役に立ちたい
レクスとリアはカフェに来ていた。
「ほんとーに助かった。ありがとね、レクス」
「さっきの人、知り合いなの?」
「ぜんぜん!知らない人!ナンパよ、ナンパ」
(ナンパを邪魔できたのはいい。僕にしてはナイスプレイだ。その上、手まで握ってしまった。明日は雨かもしれない。――いや、なに嬉しそうにしてるんだ、僕は!?さっきの男の人は僕をリアの恋人かなにかだと勘違いしたかもしれない!僕程度の男が恋人だとしたら、リアもその程度の女性だと誤解されかねない!)
「ごめんよ、リア!ナンパの邪魔をしたのが僕なんかで!」
「……どうして謝るの?」
「いろいろメタ認知したら、リアに迷惑をかけたかもしれなくて……」
「あいかわらずね、レクスは……それで、記者としてうまくやってるの?」
「え?あ、うん、ぼちぼちかな。この島に来たのも取材のー環なんだ」
「リアはどうして、この島に?もしかして、調査員の任務とか?ほんと、旅行だったらいいんだけどね……」
「……あぶなかったりするのかな?」
「禁忌の調査に安全なものなんて、ないわよ」
「……ぼ、僕も手伝うよ。ほら、これでもー応、荒事では役に立てると思うし」
「気持ちは嬉しいわ、ありがとう。でも、大丈夫。今回はパートナーがいるから」
「レクスも取材があるのはわかるけど可能なら帰ったほうがいいわ」
「あ、ここはナンパから助けてもらったお礼に、あたしからの奢りってことで。じゃあ、またね」
「はあ……」




