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出会い
「コーヒーおまたせしました」
「あんがとね~レクスちゃん」
「ごゆっくりどうぞ」
ここは少年レクスのバイト先であるカフェだ。ここで彼は働いている。
「聞いたかねマスター。街中でえらい魔物が出たって」
「そうらしいですね」
「魔物!あら怖いわねぇ~」
「噂じゃあ、魔術院から逃げたっていうじゃねえの……ブッソウな世の中になったもんだ」
少女もカフェに来たようだ。何か目的があるのだろうか。
「あら、なかなかにロックなお店」
「いらっしゃいませ。何になさいますか?」
「ロックな店員さんね。レイルさんはいる?」
「私ですが」
レイルはマスターのことだ。眼帯をつけた強面の男だ。
「私はリア。魔術学園の生徒で、フィールドワーク中」
「ええっと、ご注文は……」
「コーヒー。レイルさんに、ちょ~っと伺いたいことがありまして」
「マスターに?」
「プロの意見を、ほしいんです。プロの冒険家の」