8/150
レイルからの期待
「レクス」
カフェを閉めた後レクスはレイルに呼ばれた。
「お、おじさんのことは……あんまりしゃべってないよ」
「私のことはいいさ。ただ、冒険家時代のころは……なんだか気まずくてな」
「ゴメン」
「私の話で彼女との距離が近づくんなら、むしろ光栄だ」
「きょり?あ、あの……えーと……」
「冒険と同じだ、レクス……人が何かに挑むとき、チャンスは必ず訪れる」
冒険と同じものなのかはわからないところもあるが、これはレクスにとって大きなチャンスであることに変わりはない。
「ホントに……?」
「チャンスは逃すな。レクス。逃さず、ものにしろ」
「チャンス……!」