109話 18歳 ソーサリーアメジストを使います、星の雫完成
魔境の高波が最高潮を迎える季節。スティナラニアのレイドが始まりました。今は7月の初旬ですかね。どうも、ヘルマンです。スティナラニアのレイドに昨日行ってきまして、今日解体した後の体を貰ってきました。…ぶつ切りにしてもらってますが、よくこの肉を食ったな。血の代わりに油が流れているんじゃないかってくらいに油が垂れてますよ。色は黄色い。…本当よく食ったな。しかし、色では解らんからな。これに蝋が入っているのかどうか。…問い合わせの返信は間に合いませんでした。まあそのうち来るでしょ。さて、大魔金貨をゴミ箱に捨てる気負いで行きましょうね。
まずは油か蝋か解らんけれど、何かをスティナラニアから取り出しましょうね。…水明草と花水晶、白糸草も必要かなあ。…それ以外はいらないような気がしますね。量は…結構一杯いるかもなあ。とりあえず、体の骨はいらんから骨だけ解体しまして、13mの個体の体を全て入れてしまいましょう。…錬金釜に何故か入るんだよねえ。不思議だなあ。…1m当たり水明草を10本、白糸草を20本、花水晶を10個入れましょう。それくらいは必要だと思います。錬金釜を混ぜる。さて、全体をなじませるように、肉から絞り取るように魔力操作を行いつつ、混ぜる。成功すると思いますね。そんな気がします。
…2時間程混ぜております。肉は消えてなくなっているような気がします。後は油と蝋の分離。欲しいのは蝋。油は多分いらない。蝋の方が欲しい。混ぜて混ぜて混ぜる。うーむ。まだしばらく時間がかかりそう。手ごたえがあんまりない。まだできてないそんな感じ。
…さらに1時間混ぜました。漸くさらさらしたものから一気に抵抗が出てきました。欲しいのは蝋。恐らく蝋。とりあえず、油じゃない方。…出来ましたね。保存瓶に保存しましょう。幾つ分出来たんでしょうか。…13本、1m当たり保存瓶1本分くらいか。…都合がいいな保存瓶。それよりもだ。黄白色って感じの色。色は濁ってる。透き通ってない。これが琥珀になるのか? 琥珀って透き通ってたよな。まあ宝石の琥珀だが。とりあえず、これはこれで完成。
骨の方も使う気がするから外したんだけど、…水郷苔だな。とりあえず1mの骨当たり保存瓶1本分入れるか。後は…魔石かな。こっちは10個くらい必要な気がする。後はいらないかな。さてさて、何ができるかな。
…1時間混ぜてたんですが、これは粉だよね。骨粉か? …なんとなくだけど、研磨剤かなこれは。とりあえず、保存瓶に13本出来ました。都合がいいなー。次はーっと、この蝋とミズチの鱗とウォーターサファイアかな。蝋は1瓶でいいよね。鱗も1瓶でいいか。…ウォーターサファイアは1個、多分。足りないってことは無いはず。これでいけると思う。段々と高いものを混ぜる様になって来たから緊張しております。それでは素材を投入。
…10分程で手ごたえがありました。とりあえず、保存瓶に掬ってみましょうね。…おー、青色になった。そして透明になった。若干粘りがありますね。…これは蝋なのか? とりあえず蝋としておきましょう。青いし、青明蝋でいいや。
さて、研磨剤と青明蝋が出来ました。ソーサリーアメジストも準備オッケー。…まだ素材が足りない気がするな。花水晶がいるかな。30個くらい欲しい。後は、水属性の魔石、これも20個程欲しいな。…足りない気はしない。行けるな。よし、混ぜましょう。ソーサリーアメジストは形を残しつつ、他の物を混ぜていきましょう。…青明蝋も混ぜちゃダメかな。研磨剤と花水晶を混ぜまして、…ソーサリーアメジストをいい感じに削りに行きます。…どんな形がいいだろう? 金平糖みたいにとげとげしたものにしましょうか。がりがりと削りまして…1時間ほど。研磨剤が無くなった。削ったカスのソーサリーアメジストと水属性の魔石を混ぜながら、青明蝋とも混ぜます。そして研磨したソーサリーアメジストを包み込むように青明蝋で覆う。…あかん、魔力操作が忙しい。固まりそうになるんだけど、固めたら駄目な気がする。固まらない様に、でも動かさない様に。いつまでこの魔力操作を続ければいいんだろう。…1時間ほど固めない様に青明蝋を操作していたら、ソーサリーアメジストの方にくっ付き始めました。固まるのとは違うの。なんて言ったらいいのか解らんけれど、チョコレートをメッキするような感じ? ともかくくっ付き始めた。液体なんだけど、くっ付くの。それがどんどんと外側まで張り付いて、一気に固まる。…出来たんじゃない? 取り出しまして、…出来たのか? 才能を叩き込まんでいいのか? 叩き込まないと駄目だよな。錬金釜を動かしまして、錬金陣の上に。いざ、勝負。
