ヴァイザー・コード
(ノエルの卒業式の日に、俺はプロポーズをした。彼女は笑顔で受け入れてくれた。
過去を振り返ると、目頭が熱くなる。この怒りの炎が消える時俺はノエルの元へ行くことが出来るだろう。
もう少しだ)
サリオとクロスロードは遺跡へと来ていた。ナハト島にこんなところがあるとは…島の人間も知らないだろう。
「どうにか、ここまで来れたな……」
「…………」
「君は必要なこと以外、喋らないな。雑談は円滑な関係を築くのに有用だぞ?」
「情が移れば、お互い、やりづらくなるだろ?」
「……意外な答えだな。それでも、お互いを理解するのは重要だ。敵同士ならなおさらな」
「宿で赤いセルタントの話をした時君の目の色が変わった。なにかあったのか?」
「……ただの私怨だ」
「君もヴァイザー・コードに首をつっこんだのか?」
「ヴァイザー・コード?」
「知らないのか?」
「知らん。説明しろ」
「古代の大天才。エンスリオ・ヴァイザー。彼の残した技術や道具はもれなく禁忌だ。特別にヴァイザー・コードと呼んでいる」
「そのヴァイザー・コードをすべて解析すると、なんでも願いが叶う」
「くだらない」
「それが、あながち嘘じゃない」
「赤いセルタントはヴァイザー・コードを守るために現れる」
「っ!」
クロスロードの無な表情が変化した。
「博士は超のつく天才だった。古代の人間のくせに今の俺たちよりはるかに高度な技術を開発していた」
「なんでも願いが叶うというのは比喩だが、技術で不可能を可能にできる可能性はある」
「赤いセルタントが現れたのなら、この島の禁忌もヴァイザー・コードなのか?」
「ああ、そういうことだ」
「だから、この島の禁忌は、持ち出さなければならない。そう厳命されている」
「…………」
「最後にやりあう時は、手心をくわえてくれると俺としては助かるな」




