現場調査
魔物がさった後ポリスによって調査が行われた。
「これはヒドイな……」
「大型の魔物に、襲われたようです。ううっ……酷い……」
調査を行なっているのはポリスの上司とその部下のようだ。
「問題はそんな魔物がどうして街中にあらわれたか、ですね」
「き、きみ!入ってはだめだ!」
少女が事件現場に来ていたのだ。普通の少女ならこんなところに来るわけがない。
「ああ、「彼女」はいいんだ……彼女は……」
「どうしてです、こんな……こんなものを、見ちゃいけない……」
「被害者は16人。全員が、攻撃魔術の使い手」
少女は、死体の傍らに転がる魔術跡を見つめた。
「稲妻の魔術……大抵の魔物に有効なはずね」
「攻撃魔術の一斉射撃を受けても、逃げも倒れもせずに暴れまわった……」
少女は戦跡から状況を解析している。富んだ知識がなければできない仕業である。
「彼女は「煉園」の一員だ。経験も豊富と聞いている」
「では……この魔物は、禁忌の存在なんですか?」
「煉園は禁忌を封じる。彼らが動いたということは、そういうことかもな」
「逃走経路はあっちね。内側から壁が破られている。外側からは侵入の形跡なし」
「この魔物……どこから侵入したのかしら?」