…30分程、才能を叩き込みまして、出来たという感じがしました。漸くと納得がいった感じがしますね。しかし、水魔法使いの才能を伸ばすんでしょうか? 他の属性なんでしょうか? 星の川と一緒で自分では解らないのが難点ですね。…魔術師ギルドに行くには余りいい時間じゃありませんね。明日行きましょう。
アランー。パパは頑張りましたよ。多分成功したと思いますよ。…星が何個増えるのか解りませんが、成功だとは思います。だからアラン、ハイハイで逃げないで。ハイハイができる様になったことは嬉しいけど、パパから逃げないで。…怖いのだろうか。大きいから駄目なのかな。…ルクスに埋もれてしまいました。僕の何がいけないんだろう。子供って本当に解んないな。エイミーはくすくすと笑っている。お腹も大きくなってきたし、また10月頃だろうか。…多分それくらいだと思います。他にも4人子供が産まれるんだよな。保育園になって来たなあ。でもしょうがないと思うんだ。収入があれば子供を作っても問題ないもんね。ここ20年くらいは家が保育園になると思っておきましょうね。…今は子供部屋はリチャードの子供しか使ってないけど、そのうちアランも使う様になるし、他の子たちも使う様にさせるからな。…お布団の発注をしとかないとそのうちベッドが入らなくなるな。…13歳になる前に出る子供はどんどんと出していかないと子供部屋が宿屋の大部屋みたいになりかねんな。
離乳食も料理人見習いのクレアが作ってくれているんだよね。フローラさんも妊娠中だからさあ。今までは薄い麦粥なんかを食べさせてたみたいなんだけど、…離乳食も美味しい方がいいよな。香辛料とかは使わずにちょっとの塩くらいの味付けで野菜なんかも食べさせてる。アランは好き嫌いはしないんだよね。何を出しても食べる。好き嫌いが無いことは良いことなんだけど、美味しいと思ってるのか解らんのよね。味覚が発達してくるのはいつ頃なんだろう。僕は2歳の時にはすでに諦めていたくらいには味覚はあったが、当てにならんよなあ。
まあ、美味しい食事に慣れすぎるのも問題なんだろうが。冒険者になったら基本粗食だぞ? 我慢して食べないといかんのだぞ? 同じものを何日も繰り返し食うのは苦痛だった。王都に行ったときでも絶望したっけな。まともな料理がねえぞと。野菜類が豊富にあっただけセレロールス子爵領よりは良かったけどさ。オーク肉もあったし、料理が発展する土壌はあったと思うんだがなあ。才能のある人くらいしか、まともに料理しないしな。
…しかも料理人も修行が必要な才能なんだって。それはフローラさんから聞いた。ある日突然、こうした方がいいというのが解る様になるらしい。下ごしらえなんかは才能が反応するらしく、他の才能無しの人たちよりは上手く出来るとのことなんだが、こうすれば美味しくなると解る様になるには研鑽が必要なんだと。それが解る様になったから下ごしらえしかできないのが嫌で転職したとのことだし、僕としては有り難かったけどね。料理人を募集していた訳だし。有能な人材を引き抜いた店屋さんにはごめんと謝りたいですが。そう言うことで、クレアも才能が愛してくれたみたいなんだよね。星1つでもちゃんと愛してもらえたみたいです。…いつ頃かは知らんのよね。僕が離乳食の話を持って行ったときにはすでに愛してもらえていたんだから。色々と料理を教えていた時はまだ違ったとは思うんだ。あの時は手探りだったと思う。多少は料理の才能が働いていたと思うけど、多分フローラさんが来た後だよね。流石に味が変われば解ると思うんだ。
