60/150
狂う赤
―コワセ――――コロセ――
(なんなんだよ、この声……こんなこと、今まで……)
(変身も解けない……なんなんだよ……!!)
軽く殴ったつもりの壁が吹き飛ぶ。
それだけレクスの頭のなかを巡る声が遠くなる気がした。
――ほら、こんなにも強いーーこの力を振るえばいい――思うがままに――誰にも縛られず――
(うるさい!なんなんだよ!!どうしちゃったんだよ、僕は!!)
――この力があれば、ほしいものは何だって手に入る――ほら、試してみろよ?ほら、試してみろよ?ーー
(うるさい、うるさい!そんなこと僕は絶対にしない!誰かを傷つけるくらいなら!)
――自分が傷ついたほうがいい?本当に――?なら、試してみろよ――
「グルアアアアアア!!」
クロスロードの攻撃が止まない…
(こいつ、今までの魔物と違う!)
「ガァッ!!」
甲殻に確かな傷がついた。
(痛い……嘘だろ……変身してるのに……!)
レクスは劣勢だ。このまま食らうのがまずい状況である。
(ひぐっ!痛い痛い痛い……)
「ふしゅるるるる……」
(ひっ!)
異形の怪物が倒れたレクスを見下ろす。
(殺される……)




