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プロヴァンス戦記  作者: 雪臣 淑埜/四月一日六花
scene 01『メサイアの産まれた日』
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第八話『いまや往にける兄のおもわをもとめて』

最近やたらとアホ毛が立つのですが、いちどアホ毛に「めっ! ひっこんでなさい」と言ったらほんとうに引っ込んでくれました。ぼくのアホ毛はお利口ないい子ちゃんだったようです。


まあ、ともかく。


プロヴァンス第八話です。かわいがってください。

 抜けば玉散る氷の刃。ふかい(あか)の髪をなびかせ、矗立(ちくりゅう)する杉の頂のうえで不動にたたずむ少年は、ひそかに刃紋(はもん)に映るひとりの命のいろをながめていた。アルデ・バランス。彼こそが少年の狙うべき命にほかならない。時刻はとうに二十四時を過ぎており、辺り一帯には人気(ひとけ)も音なかった。だから、本部基地から出てくる人間の気配を察知することはむずかしくなく、暗殺稼業に日ごろから身を(やつ)しているディオークであれば、なおさら造作もないことなのである。”月”の上層部からの伝令では、暗殺は今夜のうちに遂行するべきであるがゆえ、明日を待つ余裕などディオークにはない。なのでどうにかしてアルデを本部基地のそとへとおびき寄せなければならない。そのおびき寄せる方法について、ディオークはかれこれ思案した。

 みずからの命の危機をいまだに知らぬ存ぜぬのアルデは、案内されたシータの隊室で悠々とくつろいでいた。ロフトベッドの二階であおむけとなり天井をみつめ、今日一日のことをぼんやりとふりかえっていた。そんなアルデをたびたび一瞥しながらにやにやと笑うシータは、しずかに書類の整理をしていた。ティックタックと秒針のすすむ音がひびくごとに、アルデのまぶたも上がったり下がったりとせわしなかった。彼はつかれていた。二日前ではわけもわからずに殺されかけ、昨夜では敵の手煆煉(てだれ)たるジンを、そして今日では敵の頭領(トップ)たるルシファーをして命からがら撃退せしめたのだから、無理もない。たいした外傷を負っていないとはいえ、体力を消耗しすぎてさすがにくたびれていた。

 「しばらくはそこのベッドを使ってね」

 「お世話になります。すみません」

 はかなげな礼の言葉を口にするアルデは、いまにもねむりに陥ってしまいそうであった。

 「いやいやぁ、お世話になっちゃうのはむしろわたしのほうだからぁ……」

 「そうやってやらしい笑顔でぼくをチラッと見るのはやめてくれませんか……ところで」

 「なーんだい?」

 目の輝きをうしなわせないシータ。

 「このベッドって、誰のですか」

 「ああ、わたしのベッドだけど」

 「下のベッドに移ります」

 「まって! 寝心地が悪かった? ごめん!」

 仕事を放り出して、周章(しゅうしょう)して起き上がるアルデを止めるシータ。アルデは少々うんざりしたかのような表情を見せた。

 「そうではありません。こわいんです」

 「こ、こわくない!」

 「こわい!」

 「そこまではっきり言われるとさすがにショックというか……」

 「じゃ、じゃあ、きもちわるい」

 「あ、それならまだやわらかい表現だわ」

 (度合いがわからない……なにを以てしてやわらかいんだろ……)」

 「で、お姉さんのどこがこわいの!」

 「積極性です。ちょっとは落ち着けないんですか。あの、ゆうべの、アビストメイル殿下と対面したときのような落ち着きを所望します」

 「なるほど。うん、落ち着きを払わないとね!」

 (なぜそう必死になるのかさっぱりわっかんないだけど……)

 早速深呼吸をして、にらめっこの児戯(じぎ)でもするかのように、アルデの顔をじっとみつめるシータ。一秒、二秒までは耐えているけれど、そこからがだめだった。だんだんと深刻なおもわが崩れ始めては柔和となり、阿呆のように笑い声をこぼすのが帰するところとなった。化けの皮が剝がれて、邪気が皮膚をとおしてあらわになっていくさまに、鬼魅(きみ)の悪さを禁じえなかったアルデはおもわず目をそらし、「もういいです、愛想がつきました」と容赦ない一言を食らわせた。

 「エレフさんの隊室に行ってもかまわないですか?」

 「え!? や、やめて」

 さらに必死になるシータ。

 「なんかされそうだからやだ!」

 「だいじょうぶだって、なにもしないって。べつにアルデきゅんが朝起きたとき、アルデきゅんがつかった蒲団(ふとん)と枕のにおいを嗅ぎまくったりはしないって!」

 「ボケたいと主張しているかのごとくに、ふつうに本心を吐露しましたね」

 「あ、待てよ。いや、アルデきゅんとエレフのラブラブ……」

 危険な発言をしようとしたそのとき、シータの携帯の着信音がうるさく鳴りだした。

 「あら、噂をすればエレフだわ。なにかしら……ちょっとお姉さん出るね、帰ったらあそぼうね」

 「あそびません! しっしっ!」

 ゴキブリを追い払うように遠ざけようとしてくるアルデに心を痛め、後ろ髪を引かれつつも室内から出るシータ。ドアの閉める音はアルデの心に染み入り、たちまちふうわりとしたやすらぎをもたらした。ひとり、隊室にとりのこされたアルデ。つれづれをまぎらわすものなどなく、さみしさをまぎらわす話し相手もいない。彼はふたたびベッドであおむけになり、何の変哲(へんてつ)もない天井の鑑賞に没頭した。そのさなか、とある言葉が彼のあたまのなかでぐるぐるとわずらわしく廻りだした。アビストメイル殿下の言葉であった。

