買えるんだからな。


 ケルピーのレイドも大体毎回200人位は来ていたんじゃないかな。数は数えてないから解らない。スティナラニアのレイドでは数える気が起きるんだが、ケルピーのレイドはなあ。景気のいい冒険者を増やす意味だけだからなあ。景気がよくなればそれでいいんだ。


 後は、第六感さんが食い倒れ紀行に行かせる行商人にあわせてくれた位か。第六感さんの本気を見た感じだった。紀行を書かせる行商人が第六感の才能を持っていたのにも驚いたが、まさかあのおばちゃんが第六感の才能を持ってるとは。解らんもんだね。


 まあ、そんなところでしょうか。お土産もなあ。良いのが無かったんだよね。お土産なあ。買って行きたいのは山々なんだけどな。絵画くらいしか無いんだよ。無いんだよなあ。子供の玩具とかも買いたいけど、無いんだもんな。


 子供にあげられるのは武器と金と星の川位なんだよなあ。殺伐としすぎてませんかね。錬金術師に成りたいって子供がいれば、書き留めたレシピ位なら写させてあげられるんだけどなあ。…ルクスを作った素材も書き起こしました。間違ってない…はず。近いうちに試しますが。


 そんな悶々としながらも帰宅。いつも通りお店の方から入っていく。…南側なんだもん。ここが一番近いんだ。まともに屋敷の玄関を使ったことなんて無いけど、こっちの方が便利なんだからしょうがないじゃんねえ。


「おかえりなさいませ、旦那様。」


「ただいま。レベッカ、変わりはない?」


「お子様が産まれた以外は特には。」


「あー、やっぱり産まれてたか。他にも子供が増えてる?」


「はい。ヘザー、サラ、フローラ、クレアの4人が出産しました。」


「レベッカとダイアナさん以外か。分かった。エイミーは今どこにいるかな?」


「今日はヘザーの所に集まっているはずです。」


「分かった。3階だったよね?」


「はい。3階です。」


 さて、エイミーと産まれたばっかりの子供に会いに行きましょうね。…これで長期出張は終わりだから今後は子供たちと一杯遊ぶんだ。…あー、戦争もあったわ。その頃になったら流石に子供は作ってないだろ。沢山でもそこまででは無いだろ。