ルクスー、そろそろアランをこっちに振り向かせて欲しいんですが。何とかなりませんかね? ならないようですね。ルクスを掴んで眠ってしまっていた。寝ると抱いても泣かないからいいよね。…こんな時ぐらいしか抱かせてくれないのも嫌なんだけど。早く僕が抱いても泣かない様にならんかな。格子の付いたベッドに寝かせて、寝顔を堪能しましょうか。…余りにもベッドから落ちるので格子を作りました。元気なのはいいんだが、危ないことはしないで欲しいよね。ルクスは面倒は見てくれるんだが、危ないことをしようとしているのは静観するからな。ルクスに取っては危なくなくてもアランには危ないので助けてあげて欲しいです。痛いことも覚えなさいとのスパルタなんだろうか。さて、食事をして寝ましょうかね。エイミーと一緒に食堂にいこう。階段も歩かせたくないんだけどなあ。
次の日の朝。早くから魔術師ギルドに来ています。これで魔法使いの星が増えれば御の字。増えなかった場合は、これはなんなんだろう。何か出来たという手ごたえはあったんだよね。何かしら効果のあるものだとは思うんだが。さて、どうなることやら。
「おはようございます。ご用件は何でしょうか?」
「錬金術師ですが、ソーサリーアメジストを使った錬金アイテムを作りまして。その実験に来ました。魔法使いか魔術師ですか?」
「ええ、水魔法使いだけど…。ソーサリーアメジストを使った錬金アイテムってずっと昔に失伝してなかった? そう聞いた覚えがあるんだけど。」
「そうなんですか? その辺は知らないのでその時の錬金アイテムの名前は何だったんですか?」
「名前は星の雫よ。詳しくは無いけど、魔術師学校に幾つか残っているから持ってみたこともあるけど、星が3つ分振られる物だったわ。」
「あ、現物が残ってたんですか。何で失伝したか知らないんですか?」
「失伝したというよりも秘密主義の結果だって聞いたわよ? 昔の錬金術師は秘密主義者が多かったせいで、唯一作れた錬金術師が死んで作れなくなったって習ったわね。その時の事を反省して錬金術師も秘密主義をある程度辞めたって聞いているわよ。その辺は錬金術師の方が詳しいんじゃないの? まあ、その戒めを込めて、ブルーアメジストって言っていた物をソーサリーアメジストって名前にしたって聞いたけど。古い文献なんかにはまだブルーアメジストって書いてあるんじゃないかしら。…たしか1500年前くらいだったと思うけど。」
「知りませんでした。錬金術師内でレシピを共有するのが普通だと思っていましたので。…いえ、今も秘密主義かもしれませんね、ゼミなんかで抱えている情報も多いです。それに錬金術の歴史なんてものは授業では習いませんので。実技重視ですね。歴史を詳しそうな人も何人かは知ってますが。」
「まあ歴史よりも実技重視なのは理解は出来るけどね。錬金術師はやることが多いもの。魔法使いは魔法の名前さえ解ればある程度は才能が使ってくれるからね。魔法を作ることも出来るんだけど、その時に歴史として習うのよ。昔どんな魔法を作って廃れていったのかをね。でないとまた同じ魔法を作っても意味無いじゃない?」
「あー。錬金術師の場合は作れるものが多すぎて共有できていない感じですね。僕も何が作れるのかを全て知っているわけではないので。むしろ知らないものの方が多いです。」
「錬金術師はある程度仕方ないんじゃない? レシピなんかは儲けの種ですもの。公開したく無くなる理由も解らんでも無いしね。魔法使いはある程度限界があるし? 魔力量のせいで使えない魔法もあるもの。…魔力を大量消費する魔法は廃れる運命なのよ。効率のいい魔法だけが残って来たって訳ね。人によって魔力量が差があるから仕方ないんだけど。」
「星の雫は水属性だけだったんですか?」
「いえ? 才能の数だけあったはずよ。魔術師の分もあったし、賢者の分もあったわね。精霊使いの星の雫は知らないわ。失伝しているから作れないだけかもしれないけれど。」
「そうなんですか。まあ、今回作ってみたものがあるのでそれを持ってもらっていいですか? 水属性の素材を一杯使ったので水属性の才能が伸びるんじゃないかと睨んでいるんですが。」
