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【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編

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118/201

118話 19歳 コックス大湖外周町発展計画、第3子誕生

 スティナラニアが魔境から姿を消しました。次に僕がレイドをするのは来年ですかね。10月の頭ですよ。どうも、ヘルマンです。錬金術ギルドにはコックス大湖の周りの錬金術師に手紙渡して、素材を売りに行ってもらいました。とりあえず、計画の第一段階は終了です。とりあえず、各町に10人程はいるとのことで、10人もいれば十分です。どんどん生産してもらいましょうね。困るくらいには生産してもらわないといけないので、スティナラニアも大量に狩りました。僕はどちらかといえば利率の高い星の雫を大量生産させて貰っています。他の錬金術師さんも作っているらしいのでソーサリーアメジストの取り合いです。…錬金術ギルド側が購入調整してくれています。皆で仲良く儲けましょうね。


 そんな訳で、スティナラニアのレイドパーティー、僕らも含めて4つのパーティーに集まって貰った。とりあえず、僕の育てた料理屋を一時貸し切って会議をさせて貰うことに。19人も集まれる場所って無いんだよね。まあ、貸し切りましたし、ゆっくりと話をしましょうね。


「とりあえず、集まって貰ってありがとうございます。錬金術師のヘルマンです。皆さんには星の川を買ってもらい感謝です。それで、大雑把に話はさせて貰ったとは思いますが、詳しく説明するために、ここに集まって貰った感じです。」


「ああ、コックス大湖の町を回るって話だろ? 一応はここにいるメンツは了承してきてるんだ。そんな畏まらなくて良いだろう。具体的には聞いてないがよお。」


「違いない。あんたのおかげで騎士爵を楽に取らせて貰ったんだ。才能に愛されるだっけか? それを体験したのも星の川を買ってからだしよ。まあ、ここにいる連中は感謝はしてるさ。」


「ありがとうございます。では、早速話を進めていきます。皆さんには4年間春から秋にかけて時間を拘束させて貰います。大雑把に言うと、各町でレイドを起こして貰いたいんです。春にケルピーのレイド、夏にスティナラニアのレイド、秋にケルピーのレイドと起こして貰いたいと思います。冬はこっちに帰ってきてもらっても町で宿を取って貰ってもどっちでも良いです。僕は家族と居たいので戻ってくる予定でいます。それを北回りか南周りで4つの町を回って貰います。2組は1年ずらして回って貰う予定でいますので、先に4年か後に4年かの違いと考えて貰えば良いです。目的としては小魔金貨をばら撒いてきて欲しいという訳です。やり方は今年やったのと同じことを各町でやってきてもらう事になります。」


「質問がある。それは何のためにやるんだ? レイドをやるのは何処でやっても一緒だ。やってやるのは変わらねえ。だが他の町でやる理由を知りたい。」


「答えとしては領都だけが発展しすぎてしまうことを防ぐためですね。冒険者が流れ込むにしても領都ばかりに来られても困るわけです。そして、騎士爵が領都ばかりに固まるのも困るんです。レイドを起こすのにも、来年からは完全に飽和します。なので他の町にも騎士爵を誕生させて冒険者の流入を領都だけにしないことを目的としています。…錬金術師としては、星の川の生産が間に合わないんですよ。他の錬金術師さんにも手伝ってもらってやっとですからね。なので他の町の錬金術師さんにも手伝ってもらおうという訳です。」


「やっていることは領主の仕事ではないのか? 領軍にやって貰えば良いんじゃないか?」


「領軍にはまだ星の川を持った人、騎士爵がいないんです。領主さんとは多少縁がありまして、領の発展に手を貸したいと思っています。…それに領軍には今回の計画を元に各魔境に領軍を派遣してもらう予定でいます。それのモデルケースとして僕らが行います。成功すれば領主様に報告書を挙げて、各魔境の町で同じことをしてもらう予定でいます。」


「まあ、近場でやるんだから文句はねえ。やることもここの魔境でやることと一緒だ。だが、各町2年で足りるか? 5年とか見とかないといけないんじゃないか?」


「人間としては拘束時間が4年でも結構長いと感じるんです。それに、1年目に星の川を買えるだけの金額は配り終える予定です。2年目は保険です。冒険者が領都程に積極的ならいいんですが、1年様子見する冒険者もいると思いますので。なのでなるべくケルピーのレイドを5日に1回、スティナラニアのレイドを3日に1回行って欲しいんです。制限は星4つ以上を対象で行こうと思っています。…一応、星4つで募集しても3つの奴らが紛れ込むと思いますので、各班に4年分大魔金貨40枚分渡します。小魔金貨4000枚を各班の分用意してきましたので、この話が終わったら渡します。これは返してもらわなくても良いお金なので貰っておいてください。使い切れれば使い切れるほど良いですが、多分使い切れないとは思いますが。」


