130話 21歳 子供たちと遊ぶ、領主様からの話
畑は空調の結界を張ってないのに池が凍らないよなあ。氷結草は生えるのに。12月の中頃だと思います。どうも、ヘルマンです。畑は少し手直しをしつつ補修をしつつ稼働しております。流石にメンテナンスフリーとはいきませんよ。…メンテしなくてもいいんだけどさあ。一応庭も兼ねてるし、手入れしないとね。
畑だけど庭なんですよ。子供たちも走り回るくらいには庭なんです。室内に押し込めておいても良いことないからねえ。お外で遊ばせないとね。泥んこになったり、こけて泣いたりするのも経験ですよ。どうせ初級ポーション飲ませるんですから。
子供たちとはなるべく遊ぶようにしています。…僕とエイミーの子供以外ともね。若干の贔屓はしますが、それはしょうがないじゃんね。平等に扱うなんてことは無理だよ。だって、自分の子供が一番かわいいんだから。…保育士には向いてなさそうですね。
星の川を作ったクールタイムに一緒に遊ぶようにしています。構想を練るのもいいが、子供たちとの時間が欲しいんだよ。長期出張してるんだよ? 帰って来た時くらいは子供を構いたい。特にラファエル以下の子供たちとは離れてる時間の方が長いんだよ。時間は有限なんだよ。
エイミーもミレーナを連れて庭に来ている。…というか多くのメイドさんが庭に来ている。自分の子供たちだからね。仕事はちゃんとしてくれているので問題ありません。そんなに大変な仕事も無いからなあ。掃除くらいだし。
リチャードには道場の方も見て貰っていますが。一番忙しいのはリチャードですよ。ハリー君にも手伝ってもらいながら道場を運営しています。まだまだ人は途切れませんね。その位戦える冒険者が多いという訳ですが。…来ないのも多くいるけどね。
そう言えば、募集していた文才系統の才能を持つ人は居ませんでした。まだ来てない。早く来ないかなあ。旅を趣味にする人も一応はいる世界なんですよ。…行商人が強がって言っている事も多々ありますが、旅を趣味にしてくれる文才のある方を探しています。誰か来てくれないかな。
…でも今日は子供たちと遊ぶ時間も、訓練を見る余裕は無いんですよ。雨も降ってないけど。昨日呼び出しが来たんだよなあ。領主館からの呼び出しなんだよなあ。…何の件でしょうか。心当たりが色々とあってどれだかわからんのですよ。
騎士爵魔導爵を増やしてる件か、遠征の件か、馬車用動物の投資の件か、風呂屋の件か、酒屋の件か。…何だろうね。どれも呼ばれそうな事柄なんだよなあ。一部呼ばれなさそうな物があるだろうって? 貴族様だぞ? こちらの意図していないことで呼び出しもあるかもしれんよ。
まあ、行ってみれば解ることよ。昼過ぎに来いとのことだから多少は時間はあるけどさ。他にも寄るところがあるからさあ。星の川を一つ作って、お出かけですよ。まずは冒険者ギルドに寄って行こうかな。時間もかからないことだしね。
そんな訳で、冒険者ギルドの用事は終わりました。まあ、受付さんでレイドの状況を確認したくらいなんですよ。一応今年は19人4組の騎士爵が抜けたわけだからさあ。その影響がどのくらいあるのかの確認ですよ。
…まあ、何にも心配の必要はなさそうです。スティナラニアのレイドにしても毎日の様に起こされているようですし、なんの問題もない。…むしろケルピーのレイドが飽和しすぎて底辺冒険者の人たちが依頼表の邪魔だと言っている位だと。
あほかと。文字を覚えれば問題は解決するだろうがよ。そんな毎回受付さんを使って文章を読んでもらうんじゃないよと言いたいね。冒険者ギルドも忙しいんですよ。大量の解体物があるんだから。底辺冒険者の相手ばかりする余裕はないの。…この時間の受付さんはお休みの日と。解体をしなくていい日だからね。
そんな訳で、次はテイマーギルドに行きまして。ゴミの管理が順調かどうかを確認しないといけませんからね。…いやまあ、仕事を増やしてるのは僕らなんだけどさあ。しょうがないじゃんね。素材にならんのだから。