「ええいいわよ。―――…駄目ね。何も感じないわ。それに見たことない形だから私の知っている星の雫とは違うわね。こんな綺麗な青い宝石の中に星のようなものが入っているようなものでは無かったわ。」
「あらら、当てが外れてしまいましたね。他の才能を持っている職員さんに回してもらってもいいですか? 何が出来たかだけでも解った方がいいので。」
「別にいいわよ。それにしても何が出来たか解らないって錬金術も大概ね。ちょっと行ってくるわ。」
星の雫ねえ。星の川と同時期に作られたんだろうな。そして星の雫を作った方が死んで失伝したから星の川が公開されたと思った方がいいんだろうか? …違うような気がするな。鉄迎派は強くなるためには情報を抱えるなんて事はしないと思うから、他の派閥が作った可能性があるな。永明派当たりかな。一番単純なんだけど、一番よく解らない派閥なんだよなあ。まあ、数が少ないのは星の雫を作るためのソーサリーアメジストが星の川にされてたからとかそんな理由じゃないかな。鉄迎派が狩ったら間違いなく星の川になってるはずだ。今は水晶鱗が熱いんだけどね。鉄迎派は元気なんですよ。あ、戻って来たみたいですね。
「これを作ったのは君か?」
「ええ、そうです。何か効果が解りましたか?」
「ああ、大変すばらしいものだよ。これは風魔法使いの才能を7つ伸ばす効果があった。そして魔力量が5倍ほどに増えた。失伝した星の雫よりも素晴らしい性能だ。魔法使いにとっては喉から手が出るほどに欲しい。…問題なのは値段だな。ソーサリーアメジストを使っている時点で高いことは解っているが、幾らほどで売り出す予定だ?」
「…最低でも大魔金貨10枚で売りたいですね。手間賃と素材の価格を含めてその位は欲しいですね。流石にこれ以上下げるのは手間を考えると厳しいです。今後はスティナラニアの体にも価値が付くわけですし。」
「…それだけでいいのか? もっと高額なものだと思っていたんだが。それなら魔術師ギルドで立て替えて、魔導爵を取ってから返済するようにすれば十分だな。後これは公開するのか?」
「公開します。黎明派から報告書を錬金学術院に提出してもらいます。…恐らく、王都でも沢山作られると思いますよ。ここのように借金を許してくれるかは知りませんが。」
「借金は無理だろうな。王都の連中は借金に厳しいからな。学校も立て替えてはくれないだろう。…王都は魔術師ギルドが複数あるのは知っているだろう? 実は余り仲がいい訳じゃないんだよ。特に中央本部と支部の仲がよろしくない。見栄を張りたいなら借金くらい許せとは思うんだがな。だが、この魔境の強みが出来るのは良いことだ。星の雫を求めて、魔法使いたちがスティナラニアを追ってこの領に来るものも増えるだろう。公開してもらえるのは解った。この領の錬金術師にも教えるのか? 儲けの種だぞ?」
「…星の雫だけを作るようにはなりたくないので、錬金術ギルドにレシピを提出しますよ。そのうち共有されるとは思います。…錬金術ギルドを使わない錬金術師がいれば知らないままになるでしょうが。」
「素材を買うんだから流石にギルドに来ない錬金術師はいないだろう。…解った。とりあえず、これは1年以内に他の錬金術師も作れるようになると考えていいんだな?」
「ええ、独占する理由も無いですし、ちゃんと公開しますので安心してください。…これで魔導爵も増えますかね?」
「ああ、増える。魔術師ギルドに所属している者で狙いたい奴も多いだろう。仕事はギルドを続けて貰えばいいんだからな。後はちゃんと借金を返済するように契約書を書いてもらうことになるだろうが。魔導爵も年金は貰えるし、払えない金額じゃ無いからな。」
「ああ、他の錬金術師が幾らで売るかは知りませんので。家では大魔金貨10枚で売りますが。」
「吹っ掛けてくる奴もいるだろうが、何としてでも買いたい奴しか買わんだろ。そんな奴はごく少数だ。元貴族で家から金をたっぷりと持たされた奴だけだ。そんな奴の方が珍しい。」
「解りました。とりあえず買ってくれることは理解しました。それで、これはどうしますか? 今すぐにでも売ってもいいんですが。」