「まあ、残りが報酬ってことだな。1人大魔金貨8枚、十分だろ。どうせ年金も使い切れねえんだしよお。」


「違いない。レイドを起こしてみて判ったが、若干の儲けが出来るんだからな。まあ、騎士爵が少ない所に行くんだから出ていく方が多いだろうがよ。」


「嫁に買ってやるものも特にねえしな。高いったって大白金貨までで収まっちまうからな。」


「後は各町の騎士爵が頑張ってくれってこったな。そこまでの面倒は見切れねえぞ。」


「はい。僕もこの4年でその町から見切りを付ける予定でいます。その他の微調整はそれこそ領主様の仕事ですので。僕らは各町でレイドを起こして、お金をばら撒くだけでいいんです。」


「最後の町だけは2組合同になるんだろ? 何でだ?」


「4年と3年に別れるのが面倒なのと、一番反対側が一番最後なので、一番発展しづらいと思います。ですので2班で徹底的にやってしまおうという訳です。」


「成る程な。…素朴な疑問なんだがよう。よくもまあ小魔金貨16000枚もあったな。この町の流通量を考えると異常だろ?」


「その辺は夏の初めに王都まで馬車を出してもらいました。大魔金貨500枚を小魔金貨50000枚に王都で換金してきて貰いました。ついでにこれからは通貨の流通量が増えると思いますので、各種貨幣も大量に仕入れて置くように言っておきました。これで僕らが小魔金貨をばら撒いても大丈夫なはずです。領主様にも話は通してありますので。」


「その辺は読んでるって訳か。準備が良いじゃねえか。面白えし、俺は参加しよう。」


「俺も参加でいい。レイドは何処で起こしても一緒だからな。ま、ここに来ている時点で参加することには同意してたけどな。」


「違いない。騎士爵は後は9人しかいなかったろ? 今回の夏で増えたが。その中で、今年スティナラニアのレイドをやったのは俺ら4組だけだからな。なれてる奴らの方が良いだろうしな。」


「まあなあ、今年は4組もスティナラニアのレイドをやってたんだ。他の所も出ていくよりも入って来た方が多かっただろ? 俺らの所も所持金が増えてよ。減らすつもりでやったんだがな。使うのも騎士爵の仕事なんだろ? なんかいいのはねえか?」


「金の使い道なあ。家も迷ってるんだよな。子供に持たせるにしたって限度があらあな。」


「自由市で結構な買い物をしても白金貨以上行かんからな。俺んとこも困ってんだよ。」


「俺は芸人を育てるのに使ってるな。冬は暇だろ? 吟遊詩人や大道芸人に金渡してよ。色んなところを回って貰って芸を磨いて貰うってのをやってる。まだ実になってないが、そのうち面白いことをしてくれるんじゃないかと思っての投資だな。」


「芸人か。良いなそいつは。冬の間、退屈しない様に育てるか。なんか面白そうな才能の奴に金渡して育てりゃいいんだな。自由市にも芸人は偶にいるよな?」


 皆レイドには行ってくれるようで良かった。今は金の使い道で困っているので案を出し合っているところですね。お金の使い道は宝石なんかの装飾品に手を出さないと減ってかないからなあ。食べ物にしても限度があるし、武器に使ってもいいんだけど、それでも大魔金貨は使わない。最上級の魔石を使うんなら別だが、それでも1回だけだもんな。継続的に買うもんでも無いし。


「おお、そういやあよお。誰の所が1年目なんだ? 配分は考えてあんだろ?」


「えっと、はい。僕らとジョンさんのところが1年目からですね。僕らが北回り、ジョンさんの所が南回りです。2年目はリュックさんの所が北回り、ハンスさんの所が南回りです。変更とか要りますか? 僕としてはどっちでもいいんですが。」


「いや、決められてんならそれでいいぞ。いつどっちに行っても結局やることは一緒なんだからよ。どっちにしたって金の減り方は変わらんだろ? 早い遅いったって1年だしよ。変わらねえよ。」


