リアの事情
人々が自ら至った英知、解析した古代の技術は、時として災厄をもたらす。
人に仇なす魔術を人々は恐れた。それを禁忌と呼んだ。
禁忌を外に出さず、管理することを目的とした組織。
――煉園――
わけあって、リアは、煉園に所属している。
あの事件から2ヶ月の時間が経っていた。
リアは煉園の医療施設に来ていた。
「体内のソウル量も平均値。問題はない。定期健診は終わりだ」
「しかたがないとはいえ、定期健診ってのは憂齢……」
「そのセリフ、君と同じ先天性ソウル欠乏症の患者に聞かせてやりたいな」
「わかってますよ、クルスト先生。自分が生きてることに感謝はしてます」
ソウルは自然や命に宿る力だ。リアはソウルを生み出す力を持たずに生まれてきた。
自らソウルを作り出せなければ、当然、長生きはできない。リアは五歳まで生きられないと医者に言われた。
「わかってると思うが、くれぐれもソウルが枯渇してる土地に長居しないように」
「君は自然のソウルを吸収しなければ生命活動を維持できないからね」
「わかってますよ。ソウルの多い場所にいろってことですよね」
「もともと君に施術された禁忌は危険だからな」
リアが生きていられるのは禁忌の術式を体に施術されたからだ。
ソウルロードと呼ばれる古代魔術。本来は人のソウルを食らうための禁忌だったらしい。
「ソウルロードの術式を、どうやって組み直せば、君みたいになるのか……」
「まだ、あたしを助けてくれた先生の居場所はわからないんですか?」
「記録は全て抹消済み。わかってるのはインテリゲンチアを去ったことくらいだ」




