闇へ
サリオは赤いセルタントを連れて崖へと来ていた。この高さで落ちたら生きていられるか分からない。
「粘着質な男は嫌われるぞ。いや、君は女性かもしれないが、どちらにせよ、よくはない」
「…………」
「だから返すよ。このコアを!」
サリオは手にしていたコアを崖の下へと放り投げた。
赤いセルタントはコアに気を取られている…隙ができた。
「代わりにお前の首をいただく」
「……!」
赤いヴァリアントの首がはね飛ばされた。その首と体は勢いのまま崖の下へと落ちていく。
「…………」
サリオは服の袖から伸びた糸を手繰り寄せた。
その先にはコアが結ばれている。
(縫合用の糸があって助かった)
(首の代わりに、こっちの脇腹も持ってかれたな。治癒術式を使うには。ソウルが足り……)
「……」
後ろを振り返ると赤いセルタントがいる。登ってきたのか…その上死んでいるはずだった。
(首をはねられても生きてるだと?いや、すでに死んでいるのか……?どちらにせよ……)
「化け物め……」
「…………」
赤いセルタントが左手を振り上げる。
サリオは攻撃を避けることができたが…
衝撃にサリオの体が宙に放り出される。一瞬の浮遊感のあと……
(落ち……)
海に落下した。生きているのか分からない…そして……
「…………」
赤いセルタントはコアを拾うと無言のまま、闇のなかへと消えていった。




