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【書籍化】転生少年の錬金術師道  作者: ルケア
オーモンド伯爵領領都オルソン編
104/201

104話 18歳 ハリー君の特訓、風呂屋始めます

 1月の3日のお昼。錬金術店の前にいますよ。こんにちは、どうも、ヘルマンです。午前中は代官屋敷に料理人を連れて行って料理店の場所決めに行っていましたよ。各々ばらばらだったけど、西通りに面しているのは皆頑張る予定がある証拠ですね。皆2×2のスペースを取り、そこを食事処にするのに錬金術ギルドの錬金術師を使う予定です。僕が作ってもいいけど、面倒だからね。それぞれ拘りがあるだろうし、お任せで。代金は大白金貨8枚を4か所。…こんなもんなんだね。これじゃあ貴族屋敷の場所の値段は誤差じゃん。…領主館の隣とかならもっとしたのかもしれんけど、木が高いんだろうな。建築屋を雇うのも高いんだろうな。…魔力茸でかなり強化したけど。


 まあ、そんな訳で料理人たちはこれで放逐。それぞれが頑張ってくれることでしょう。必要なネバネバはあげたし、後は勝手に弟子をとりつつ店を回していってくださいね。…まだ不足状態なんだよね、料理屋はさあ。多い時には店の前で立ち飲みしている冒険者とかも居るからね。この4軒で解消しない場合はもう一回やってもいいけど、健全に競争させたい気もするんだよね。どっちがいいのやら。まあ、とりあえず様子見で。梃入れが必要そうなら梃入れしましょう。僕がお店に入れないようなのは嫌だから。


 んで、なんで店の前にいるかというと、ハリー君の戦闘訓練のためですよ。…場所が無いんだよね。とりあえず道の端なら良いだろうという判断です。さて、120㎝くらいの両手剣ですね。かなりの肉厚幅広の剣です。…まだ身長が伸びきっていないけど、訓練はやっておいて損はないし。体力は必要だよね。鉄迎派方式しか知らないけど、問題無いだろう。


「さて、ハリーは冒険者を目指すんだよね。だったらまずは体力づくりからだ。まずはそこから始めよう。」


「はい、解りました。」


「よろしい。じゃあともかく素振りをしよう。手は止めない。才能を感じて、才能と会話をしよう。まずは才能に愛してもらわないと始まらないからね。気絶するまで振り続けましょう。」


「…気絶するまでですか?」


「そう、気絶するまで。才能が愛してくれたら解るはずだから。まずは振ること。ともかく数を振ること。そこからだよ。」


「…解りました。」


 そんな訳でハリー君の素振りが開始された。…まあ、10分も持たないよね。もう息が上がり始めた。でもそこは通過してくれないと困るんだよ。まずは自分の限界まで振りぬかないと才能に振り向いて貰えないらしい。…僕は始めから才能に愛して貰えたからその辺りはすっ飛ばしたんだけど、ハリー君はまだ才能に愛してもらえていない様子。頑張れ頑張れ。…15分で膝をついたか。でもまだだ。


「ほら、膝を付くくらいには元気があるんだ。まだ振りなさい。」


「―――はい!」


 剣筋も何もない素振り。遅く歪んだ振りだ。まだまだかなあ。…剣を落として息が上がっている。まだ元気があるぞ。振れ振れ。


「まだ息をする余裕があるぞ。剣を拾いなさい。そして振りなさい。」


「―――はい…。」


 もっと遅くなった。一回一回に時間がかかる様になった。ここからが勝負なんだぞ。


「ほらほら、才能に話しかけなさい。才能に身を任せなさい。才能と向き合いなさい。まだまだ元気があるでしょう?」


「―――はい!」


 とはいうものの、気力で振っているだけだろうな。それでいいんだよ。見えてくるから、そのうちね。…やっぱり道場計画は考え直すか? 冒険者にも才能に愛してもらえれば伸びる奴はいると思うんだよなあ。道楽だけど、僕がやるしか無いのかなあ。場所だけ貸して、気絶するまで振る場所。道でやるのも迷惑だもんな。…ああ、ついに気絶したか。20分か。まあ始めはそんなもんだろう。剛剣だしな。さてと、武器を回収してハリー君を持ち上げて運ぶ。店に待機してもらっていたリチャードにハリー君を渡して寝かせて貰おう。