領都のゴミ捨て場にもヒュージスライムが常時待機するくらいにはゴミが出る。住民の出すゴミなんて誤差の範囲。一番多いのは解体後のケルピーやラグーンウルフの肉なんだよなあ。食べられればいいんだけどさあ。美味しくないんだよね。
それに食えたら食えたで問題なんだよねえ。酪農家や畜産家が必要なくなってしまうから。その仕事を失くさないためにも無理してラグーンウルフやケルピーを食う理由は無いし。…美味しかったらどうしたんだろうね。高級肉として多少は流通したんだろうか。
まあ、そんな事を確認するためにもテイマーギルドに来ているわけだ。…最悪、冒険者ギルドにテイマーギルドの支部を置いて貰わにゃいかん可能性も出てくるからな。ビッグスライムを増やすのはまあもちろんとしても、ヒュージスライムを管理するのはテイマーギルドで無いと問題だろう。
スライムが死んでも問題だからね。餌が無いと流石のスライムも生きていけない。ビッグスライムやヒュージスライムを過剰に増やし過ぎるのも問題なのだ。少しずつ増やしていって、ゴミが溢れない様にしないといけないのと、増やし過ぎてゴミを失くさない様にしない様に管理しているのがテイマーギルドの仕事だからね。
今後は支部でも作らないと大変だと思うんだよね。…他の魔境も活性化させると思うんだよね。領主様がだけど。僕は報告書をあげるだけだ。一応もう書いてあるよ? でも問題が他にも出ないとは言えないじゃない。なるべく終わってから出した方が良いと思っているんだよね。
しかし、テイマーギルドに来ると、支部長室に通されるのは何でだ? 受付さんに「ヘルマンさんの相手は支部長で無いと無理です。」と言われてしまった。…そんなに面倒ばかりを掛けている自覚は無いんだがなあ。仕事は持ってくるけどさ。
後は魔術師ギルドにも用があるんですよね。星の雫をまだ作る必要があるのかの確認ですね。必要ないのに売っても意味無いし。売れないのに作っても意味無いしで、一応確認しとかないとね。
そんな訳で確認したところ、まだまだ作っても大丈夫とのお言葉を頂きました。…他の錬金術師にも作って貰っているみたいだし、まだまだ必要なんですね。…そんなに在庫を抱えても大丈夫なんだろうか。
…一応聞いたんだけど、オルソンの魔術師ギルドに来る人員が大幅に増えたようなんだよね。…大半が平民の魔法使いだ。元貴族の魔法使いは金を持ってるからなあ。魔導爵を取れるなら親も金を出すだろうし、王都で取るんだろう。
そんな訳で、金を持っていない平民の魔法使いが魔導爵欲しさにガンガンと流入しているようだ。…魔術師ギルドも支部が必要になるんじゃない? 特に他の魔境とかにさあ。領都だけで魔導爵を抱えるのも問題だし、その辺も何とかするだろう。
最後の寄り道は教会ですね。いつも通りの喜捨と、孤児たちの雇用ですよ。…使用人を雇うのはここが一番確実なんだよなあ。代官屋敷の募集欄は使用人枠で溢れ返っているので僕のが取られる可能性は低いだろう。
就活も仕事は決まっているが、仕事先は沢山出来たんだから喜ばしいことだろう。家事の才能や、掃除の才能なんかのように、普通に貰えるけど、使い道が余りない才能でも働ける職だからな、使用人って仕事は。向き不向きはあるだろうが。
しかし、孤児を雇いますって人は少ないみたいなんだよね。…いやまあ、孤児も募集欄から仕事を取るからヘッドハンティングをする僕が珍しいだけなんだろうけど。ここに来ると成人はしていないけれど、見習いにも行っていないって子供が結構いるからな。
最近は増えて大体200人くらいの孤児が常にいる。鍛冶の才能や裁縫の才能持ちは早々に見習いとして出ていくからなあ。大きい子供は冒険者志望で13歳を待っている子供たちか、仕事が決まっていない子供たちだからな。今の時期は特に少ないが、12,3歳でないといけない訳でもないし。ちょっと幼くても仕事さえやってくれれば大丈夫だし。
