121話 20歳 シャーリー採取の冒険者になる、馬車の納品、まだ増やすの？
今年は雪がよく降りますね。今が一番寒い時期ですよ。2月の上旬ですかね。どうも、ヘルマンです。リチャードの子供のシャーリーちゃんがこの春に冒険者として旅立つことになりました。魔境で戦う才能が無かったため、霊地巡りになるんでしょうかね。とりあえず、ゲシュケ高原を推薦しておきました。満月茸の採取を勧めておきましたよ。
シャーリーちゃんの才能は耐病の才能が星6つ、第六感の才能が星2つ、遠見の才能が星2つの計10個です。耐○○の才能は外れの部類です。シャーリーちゃん本人は喜んでいましたが。簡単に言うと無病息災を祈っていたらしいです。一応欲しい才能を手に入れているわけなので、外れの部類でもいいんじゃないでしょうかね。…ポーションで大抵の病気は治りますからね。耐病はあんまり意味無いんだよね。…最悪、患部を切り離して、至高のポーションで治療可能です。それくらいしないといけない病気もあるので、無意味では無いんですがね。
それよりも第六感の才能ですよ。シャーリーちゃんは貰ったんだね。霊地巡りで一番必要なのは、火事で死なない事ですからね。第六感は役に立つかもしれません。流石に死の気配は捉えるでしょう。逃げの一手ですから逃げましょうね。
後は遠見の才能。これもいらんのだよなあ。…素材が探しやすくなるという利点はあるとだけ言っておきましょうか。その位しか思いつかないんだけど。才能ガチャは外れの部類。本人がいいみたいだからいいんだけどさ。もうちょっと何とかならなかったのかなとは思うけど。まあ、冒険者になりたいと言っていたので予定通り鉄の短剣と夜通し眼鏡を渡すことにしました。採取主体の冒険者が増えてくれるのは大変有難いことなので、頑張って採取してもらいましょうね。…傲慢に呑まれないようにね。満月茸ばかりを採取していたら呑まれることもあるかもしれませんが、その辺はしっかりと気を付けて貰いましょうね。
後は、冒険者ギルドや錬金術ギルドでしっかりと勉強しておくようにと言っておきました。怠惰に呑まれないためには下調べは必須。冒険者証はもう貰ってきてたみたいです。行動が早いなあ。採取の練習として家の畑で素材の採取をしてもらっています。保存瓶も沢山あげました。錬金術師から買うんだよと教えてあげましたが、多分知っていたでしょうね。僕が錬金術師だし。保存方法もしっかりとしているし、ちゃんとした冒険者になるでしょう。頑張ってね。
アランの教育ですが、教会に行かせることになりました。…ルクスと一緒に。乗って行くのは許しません。しっかりと歩くように言い聞かせました。足腰が弱くなって長距離歩けませんとかになって欲しくないからね。ちゃんと歩かせます。この春から教会に行くために、エイミーと一緒に教会に行ったり来たりを繰り返してました。頑張れお兄ちゃん。そのうち引率係になるんだからな。
各種お店もまあ、何とかなってます。酒屋はフル稼働してるし、風呂屋もフル回転している。結局3か所とも一杯になっている。24時間やっているのは1か所だけだけど。流石に深夜は一杯にはならないからね。それでも繁盛しているんだから良いことじゃない。酒もよく売れてるとの事だし、良いことだよ。…酒屋は今が必死な模様。生産マシマシで頑張っているよ。後は魚の養殖。こっちはやっぱり数年がかりかなあ。魚が1年で大きくなればいいんだけど、無理そう。まだわからんけど、まあ無理でしょ。才能なんて関係なし。じっくりとやりましょう。
そんな訳で、年金も貰ってきました。…星の雫の報告書の結果も帰ってきました。報奨金200枚と一緒に。結構出たな。もう幾ら持っているかの把握が出来ていない模様。1000枚近く持ってるんでないかな。そんなに要らんのだけど。ああ、冷蔵庫、冷たい結界はすでにあったとの事でした。残念。いい視点だと思ったが、流石にあるよね。仕組みも一緒だ。精霊樹に接続すると水属性の霊地魔境では維持費が要らなくなるとのことも一緒だってさ。まあ、本題は星の雫よね。色々と書いてありましたよ。なんてものを作るのかと。ケビンさんからはお礼も書いてありましたが。豊穣会の皆も元気みたいで良かったです。そして何故か鉄迎派からお礼があったみたいです。お金ではなく本当にお礼だけだったんだって。鉄迎派って魔法使いも抱えることになるのかな。星の雫効果は結局鉄迎派の援護になったのか。まあ、鉄迎派が強くなるのはいいんじゃない？ 戦争になった時に頼りになる人たちが増える訳なんだから。…近接才能持ちで魔法も使える人が居たんだろうか。そしたらなんだ、星を余分に11個と7個も増えるのか…。これもう戦争は鉄迎派だけでいいんじゃないか？