「ただいまー。」


「あら、貴方。おかえりなさい。」


「パパー。」


「おー、ミレーナ。ただいま。その子が?」


「ええ、アニーセにしたわ。女の子よ。」


「アニーセね。」


「パーパ。」


「はいはい、…違う子だよね?」


「イゾルデ、パパじゃないわよー。」


「ヘザーの子供ね。…ヘザー、カタリーナちゃんも前間違えたわよ。大丈夫?」


「さあ。家の旦那、鍛冶場にこもりっきりだから。…もう1か月位帰ってきてないかしら?」


「優秀だからこもらされてるんじゃない? 鍛冶師なんだから。」


「恐らくそうだと思います、旦那様。家の旦那は星5つだって言ってましたから。」


「5つかあ。…いい方だとは思うな。祈れって言われる前だもんね?」


「そうですね。祈っていたとは聞いてませんし、お触れも出されたのは最近ですから…。」


「パーパー。」


「パパじゃないぞー。…よっこいしょっと。」


「すみません、旦那様。」


「まあ、2人位なら。…もう一人は無理だけど。腕が足りない。」


「ふふ、その調子じゃあアニーセを抱くのは無理ね。」


「それはまた今度だね。…ミレーナ、髪の毛で遊ばないの。」


「色違うのー。なんでなんで?」


「なんでだろうねー。パパも解らないなー。」


「本当よね。なんで違うのかしらね?」


「さー。親の色を足しただけなんだけどね?」


「ふーん。…そう言えば今回は帰ってくるのがちょっと早かったかしら?」


「うん、ちょっとだけだけどね。魔境が早く落ち着いちゃって。」


「そんな事もあるのねえ。…悪い事では無いのよね?」


「終わるのが早い分には割とあるよ。終わるのが遅い方が問題かな。スタンピードになってるってことだし。まあ、今となっては問題でもないけどね。」


「そう、良かったわ。…これで、とりあえずはゆっくり出来るのよね?」


「うん。今年までだよ。…アランは何か言っていた?」


「次の春に出るそうよ。早く冒険者に成りたいんですって。」


「あらら、アランにはあんまり構ってあげられなかったね。」


「まだ時間はあるわよ。それに稽古は付けるんでしょ?」


「才能に愛されるまでは冒険者にさせないつもりだよ。まあ、春には間に合うだろうけど。ハリー君の件があるからなあ。素直な才能を貰ってくれるといいんだけど。」


「その辺りはアランの祈り次第よ。星の数もそうだけど。」


「まあねえ。…星の川も渡す予定だから、直ぐに騎士爵を取るかな?」


「取るんじゃない? 一応貴方を目標にしてたようだし。」


「目標にしてくれてたんだね。少しは父親らしく出来てたのかな?」


「さあ? どうかしらね?」


「イゾルデ、こっちにいらっしゃい。…ありがとうございます、旦那様。」


「いやいや、これくらいなんてことないよ。…ミレーナも降りる?」


「やー。」


「はいはい。もうちょっとね。シリルー、シリルはどうする?」


「…ママ。」


「はいはい。シリルはまだパパが解らないわよねー。こっちいらっしゃい。」


「ミレーナはなんでか解ってたんだけどね?」


「シリルの方が普通よ。間違うイゾルデもどうかとは思うけど。」


「まあ、もう少し大きくなれば間違えないでしょ。…多分。」


「家の旦那がどのくらい帰ってこれるかですね…。今のところは正直微妙で。」


「鍛冶師で優秀なら仕方ないわよね…仕方ないわよね?」


「仕方ないんじゃない? 職人系って分かんないけど。」


「まあ、レベッカの所よりは帰ってきますし、そのうち覚えるとは思います。」


「レベッカの所はなんだっけ?」


「野菜の行商人よ。同じジャンさんだけど。年も同じなのよねえ。」


「…野菜の行商人かあ。家に3か月いるかどうかじゃない?」


「その位かしらねえ。夏に帰ってくるのよ。暑いのが苦手らしいわよ。」


「6,7,8,9月辺りにいるんだね。僕とは中々会わない訳だ。」


「まあ、レベッカに毎日自由市に出る様に言われて出てるけどね。…ひんやり帽子がお気に入りらしいわよ?」


「あれは良いものだと思うよ。…帽子を仕入れるのが面倒なだけで。麦わら帽でもいいんだけどね。冒険者してると鍔が長すぎるのもねえ。」


「貴方は毎年血まみれにして捨てるじゃない…。まあしょうがないけどね。」


「奥様、ヘザー、面倒見てくれてありがとうございます。あら、旦那様。おかえりなさいませ。」


「ただいま、フローラさん。」


「別に面倒でも無かったわよ。サム君は泣かないし。」


「そうね。クレアの所のエリザの方がよく泣いたわ。…寝ちゃったけど。」


「そう? サムー。…よいっしょっと。」


「家も大概託児所だよねえ。教会の方はどうなってることやら。」


「大変らしいわよ。…意外と預けたい人が多いらしくて。」


「ダイアナさんの所のティナちゃんが聖女になりましたよね? ティナちゃんからダイアナさんに愚痴が入ったみたいですよ。ちょうどお休みの日に遊びに来ていたようで。」


「預けたい人は多いとは思ってたけど、そんなにいるんだ。教会に子供だけで1万人位いそうだね。」


「もっといるんじゃない? 文字の読み書きを覚えに来てる子もいるし、遊びに来てる子も居るから。孤児もいるでしょ?」


「交代で面倒を見ている私たちでも大変なんですから、教会の人たちはもっと大変なんでしょうね。」


「幾つくらいの子供から預かってるか知らないけど、大変そうよね。一度泣き始めると、収拾がつくのかしら。」


「そのうち慣れるでしょ。始めは忙しいかもしれないけど。」


「…貴方の案なんでしょうに、もう。」


「いやまあそうなんだけど。…あったら便利かなーっと思って。」


「便利なのは間違いないと思いますよ。…教会も乳飲み子の世話もしますから、ある程度は熟すでしょうけど…。」


「流石に聖職者の数が足りないんじゃ無いかしら。」


「…神様から調整が入るのかなあ。」


「ん? 何って?」


「いや、何でも。そのうち聖職者も増えるんじゃないかなって。神様も見てるんだし。」


「そうなのかしら? …アランが聖職者に振られないといいわね。」


「…その辺はアランの運かなあ。祈れば欲しい才能が得やすいってだけだから。違うこともあるからね。」


 アラン、ちゃんと強くテイマーと祈っていればいいけど。ルクスと約束してるようだし、ちゃんと祈らないとテイマーに成れないぞ。まあ、帰ってきてから聞いてみればいいか。アリスにもラファエルにもギュンターにも言わないとね。でも、ラファエルとギュンターは何に成りたいんだろう?

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 昼間のパパはちょっと違うって奴だな 教会は嶺都みたいな大きい街は保育と幼年学校を併設して事業わけしたほうがいいのかもね。取り敢えず迷惑かけてるから沢山寄付しよう。 量産型ルクスシリーズは猫タ…
[良い点] ラファエル君、名前的に教会系の星に振られそうな気もするなぁ
[気になる点] 前も父親間違いの話をしていましたね、ストック尽きて難しいなら休むのもアリでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