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禁忌の正体

サリオは自分の服をたくしあげる。腹部には包帯が巻かれており、赤い血がにじんでいた。


「この島の禁忌は人間の精神に作用する。術式が起動した際。とっさに自分の体を傷つけて、痛みでごまかし、影響を受けないようにした」


「博打だったが成功してね。ただ、傷を治せば術式に飲まれる可能性がある」


「負傷したままでは任務遂行も難しい。そこで、禁忌の中心点となる遺跡まで一緒に行動したい」


「……俺にはメリットがない」


「ナハト島の禁忌は構築した精神世界に他者の魂を取り込む魔術だ。言い換えれば、脳の共有ネットワーク化。取り込まれた人間は、勝手に脳を使われ、操られる」


「……操られてる気はしないが?」


「話してみてわかったが、君は島の連中と違ってまだ正気を保っているようだ。だが、君が禁忌の術式に飲まれたのは事実だ。君の体に、いつなにが起こるか、誰にもわからない」


「……それは否定しようがないな」


「ーつ疑問なんだが、禁忌の術式を起動してるのは誰だ?煉園ではなくアヴァリスでもない。第三勢力にしては。目的がわからない。見当はついてるのか?」


「禁忌にかかわってるなら、赤いセルタントの噂くらい知ってるだろ?」


「ある種の禁忌に関わろうとする者を殺して回る怪物。セルタントでも被害は多い」


「……お前の考えは理解した。手を組む提案を飲んでもいい。だが、ーつ条件がある」


「赤いセルタントは俺が殺す。その邪魔だけはするな」


「好きにしろ。俺は頼まれたって、あんな怪物の相手はしたくないね」


サリオとクロスロードは手を組むことになった。


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