「その点、人間組を1年目にしたのは良いと思うな。長寿種組は遅くとも変わらん。むしろ各町2年で足りるのか心配な方が勝つな。」


「まあ、俺らも長い間燻ってたからな。剣であんなことが出来るなんて思っても見なかったからなあ。まあ、真似してみたら爪でも出来たんだがよお。魔力って魔法使い以外にも使うんだなあとは思ったぜ。」


「あれな。剣が飛ぶんだからおもしれえよな。槍も飛んだからな。ありゃ良いな。ミズチが突っ込んでこなくても攻撃できるんだからよ。」


「そういやヘルマンとこで訓練を始めたろ? あれで結構な冒険者がまともに戦えるようになってるよな。星2つのパーティーがスティナラニアのレイドん時に紛れてたんだがよ。死にに来たのかと思ったが、案外やるんだよな。ケルピー相手にパーティーで対処できるようになってたからな。」


「才能に愛された奴ってのはあんなに強くなるんだな。俺も驚いたぜ。星が全てだと思ってたんだが、案外鍛錬もバカに出来んのな。」


「マジかよ。星2つでケルピーとやんのか。今までは星5つは欲しいって話だったろ。大分変わるじゃねえか。」


「才能に愛されてこその技ですからね。そのうち色んなところで攻撃が飛び始めると思いますよ。まずは才能に愛してもらわないと始まらないので。…恐らく、同時期に星の川を買ってもらった人たちは才能にまだ愛してもらってないんだと思うんですよね。それじゃないとミズチに勝てない理由が解らないので。」


「あー、星4つ増えて無理な奴らはそう言う理由か。逃げ帰ったって聞いた時は冗談だろ? って思ったからな。楽勝だったよな?」


「ああ、立ち会ったときに負ける気がしなかったからな。いつも苦労して倒してた奴に面と向かって勝負を挑んだら思いのほか簡単で驚いたくらいだからな。…俺は星の川を貰って慣らしの段階で才能に愛して貰えた口なんだが、あれは武器を振った時間が関係するんじゃないか? あんなに連戦したのは慣らしの時が初めてだったしよお。」


「おっ、お前もか。俺も一緒だ。あの万能感があったところに、筋が見える様になってよ。それ通り振ると良い感じになることが解ってよ。魔境で負ける気がしなくなったからな。…スティナラニアに対峙したときは、まだ上があるって思ったがな。多分星10個振られた奴は相当な化物だったんだろうなって思ったぜ。」


「…てえと、あいつらも訓練に出た方が良いかもしれんな。言ってやるか。どうせ冬は暇してるだろうし、冬の間もやるんだろ?」


「はい、冬の間も来てくれた人には訓練を付けますよ。…最近場所が足りなくて2番通りと3番通りを占拠しちゃってますが。」


「あの辺は住宅地だろ? 別に問題ねえんじゃねえか? 朝と夕方さえ空いてりゃ人通りも無いだろ?」


「もう仕事に行ってるだろうしな。怪我しない内は大丈夫だろ。そのうち数も落ち着くだろうしよ。訓練も全員が受ける訳じゃ無いんだし。しない奴らはしないだろ。勧めたって行かん奴らは行かん。それは文字を覚えるのと変わらん。」


「まあ、俺らも人のこと言えんがな。ヘルマンが騎士爵取った時の依頼票を確認してなかったんだからよ。星6つ以上で募集してたんだろ? ここにいる全員星6つは越えてるだろ。」


