139話 23歳 最後の遠征、おばあちゃん支部長
畑のドランが何気に増えてないかと思うようになった季節。今年も遠征ですよ。どうも、ヘルマンです。3月ももう終わりですねえ。日々の過ぎ去る速度が年々早くなっているような気がしますね。…気のせいなのは解っていますよ。そう言う気分ってだけで。
今年は2パーティー合同でレイドを起こしますからね。南回り組と一緒の町です。丁度真反対の町ですからねえ。町の名前はアレル町。荒れるんでしょうか。…荒らすんだよなあ。まあ、名前でどうこうなるわけでもありませんが。
そんな訳で、行先は一緒なので皆で一緒に僕の馬車で行きますよ。別に北回りでも南回りでも一緒だからね。…まあ、冒険者ギルドを確認していきたいとかあれば別々で行ったんだけど、別にそんな事も無いって話だったから。
そんな訳で、ジョンさんたち5人を追加して特急馬車が出発ですよ。…速いだの尻が痛いだの言ってますが、僕は痛くないので。枕を敷いてるからなあ。これでも他の特急馬車よりは揺れてないとは思うんだけどなあ。…多分だけど。
そんな訳で、1日で走破してアレル町へ到着。普通の乗合馬車だと4日かかるもんな。速いことは良いことだと思うんだ。まあ、こんな速度で回る馬車は少ないからなあ。普通は町で泊まるもんね。…速車便はもっと速いんだよなあ。法定速度違反確定なんだよなあ。…無いけどな、この世界に。
そんな訳で、冒険者ギルドにやってきました。いつもの襲撃の報告と、レイドの日程調整ですね。…9日に1回で十分なのは楽でいいですね。スティナラニアのレイドは4日に1回、全体で2日に1回のペースで行います。スティナラニアのレイドはガン回しですよ。
襲撃の報告はジュリオさんに任せてしまっているので、さっさとレイドの皮紙を書いてしまいましょうね。
「すみません。今日は3月の何日ですか?」
「今日は―――3月の27日ですよ。」
「4日後が4月の1日ですか。誰からやりますか?」
「俺らのパーティーからやるわ。スティナラニアのレイドはまたそん時考えようや。」
「そうですね。6月30日でやらなかった方で考えてますが、その時でいいですね。それじゃあそっちから4日後はお願いします。」
「おう。4日後から8日後までは家で順番を決めるわ。9日後から12日後まではそっちだな。」
「そうですね。うちはどうします?」
「ヘルマン、俺、マウロ、ジュリオで良くないか? いつも通りでよ。」
「だな。いつも通りの方がいいだろ。…まあ、休みは多いがな。」
「ですねー。休みの日は錬金術をやっていますので僕はいいですが、ルカさんやマウロさんは何やってるんですか?」
「あ? あー、ほぼ毎日飲んでるな。後は自由市でいいもんがないか見てるな。」
「俺も同じだな。まあ、マウロみたいに飲み過ぎはしないが。」
「最近はどの町でも酒が美味いのが悪いんだ。楽しみがそれくらいしかないんだからしょうがないだろ?」
「酒屋さん頑張ってますからねえ。結構手広くやってますから。」
「あ? お前絡みなのか?」
「ええ、まあ。酒屋に投資してまして。錬金術で酒を作れるのがあるんですよ。」
「なんだよお前、そんな事もやってたのか! 錬金術師は何でも有りだな。」
「何でもは無理なんですよ。出来る事だけです。」
「だが、いい投資先じゃねえか。俺もレイド以外に何か考えんとなあ。」
そうなんだよなあ。投資先を考えないと金余りなんだよなあ。…贅沢な話なんだけどさあ。貯めてばかりじゃあ駄目なんだよなあ。使わないと。
「なんだい、騒がしいねえ。冒険者が集まってどうしたんだい?」
「支部長! レイドに来てくれた騎士爵さんたちです。」
「レイドォ? …ああ、あれかい。ようやっと来たのかい。3年前に話があってから音沙汰が無かったから無くなった話かと思っていたところだよ。」
「おう、婆さん。4日後からやるからよ。この町でも金をばら撒いていくからな。準備は出来てんだろうな?」
「おうおう威勢がいいねえ。若いもんはこうでないとねえ。準備は万端だよ。どんだけでも好きなだけ狩ってきな。全部捌いてやるよ。」
「冒険者ギルドとしても準備はしてきました。だから大丈夫だと思います。」
「解体の才能持ちや肉の才能持ちがまだかまだかと待ってるよ。とっとと狩ってきな。」
「おうよ。まあ、4月の1日まで待ってくれや。たっぷり狩ってきてやるよ。」
「こりゃあ溢れるか溢れないかの勝負といこうじゃないか。」
「大きなことを言いよって。大したことなかったら承知しないよ。」
あーあー、ジョンさんたちが支部長さんの挑発に乗っちゃって。…まあ、どの道やることは一緒だけどさあ。まあ、才能は皆僕より上だし、効率よくやっていきましょうね。とりあえず、ここの冒険者がどれだけ活きが良いのか確かめないとな。
さて、レイドまで時間がたっぷりとあるんだけどなあ。どうしましょうかね。まあ、まずは宿屋探しからだなあ。1軒1軒確かめて行きましょうね。食事の美味しい所があればいいなあ。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。