因みに最近は風呂屋の設計図を報告書として出しました。だってこっちでこんなに流行ってるんだし。王都でも流行るんじゃないかな。…これも鉄迎派が風呂に入っている光景が浮かんだんだが。何でもかんでも鉄迎派に繋げるのは悪い癖みたいなもんだけど、鉄迎派が何処にでも出てくるんだもん。しょうがないじゃないか。水浴びは貴族たちもやっているが、風呂はあるんだろうか？ 知らんのよなあ。お湯があるんだから風呂くらいあるだろう。平民向けが無いだけで。維持費は温度草でいいんだから流行ればいいんだ。…黎明派っぽい報告書だと思ったよ。今までは造命派か鉄迎派かって感じだったし…あれ？ 報告書には鉄迎派要素は無くないか？ 意識しすぎか。やってることは鉄迎派だけど。
そんな訳で、錬金術師としての仕事は星の川の増産ですね。本当に毎日作ってます。落ち着くまでは研究も無しかもなあ。才能と格闘するので構想も降りてこないし、作りたいものも今一つ思いつかない。いや、ラジオとかテレビとか作りたいのよ？ 作れないだけでさ。ラジオは行けそうな気がするんだけどなあ。構想として降りてこない。もっと降ってきてもいいのよ？ 闇属性の様な気がするんだけどなあ。発信機も受信機も。風属性と闇属性。この2つの様な気がするんだけどねえ。素材が足りないのか、そもそもやる気の問題なのかは分かりません。通信は発展させたいよなあ。今が不便なんだもん。拡声器の錬金アイテム、あれがキーになるような気がするんだ。あれも風属性だからさあ。…音だけを遠くに飛ばすことは出来るんよ。拡声器の錬金アイテムで。無差別じゃなくて受信機にってなると途端に難しくなるんだよなあ。何とか出来ないものか。…王都との連絡が簡単になるからね。問い合わせたいことってやっぱりあるじゃん。電話が出来れば一番いいんだけど、ラジオよりも難しいと思うんだよね。構想降ってこないかな。
「旦那様、お客様です。」
「はいはーい。ちょっと待ってくださいねー。」
客か？ 珍しいな。…ああ、星の川か。11個の奴ね。はいはい。選んでくださいね。時期外れですね。皆さん大体1月の半ばには買いに来ましたよ。…ああ、霊地に採取に行ってたんですか。珍しいですね。ケルピーのレイドの方が儲かるんじゃ無いですか？ ゲシュケ高原に行ってたんですか。狙いは満月茸ですか。成る程成る程。確かにそっちの方が稼げますね。…しかし、そんなに必要ですか？ 年金で十分じゃ無いですか？ …保険でね。いい心がけですねー。まあ、余るようになるとは思いますが。ありましたか、中魔金貨7枚です。毎度でーす。またどうぞ。
とまあ、お客も基本星の川を買いに来る客ばっかりなんですよ。ちょっと珍しい時期でしたが、他の仕事は殆どありません。…ピッタリ長靴も相当量作って持たせてあります。と言っても50かそこらですが。10パーティー分って感じで渡しています。春になったら売れるでしょ。その位ですかね。
「旦那様、お客様です。」
「はいはーい。今行きまーす。」
珍しいな。1日に2人も来るなんて。…この時期でって意味な。流行るときは10人くらい一気に来るんだからな。
「すみません、代官屋敷からです。馬車の依頼にまいりました。馬車を5台納品して欲しいんです。」
「馬車ですか？ また乗合馬車でも増やすんですか？」
「領主様からの依頼ですので、私では判断できません。」
「領主様からですか。家にだけじゃ無くて他にも振って貰えないんですか？」
「いえ、他の場所にも5台ずつ注文しに行っています。」
「…マジか。まあ、いいですが。材料も揃えたいので3日程貰いますが？」
「構いません。こちら依頼料の大魔金貨10枚です。ではお願いします。」
そう言って、帰って行った。また馬車か。しかも全部で50台か。前回も30台だったと考えた方がいいだろうな。…増やし過ぎじゃないか？ 保守交換か？ 金があるから作り変えてるんだろうか。
「旦那様、少し前にも馬車を作りませんでしたか？」
「作ったよ。3台も。量が多いよね。入れ替えるんだろうか？」
「錬金術で作った馬車はそんなに壊れやすいんですか？」
「…いや、かなり丈夫なはずだよ？ 何か新しいことを始めるんだろうかね？」
「私では推し量ることは出来ませんので…。」
「まあ、いいさ。お金になるんだから。とりあえず、店番お願いね。材料を仕入れてくるから。」
「行ってらっしゃいませ。」
また馬車か。本当に何に使うんだろう。テイマーギルドの飼育動物も結構な数増やしてるんだよなあ。全部馬車に使うんだろうけど。酪農用の動物もいるんだよな？ 僕用の牛乳的な何かが欲しいんだよ？ そっちの仕事は大丈夫だよな？ 順調に進んでいることを祈りつつ、錬金術ギルドと自由市に行かないといけないな。先に自由市だな。布なんかを先に揃えてからだ。錬金術ギルドには鉄インゴットを買いに行かないといけない。少数持ってはいるが、馬車5台分も無い。本当に何に使うんだろう。疑問に思いながらも買い物に行くのだった。
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素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。