そんな訳で、今年は4人雇用した。…毎年、この時期になると出ていくんだよねえ、皆。今は騎士爵魔導爵の誕生黎明期だからさあ。領主館も最低限の職人だけを残し、年中木造建築をやっている。…樵も今が一番忙しいんだろうなあ。丸太から柱に加工するのも樵だ。斧使いでもいいが、樵が多い。
霊地で木材が異常に生育する環境で良かったな。普通なら剥げ散らかす所だからな。霊地って不思議だよなあ。何で年輪も沢山ある木が3年程で育つんだろう。まあ、素材も大概に不思議な物だから理屈じゃないんだよなあ。
そんな感じで、雇用した4人を家に案内して、領主館へ。今日の本丸だぞ。いったい何について聞かれるのか。…悪いことはしていないのでその辺は心配していないが。領主館に呼ばれているといっても直接乗り込むのはバカのやること。
普通は代官屋敷から領主館に連れて行って貰う。…錬金術ギルド以外は行ったな。錬金術師なのに錬金術ギルドには寄らなかったな。いやまあ、もう通達は行き届いているし、素材の供給も冒険者ギルドで確認して問題無かった。聞くことがないのである。…錬金術師なんだけどなあ。
そんな訳で、代官屋敷にやってきましたよ。…うわー、予想以上に仕事の募集欄が酷いことになってる。婚活掲示板レベルに皮紙が張られている。こりゃあ、文才の才能持ちも見つかるのは相当先だろうなあ。しょうがないか、自分で蒔いた種だし。
「すみません、領主館に呼ばれているヘルマンです。」
「ヘルマン様ですね。お話は伺っております。どうぞこちらへ。」
奥へ奥へ歩いていく。途中から石から木になるんだよね。木の所に入ったところからが領主館。地上12階建てだよ。…なんでそんなに大きく作ったし。多分、錬金術の補強が所々に入ってるはず。…柱は家の柱の5倍ほどの太さに連結されたものを使っています。
…縦方向に繋ぐのはまあ、解る。横方向に繋ぐのは才能無しには無理でしょ。機械なしよ、手作業よ? そんだけ大きかったら年中何処かしら手入れしてないと駄目でしょうねえ。錬金術師の手も入っているだろうけど、そこまで大きくしたいのかと言いたい。
「失礼します、ヘルマン様をお連れしました。」
「入れ。」
さてさて、入室許可を得て中に入る。…何の話だろうなあ。火酒を作るとか言って、北の辺境伯に喧嘩を売らないといいなあ。酪農に力を入れるんならチーズの作り方を知らんかとか言われんかなあ。知らんから答えようが無いが。
「さて、ヘルマンよ。この魔境を囲む町の3つから騎士爵が出たという喜ばしい報告が来たんだ。領都では大量に出ているが、他の魔境では出てなかったんだ。これは嬉しいことなんだ。」
「そうですか。喜ばしいことは何よりです。」
「でだ。この2年、魔境が活性化してるのにも関わらず、家を留守にしている奴らがいるんだ。騎士爵でな。どうも隣町に行っているようなんだ。…お前さんもだな?」
「はい。まあ、他の魔境でレイドをしてますが…。」
「なんでわざわざ隣町でレイドをした? …いや、怒ってるわけじゃねえ。家の領地にとっちゃあ有難いことなんだがよお。」
「単純に領地に発展してもらいたかったというのも大きいですが、4分の1くらいは私怨ですかねえ。まあ、自分で蒔いた種なんですが。星の川や星の雫を大量に作らないといけない状況になってしまいまして。それなのに、魔境の町で暇をしている錬金術師がいるのかと。暇が悪いとは言いませんが、こっちが忙しいのに暇なのは、ちょっと癪に触りまして。なら忙しくしてあげましょうという感じで、他の町でレイドを起こして、騎士爵を誕生させました。…ここまで上手くいくとは思ってもみなかったんですが。精々後1,2年位かかるだろうとは思ってました。」
「成る程なあ、私怨な。」
「後は、騎士爵候補をこの領都に集め過ぎないって目的もありますね。集まれば集まるほど星の川を作らないといけないですから。他の町に散って欲しかったんです。領都に行けば騎士爵が取れるなんて噂にでもなれば忙しくて敵いません。」
「ほう、集め過ぎないようになあ。確かに集まってくるだろうとは思っていたさ。それを散らすのなあ。」
「その他には僕の錬金術師としてのあり方に関わってきますね。」