「子供部屋に寝かせておいて。起きたら風呂に入って休むように言っておいて。」


「かしこまりました。」


「これを続けて行けば身になるから。」


「はい、ありがとうございます。」


 まあ初日はこれで十分だ。☆7つなんだから直ぐに愛してもらえるだろう。…風呂か。風呂屋は流行るかな。…いける気がするんだよな、風呂屋。もちろん健全な方な。でも作るなら裏街に近い西通りの南側だな。そう言うことをした奴らも入りたいだろうし、ちょっと考えてみましょうか。維持費は水属性と火属性の魔石を月に1つか2つだろ? 魔境に潜った奴らで汗を流してすっきりしたい奴は多いだろ。男湯と女湯を作りましょうね。まあ、男湯の方が繁盛するだろうけど。冒険者の男女比は4対1だからな。…意外と女性の冒険者も多いんだよね。才能の関係だもんね。戦える才能持ちは大体は冒険者になるからなあ。他に良い才能が貰えればそっちに行くだろうが。


 善は急げという訳で、代官屋敷にやってきました。…お前、午前中にも来ただろってのは無しですよ。午前中はほぼ付き添いレベル。財布になっただけだ。今回は僕も関係してるから。…西通り南側3番通りぐらいの土地が欲しいですね。ああ、真ん中はメイン通り。そこから1本入ったところが1番通り。そんな感じね。


「ヘルマンさん。午前中も来てませんでした?」


「来てましたが、今度は別件です。ちょっとお店を始めようと思いまして。」


「さっきもお店の件じゃ無かったですか? まあいいですが。どうぞこちらへ。」


 奥へ入って地図とにらめっこ。…ここにしようかな。西通りの南側3番通り。…裏街にも近いし、結構流行るんじゃないかと思うんですよね。冒険者も多いし。


「ここを6区画買います。」


「…随分と裏街に近い所に作るんですね。何を作るんですか?」


「風呂屋を始めようと思いまして。」


「風呂? 風呂とは何ですか?」


「お湯を張って裸になって体を洗うお店です。自分で洗って貰いますが。」


「裸になるんですか⁉ …そんなものが流行るんですか?」


「まあ、長い目で見ますよ。多分1度来てもらえるともう1度来たいと思ってもらえると思いますよ。」


「そうなんですか…。まあ、1度怖いもの見たさで行ってみましょうかね。」


「そんなに法外な金額にしないので何度も使ってもらえると思います。…メインは冒険者をターゲットにしてますが。1回小銀貨2枚にしましょうかね。」


「そんな金額にして元が取れるんですか?」


「元は取れないと思いますね。…まあ、働く人が生活できるくらいには儲かると思うんですよ。」


「まあ、その区画なら大白金貨2枚で大丈夫ですかね。」


「ああ、あと隣に人を住まわせる予定ですので、ここもください。」


「潰さないなら大金貨1枚ですよ。―――はい、頂きました。扉なんかは自由市で職人から購入してくださいね。」


「解ってます。従業員も募集しますので後で求人用皮紙をください。」


「解りました。」


 さてさて、風呂屋の場所も決まったし、募集を出してから整地しに行きましょうね。…スケルトンも作らないといけませんね。とりあえず、冒険者ギルドにも寄って行きましょうか。スケルトン…追加で4体も作れば良いでしょう。500かける4だから2000体確保してもらわんといかんのか。


