倒すべき敵
「ただいま、ノエル。ノエル?いないのか?」
赤い怪物が左手を振り上げた。
「ガッ!」
「な……バケ……モノ……」
痛みや恐怖。理不尽な暴力への驚きよりもクロスロードの思考を占めるのは……
「ノ……エル!ノ……エル……」
血だまりのなかでなにかが倒れていた。
「違う……そんな……」
抱き寄せた体は、まだ温かかった。
「ああ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
(……約束した。幸せにすると……それを……)
(殺し……壊したのは……)
「赤い……セルタント!!」
クロスロードの様子がおかしい…サリオを攻撃しなくなった。
「グルァァァァァ!!」
「おい!貴様、どういうつもりだ!?ありえません!こんなこと!!」
「……尻尾をまいて逃げるなんて……つれないじゃ……ないか。……トレーゼ」
「その傷……なるほど、傷の痛みで精神干渉を避けてたのか
ならば、治してやろう。治癒術式は得意でね」
サリオの傷がトレーゼに見られた。
「痛みが……ささ……ま……」
「抗うことはできん。私の精神世界で眠れ」