「違いない。ケルピーの依頼票は無いからな。見てなかったんだよな。見てたらもうちょっと早く騎士爵だったのによ。」


「文字の読めない奴はなあ。そもそも騎士爵を貰えんだろ。依頼票を取れないんだから。」


「あれ? 僕たちの時は依頼票を取りましたっけ?」


「俺が朝先に取っといた。お前さんが負けるとは思わなかったからな。ギルドの小部屋で一応出したんだぞ? 他のことに気を取られてたんじゃないか?」


「あー、この小部屋にミズチは出せないよなあ。とか考えてましたかね。やりとりも余り見てなかったような気がします。」


「まったく、一応ミズチを出しただけでは騎士爵は貰えん。ギルドの依頼票に騎士爵申請の依頼票がある。まあ、もう知らんでも良いがな。」


「その辺は確認不足でしたね。二度手間だった可能性があったわけですか。」


「人間は時間が少ないからな。その辺りは長寿種の俺たちに頼ればいいんだよ。つっても、獣人も短命な方だけどよ。人間よりは長いからな。」


「人間は寿命は短いが数が一番多い。なんだかんだ言いつつも最大勢力よ。」


「まあ、長くても良いことばかりじゃ無いけどな。見知ったやつが死んでいくのを見て居るだけしか出来んのだからな。」


「まあ、俺らもそんな長いこと生きてるわけじゃ無いからな。」


「違いない違いない。」


 そんな訳で作戦会議は終了いたしました。後は来年から実行あるのみ。各員に小魔金貨4000枚を渡してこれにてお開き。来年からは忙しくなるな。…領内騎士爵増殖計画。領主軍の人たちは流石に日々訓練をしているから、才能に愛してもらっているだろう? ならミズチくらいは行けるでしょ。最悪星の川を入れて星8つの人とかに牽引してもらえばいいんだから。星5つなら足手まといにはならんでしょ。むしろちゃんと戦力になるでしょ。領主軍で星無しはいないと思います。いたらごめんね。君たちは騎士爵にはなれないんだ。星1つからなんだ。そんな訳で、領主軍には全員騎士爵になって貰いましょうね。…オーモンド伯爵領が使い切れないほどの大魔金貨を抱え込む事になるだろうけど、知らんな。軍備にでも当ててください。最高品質の魔金の作成くらいは受け持ちますよ。…他の町の暇な錬金術師に仕事を振って貰っても良いし。魔境の町の錬金術師は忙しいのだ。僕も暇がない。研究する時間もない。…研究しないといけないことも無いんだけど。でも自分のせいで星の川製造機になってるなあ。ポーション製造機は嫌だとか言っていたのが懐かしいな。まあ後悔はしていませんが。


 さて、帰って子供たちに癒して貰いましょうね。ああ、次男が無事に産まれました。ダイアナさんの所も次男君が産まれております。エイミーが産んだのはほんの数日前。もう3人目だよ。エイミーも子供が沢山で楽しそうだし。…自分の子だけじゃ無いけどな。ダイアナさんはもうちょっと早かったよ。大体…7月の半ばくらいでしたかね。その位に産みました。子供ってこんなにポンポン増えるもんなの? よく解ってないんだけど。エイミーに欲しいって言われるから付き合っているだけで。エイミー、僕と結婚してから妊娠していない日の方が短くない? まあ、子沢山がいいと言ったのはエイミーだし、お金はあるし、いいけどね。ああそうだ、次男の名前はラファエルになりましたので。その位かな。まあ、毎日忙しいけど楽しいし、良いんじゃないかな。来年はもっと忙しくなるんだなあ。…いや、自分で忙しくしてるんだけどさ。領都だけに人が集まるのは問題じゃん? コックス大湖だけに人が集まるのは問題じゃん? 領主様の考えることなのかもしれんけど、とっとと解決したいですし? 解決できますし? じゃあやるよねって話。我ながら生き急いでるなあ。まあこれからも全力疾走する羽目になるんだろう。…主に自分のせいで。まあ、頑張りましょうね。


 あ、そうだそうだ。アランがパパと言いました。ママはもっと早く言ってたんだけど、ようやっとパパと呼んでもらえることに。…子供部屋に入れられてしまったけどさ。最初の3日くらいはギャン泣きしましたが、もう慣れたようで。子供の成長は早いなあ。…僕は異常だったけど。この頃くらいには、ヨルクの林で採取してたっけ。言葉も普通に話してたよなあ。絶対におかしいよなあ。マリー姉よりもよくしゃべっていたような気がする。…仕事を割り振られるのもその所為で早かったんじゃないのか? 歩けるようになったばかりの子どもにやらせる仕事じゃ無かったよな、あれは。多少力が必要だったし。錬金術で摩擦が起こりにくいようにしてありましたが。まあ、僕の話は放っておきましょう。例外中の例外だ。前世の記憶持ちなんてそうそういてたまるか。そんな訳で、今日の計画会議は無事終了。4年計画だぞ。上手くいってくれよ。…各町の錬金術師さん、星の川の残弾は十分か?

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一代貴族なのに生き急いでいますね!!!
[良い点] 順調に町が発展しているようでw そのうち領主を押し付けられたりしてw [気になる点] なんか、忙しさが加速していない? スローライフはいずこへ・・・w [一言] てっきり、孫の顔を見に…
[一言] 実家にかえってるかい?聖女のあの姉の話とか
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