「錬金術師としてのあり方ね。それは何だ?」
「より良い食文化を広めるって事ですが。…町が発展してくれないと飲食店が増えないじゃないですか。お金を持つ人が居ないと、高くて美味しい料理の発展に繋がらないじゃ無いですか。まあ、各町に家で料理修行させた料理人たちを移住させましたが。これで食文化も発展してくれるといいんですがねえ。」
「…つうと何か? 殆ど自分の都合でこれだけの事をやらかしたのか?」
「まあ、ケビンさんの事もありますし、領地が発展して欲しいと思う気持ちもありますよ? でも実利としても欲しい訳ですよ。そのうち、食事旅行にも出かけようと思っていますし。」
「お前よお、今回のしでかしたことの大きさがまるで解ってねえ様だな。騎士爵魔導爵が多く出るってことはだ、その領地のステータスだ。爵位以上に物を言ってくるんだ。今のペースで増え続けるだけでも家としては大変な事なんだが…。そうか、加速させたのか。」
「やることは単純なので他の魔境でも出来ますけどね。レイドを起こしてお金をばら撒いて、星の川を買わせて才能を増やし、魔境で騎士爵魔導爵を取って貰えればいいんですから。」
「それにしたって、最初の騎士爵が必要だろう? 今回はお前さんだったがよお。それに星の川だってただじゃあ作れねえしよお。錬金術師の協力もいるだろ?」
「それについてはこの報告書にまとめましたので。…あと2年後に出す予定だったので、まだ表面に現れていない問題なんかがあるかもしれませんし、各ギルドの支部も必要になってくるんじゃ無いかなあとも思っているんですけどね。」
「報告書だあ? 何でそんなもん用意してやがる?」
「…癖ですかね? 錬金術師は作った物を広めるのには報告書を書くので。」
「…つうと何か? 他の魔境にも広げろってか?」
「その通りです。今回、領軍がレイドに参加して騎士爵や魔導爵を貰ったのは知ってます。その人たちを使ってレイドを起こすんです。…早ければ1年で効果がでると思います。遅くとも5年で芽は出るんじゃないでしょうか?」
「どれ…―――――――――まあ、これなら領軍を使えば出来るか。領軍の奴らも星11個の奴を買った奴らも多いからなあ。訓練にも丁度いいな。やらせてみるか。」
「あ、最低でも魔術師ギルドとテイマーギルドは各魔境の何処かの町に支部を作った方が良いと思います。星の雫の件もありますし、ゴミの問題も出てきます。…この領だと、銀がもの凄く安くなりますが、その分細工の才能なんかの人が頑張るんじゃ無いですかね?」
「銀はそうだろうなあ。シルバーゴーレムが出るからな。まあ、王都にも卸してんだ。銀貨と魔銀貨の流通が増えるくらいで済むだろ。質の良い魔銀にも需要があるしよお。…ドラガリア平原とドーバー鉱脈、カンムリ丘陵は隣接魔境だからな。質のいい冒険者を剥がしに行くかあ。周回する乗合馬車も増やさないとな。…家の領で騎士爵を取ってくれる冒険者を増やさねえとな。」
「そう言えば、何で馬車をあんなに注文されたんですか? 沢山作りましたが。」
「お前よお…。戦争があった時にどうするつもりだと思ってんだ。兵を送るにしても馬車は必要だろう? 特に騎士爵を歩かせるわけには行かねえ。普通の兵が居なくなっちまったんだぞ? 皆で馬車移動だ。だから大量の馬車がいるし、それ用の動物も大量にいるんだ。」
「…戦争が起こるんですか?」
「…後10年後位に起こるだろうと踏んでる。東の王国の王の寿命が近いと情報が届いてる。死んでから2,3年後に大規模な小競り合いがあるだろうよ。それに家が兵を出せって言われる可能性が高い。」
「東の辺境伯の所でどうにか出来ないんですか? 東にも戦力はいるでしょう?」
「家の戦力が高すぎるのが問題だなあ。…今の王は金が自分の所から出てくのが嫌いな無能だからよお。騎士爵を減らす意味でも家に出兵の話が来るだろうよ。」
「…騎士爵が減りますかね? 星が追加で11個振られてるんですよ? 光の霊地も抱えてるでしょう? 至高のポーションも在庫を抱えてますよね?」