「すみません、ゴブリンの死体を魔鉄が付いたままで欲しいんですが。」


「アンデッドにするんですか? 何体必要ですか?」


「とりあえず2000体欲しいんですよ。大白金貨2枚出しますので集めてください。」


「お任せください!」


 ゴブリン2000体は高くても大金貨いかないだろうからな。まあ経費経費。井戸を掘らないといけないからどれくらいで風呂屋が出来るかな。…明日にでも建物は出来るから内装に1日欲しいかな。うーむ、3日もあれば出来るな。とりあえず、立地の確認と整地だけでもしてしまいましょうね。


 さて、現地に来ましたが、…人が少ないですね。まあまだ夕方になってないからね。混み始めるのは夜になってからだからな。…照明の錬金アイテムと維持費とかを計算すると月に水属性の魔石1つと火属性の魔石1つ、普通の魔石3つといったところかな。まあ最初の1年はこっちで給料を持ちましょう。後は冒険者に流行らせるようにするのと、裏街の人たちに流行らせるのと。冒険者の方は僕がやりましょう。裏街の方は店長になった人に任せましょうね。利用しないからあんまり解らないんだよね。さあ整地して基礎だけ作ってしまいましょうか。


 …ざっとこんなもんじゃ無いかな。入り口に料金回収場所に男女の入り口、服を脱ぐ場所、お風呂エリア。体を洗う習慣が無いから浴槽を広く取りましょうね。ふむふむ、これでいいでしょ。銭湯って感じにしたいけど、僕の芸術センスが無いからまあ、その辺は金が良い感じに入ったら改装してもいいんだし、もうこのまま建物も作ってしまおう。…ここまで来たら井戸も作りましょうね。もう全部作ってしまおう。お湯も良い感じの温度に調節しないといけないし、さくさくと作りましょうね。


 そんな訳で、3日かかると思った風呂屋が完成してしまった。…まあ、想定内想定内。店長が早く見つかれば良いんだし、…酒も売るか? 風呂場に酒。良い気がするな。ここの入り口で売ればいいか。酒屋から買うとして、ジョッキに1杯で幾らってしとけば十分に利益が出るだろう。どうせ1杯ひっかけたら本格的に飲みに行くだろうし、風呂上がりの1杯があっても良いだろう。…温くていいのかな。冷えたエールの方が良いんじゃないか? 冷蔵庫を作ろうか。いいな、冷蔵庫。家にも欲しいな。…どうやって作ろう。…精霊樹が欲しいな。最初から魔石を抱かせて杖の状態で壁に埋めておけば良いんじゃないか? 先に少し成長させてから魔石を嵌めれば成長が止まるんじゃないだろうか。良いね良いね、構想がどんどん降りてきてるよ。水属性の霊地だし、冷やすのは簡単よな。…なら風呂屋の維持費も火属性の魔石だけにしてしまいましょう。精霊樹の苗木のストックはあるし、何処に植えよう。…ここでいいか。ある程度大きくなったら魔石を埋め込みましょう。枝打ちもしないといけないから暫くは来ないといけないな。楽しくなってきましたね。…でも今日は時間ですね。水だけあげてまた明日来ましょうね。お風呂屋さん、流行ればいいなあ。冷蔵庫は家の地下にも作りましょうね。台所の側に地下に行く道を作ればいけるいける。…地下水は壁を石にすれば止まるし、問題なし。構想が降りてくると楽しいよね、本当に。

面白かった面白くなかったどちらでも構いません。

評価の方を入れていただけると幸いです。

出来れば感想なんかで指摘もいただけると、

素人読み専の私も文章に反映できると思います。

…多分。

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― 新着の感想 ―
[一言] いずれは、受付で冒険者タグの確認もしないとな。置き引きするような冒険者は確実に黒いだろうし口頭説明でも念のため注意勧告ぐらいはした方がマシだろうな。 後は、タグが黒く無い冒険者に風呂屋の用…
[一言] 面白い!
[一言] 冒険者相手の商売を想定するなら置き引き対策考えなきゃダメでしょヘルマン君。 文字読めない連中の倫理観最低クラスなんだから。
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