怪しい2人組
カフェから出たレクスは落ち込みながら街を歩いていた。
「僕は本当にダメな奴だ。リアが危ないかもしれないのに、どうして引きさがっちゃうんだ?」
(ヒーローになれれば、自信を持てると思ったのに、まだダメなんだろうな……)
「おい、おまえ!」
見知らぬ少女の声が聞こえた。見れば道端で商品?を並べて物を売っているのが見える。
その少女の横には怪しい男もいた。全く商人らしくない戦闘用の服を着ている。
「くらい顔してんな。そーゆーおまえには、こいつが一番だ!!」
「クロスロード印の元気が出る薬!今なら花とか薬草もセットだ!」
「……まいどあり」
この人がそのクロスロードなのだろうか。危ない薬かもしれない。
「え?いきなりなんですか?」
「あたしは、ろてんしょーだ!クロスロードが作ったわけわかんねーもん、売ってんだ!」
「え?今、わけわかんねーもんって言った?」
「……ソフィの言うとおりお買い得だ」
クロスロードが売り物を触るとあまりの不器用さで一瞬で壊れた。
「クロスロード!客の前で売り物壊すなよ!!ぶきっちょすぎんだろ!!」
「……これは壊れてない。少年、お買い得だ」
容器が割れて緑色の液体がこぼれてるし、完全にゴミにしか見えなかった。
「いえ、その、遠慮します」
「遠慮すんな、このやろー!心開け、バカやろー!」
「心の問題じゃなくて、純粋にいらないといいますか」
「…じゃあ、おまえには欲しいものが、なにもないのか?」
「ほ、欲しいものはありますよ。ただ、ここにはないだけで」
「……ないと思えば、ない、あると思えば、ある。要は心の持ちようだ」
「願望は出来るだけ多く持つといい…貪欲に求めろ。その数だけ少しはマシになるだろう」
「……わかったか?」
「言わんとしていることは、なんとなく……」
レクスはクロスロードが何を言っているのか本当はよく分かっていない。