「…減らんだろうなあ。家としては遠征するのに金がかかる位だ。他の領地で食料を買い込まなきゃいけねえ。戦争で自分の領から全部賄うのは嫌われるからな。正直なところそんくらいだ。家の財政はびくともしねえ。」
「ですよねー。王都からは出さないんですよね?」
「出すわけなかろうよ。本来は東の辺境伯とその周辺の貴族たちで勝てる戦争だ。家がいくのは過剰だ。…しかも全員が騎士爵魔導爵だぞ? 過剰も良いとこだ。」
「…東の王国が11個の星の川を開発している可能性はありますか?」
「あそこは錬金術師よりも魔法使いを大事にしてるからな。錬金術の学校も無いって話だから、星の川すらない可能性がある。それに高価な星の川を一兵卒にまで使わせる訳がねえ。それは家以外の領も一緒だ。家がお前さんが来てから異常になっただけだ。領軍よりも多い騎士爵なんて普通はあり得ん。」
「錬金術の学校も無いんですか。…楽勝では?」
「だから家が行くのは過剰もいい所だっての。…勝ちすぎて問題にならないと良いがな。」
「しかし、敵の内情も解ってるんですね?」
「情報戦は当たり前だろうが。…向こうの王国はその辺を解ってねえからこんなに内情が筒抜けなんだがな。南の王国にも内偵はいるぞ? …王都にも内偵が入ってるのは確認してるからな。重要な情報は抜かれねえようにしているはずだ。まあ、あの山脈がある限り戦争にはならんだろうがな。こっちも重要な情報は抜けてねえから情報戦はどっこいってとこだろ。」
「錬金学術院にも内偵が入ってくるんですか?」
「生徒に紛れ込ませてな。卒業までには余程上手くやらない限り殺されるだろうがな。その辺の防諜も王都の奴らの仕事だ。後は南の辺境伯が抜けようとする奴の処分をしてるはずだ。…お前さんも変な動きを見せてたら殺されてた可能性もある。」
「…変な動きしかしてなかったような気がしますね。発展させる方向にですが。」
「まあ、処分されてないって事は大丈夫な証拠だ。それに仮想敵国を発展させる内偵が何処にいるんだよ。まあ、お前のことは信用してっからよ。」
「ありがとうございます。…しかし、戦争はほぼ確定と思っておいていいんですよね?」
「ああ、家の王が急死でもしない限りな。」
「まあ、そんな都合のいいことは無いですか。分かりました。頑張って騎士爵や魔導爵を増やしておいてください。」
「おお、この報告書通りやりゃあいいんだろ? 領軍を動かせば簡単だ。…後はギルドの支部だったな。そっちも各ギルドと検討しておく。…錬金術ギルドはいいんだな?」
「最悪、他のギルドと合同の場所でいいと思うんですよね。それに錬金術師は急には増えないでしょう? 魔法使いは増えているようですから必要だとは思いますが。」
「合同な、成る程な。まあ、素材さえ扱えればいいんだから魔術師ギルドと合同でいいかもな。そんじゃあこの報告書通りに動いて、王の鼻を明かしてやらあ。」
そんな訳で、領主様との話し合いが終了しました。…戦争がほぼ確定になったのはちょっと不味いくらいですか。戦争かあ。でたくないなあ。しょうがないよなあ、義務だもの。…しかし、後10年後か。エイミーには一応言っとかないとなあ。
しかし、何人くらいの騎士爵の出陣になるんだろうね? とりあえず、領軍に普通の兵士が居なくなったことは判った。全員騎士爵か魔導爵を取ったんだな。…負けるわけないよなあ。錬金術の学校が無いってことは星の川も無いだろ。行きたくないなあ。
まあ、準備は怠らない様にしましょうね。…10年後に死んでるなんて事は流石に無い。幾ら人間だからって、生き急いでるからだって、30では死なんよ。はあ、戦争かあ。嫌なことを聞いたなあ。…聞かなかったからって出ない訳にはいかないが。
長話になってしまったし、良い時間だ。帰るか。帰って子供たちと遊ぶんだ。…もう寝てるかもしれないが。そんな訳で、戦争がありそうです。…嫌だなあ。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。