「今はまだ買えない。制度が無いからな。制度を作って領主館に報告に行ってからだな。そこからギルドを通じて購入に向かうと思う。組織の金を使う以上、議論は必要だ。ここの魔術師ギルド長は話が解る奴だからな。借金の件は了承してくれるはずだ。後は領主館とのやり取りが必要だから、どっちにしても半年は時間がかかる。魔導爵を狙いに行くやつらが魔境に潜るのは来年からだな。領主様も話の分かる御仁だからな。だが流石に今夏には間に合わん。」
「解りました。僕はとりあえず、在庫を抱えられるだけ抱えてみます。大量には抱えられませんが、20個くらいなら何とかしますので。…スティナラニアも狩らないといけないですし。」
「それが一番の問題だろう。ソーサリーアメジストの入手が一番大変だ。20個も数が揃うのか?」
「私自身がレイドで狩っているのでその辺は心配ご無用です。」
「鉄迎派だったのか? 黎明派から広げると言っていなかったか?」
「黎明派なんですが、錬金術師も日々進化しておりまして。効果の高い星の川が入手可能になったんですよ。それを使って、今後はこの領で騎士爵をどんどんと増やしますので、冒険者と、近接戦闘が出来るものとのパーティーも可能だと思いますよ。」
「ほう、冒険者の質が上がっているのか。ならば今がチャンスという訳か。魔法使い5人で行くのも可能だが、近接戦闘が出来るものがいてくれた方が助かるからな。この星の雫は魔力量も増やしてくれる。今までの歴史の中で使われなくなった魔法も使いどころが出てくるかもしれんな。」
「では制度が出来るのを楽しみにしていましょう。領都の経済を発展させていきましょう。」
「成る程、確かに黎明派のようだ。魔術師ギルドとしても在野の、冒険者の魔法使いや魔術師も視野に入れて活動しようじゃないか。冒険者の魔法使いにも知られるように冒険者ギルドに皮紙を張り出して貰う方が良いかもしれんな。…火属性以外なら魔導爵を狙えるようになるだろう。」
「火属性は無理そうですか。まあ、水の魔境ですしね。」
「まあな。それに数自体もいないからな。他の攻撃手段を持っているだろう。それかギルド職員になりに来たかだな。ギルド職員にはいないことは無いからな。ギルド職員になるのには才能があれば給金は変わらないからな。」
「ああ、給金は魔法系統の才能があれば上がるんですか。」
「まあ、当然だろう? ここは魔術師ギルドだ。才能がないものも雇うが待遇が違うのは仕方あるまい。」
「錬金術ギルドでも同じですし、そりゃそうですか。それじゃあ僕は星の雫を追加しておきます。買いに来てくれるのを待つことにします。」
「ああ、そうしてくれ。出来る限りでいいから増産を頼む。」
そうして魔術師ギルドを後にした。…昔の星の雫とは違ったのか。むしろどうやって作ったか気になってくるな。綺麗なって言っていたから体をそのまま使ったのかな? 解らん。僕の作り方は間違っていなかったからまあいいか。星3つしか上がらなかった物から星7つも上がって魔力量も5倍増する代物が出来上がったんだからな。…魔力量の増加は個人差があるのかもしれないが、増えるってことが重要だからね。魔力回復ポーションはあるが、総量が少なくて使えなかった魔法が使える様になるんだから大きいよね。…そんな大規模魔法があるのかは知らないし、使いどころがあるのかは知らないが。
まあでも、ともかく報告書は書き始めましょうね。錬金術ギルドと錬金学術院に送るものと2つ書かないといけないなあ。…錬金学術院に出すのはいつがいいでしょうね。問い合わせの返信が来てからの方がいいでしょうか? あまり関係ない気がするな。レシピは残ってなさそうだし。多分歴史的経緯が書かれてきて終わりだろう。届けて貰ったと同時に持って帰って貰いましょう。報告書を書くことがあるってことは良いことだなあ。
面白かった面白くなかったどちらでも構いません。
評価の方を入れていただけると幸いです。
出来れば感想なんかで指摘もいただけると、
素人読み専の私も文章に反映できると思います。
…多分。