 「おそらく、君の兄はテロリストだったのでは?」

 そんなはずはない。アルデはやはり自分の兄がテロリストであることを信じなかった。人一倍正義感があるとはいえ、反逆の片棒をかつぐ度胸までは持ち合わせていない兄に、テロリストなどというたいそれた危険な仕事をこなせるはずがない。それに、かつて世をさわがせたテロリスト、『紅の教団』といえば、無辜(むこ)なる民衆にも手をかける、国家救済にかこつけた殺人のあつまりときいている。そのあつまりに気弱でやさしい兄が所属していたなどとは、本来考えるにも値しないありえないことである。しかし、兄は(たし)かに「国家を戍っていた」と豪語していたのだから、テロリストに所属していないとはもはや考えにくい。ありうると考えざるを得なくなった。

 そもそもの(はなし)、なぜあれほど気弱でやさしい兄が『紅の教団』なぞに入ったのかも解しがたき謎である。なにが兄の動機となったのか、なにが兄の目的だったのか、考えれば考えるほど、わからなくなっていった。光は一片一片ずつあかるさを喪失し、やがて曖昧模糊なモザイクが視界全体を覆いつくせば、うとうとと少年はうつし世から遠のき、幻想的な場所へといざなわれていった……

 五年前、ミズガルズ暦六三五年の十二月。朔風(さくふう)がしらゆきを茅葺屋根(かやぶきやね)(はこ)んでやまなかった冬の日のこと。身を縮こませながら小本をしめやかに読んでいるアルデは、なにも告げずにどこかへと行ってしまった兄の帰りをじっと待っていた。冪冪(べきべき)たる雲によって月光の足さえも垣間見えず、まことの暗澹(あんたん)と冷気が家の中にてたむろしていて、アルデは半點(いささか)の恐怖とさむさを徐々に感じはじめ、ますます体をふるわせていた。アルデにはもともと両親がいない。むかし兄から聞いた咄に依拠(いきょ)すれば、両親はともにルーシア王国軍関係の人間だけれど、不運なことに()る日の事故で落命してしまったらしい。それゆえにアルデは、兄とふたりで生活していたのだ。しかし生活は断じて楽なものではなかった。どういう職に()いていたかはわからなかったけれど、兄が一箇月にひねりだすのは十五枚の銅貨と五枚の銀貨。食費に回すのが関の山であり、ときにはあまりかせげずにさらにひもじいおもいをすることだってある。ぎりぎりの生活強いられて、息を抜くいとまはいちども賦与されなかった。

 さむさですっかり固まっていたアルデの体をあたためたのは、彼の兄の肉からどっぷりと流れ出た新鮮な血液であった。

 兄は帰ってきた。青々とした血相で、肩に生々しい切り傷を負って。異様な雰囲気で弟の(もと)へ帰ってきた。ふつうなら寒天の下をあるけば汗などかくことはないのだが、兄は(あぶら)のかたまりと称してもさしつかえないほどに、汗まみれであった。かなり必死で走って帰って来たのだろう。ただ、なぜそう必死になっていたかまでは理解が追えない。アルデはいままでの殊勝顔(しゅしょうがお)から一転して吃驚顔(きっきょうがお)となって、兄のそばへと()け寄った。

 「な、なにがあったの、リゲルお兄ちゃん」

 「ごめんよ、アルデ。ボクは、もう、アルデとは一緒にいられない」

 ただならぬ罪悪にさいなまれた顔で、リゲルはおさないアルデを抱いて、そのやわっこい頭を愛撫(あいぶ)した。

 「一緒にいられない、どういうじょうだんなの、それ」

 「オマエまで巻き込みたくない。はやくここから離れて」

 「巻き込みたくない? わかんないよ、お兄ちゃん」

 不安で涙目になりだしたアルデ。リゲルのその意味深長な言葉だけではなく、リゲルが手に握っている鉄の剣も(また)不安の根源のひとつであった。あれほどやさしい兄がこんな物騒なモノを所持しているなど、アルデはゆめさらおもっていなかったのである。

 「どうしたの、こたえてよ、お兄ちゃん」

 答えるのに渋りつづけていたリゲルはついに開口した。

 「だいじょうぶだ、オマエだけは死なせやしない……」

 つくづく兄の意図を知りたくなったアルデ。しかしそのとき、日常が木端微塵(こっぱみじん)にされる音が派手に虚空(こくう)で爆散した。ふたりの男が扉を乱暴に蹴り飛ばして入ってきたのである。軍服とはちがう、いにしえの魔術師を彷彿(ほうふつ)とさせる奇異な衣装を身にしていた。

 「逃げ場はないぞ、リゲル・バランス。この裏切り者めが。英雄ルーシスの御名のもとに、今我らが天誅を下す!」

 「されど傭兵として組織に貢献してきたその功績に免じて、楽に殺してやる。ムダな抵抗はよしておくことだ」

 厳かな立ち姿で、ふたりはリゲルの死刑宣告をした。

 「ま、待ってくれ!」

 おそらく無意味であろうが、リゲルは、弟を守れる可能性があるならここは一旦話し合いに打って出ようと考えた。

 「往生際が悪いぞ。貴様がミストラル様に刀を向けたところを目にした者は多い。言い逃れできるものか!」

 「そ、それは、わかっている。この()(およ)んで弁解するつもりなどない。いや、弁解など必要ない。刀を向けたのは事実なのだから……だけど」

 「……なんだ」

 「だけど、アルデは……」

 「アルデ。……そこにいる子どものことか。そいつがどうした」

 「ボクを処刑するのはいいが、アルデには手を出さないでやってくれ」

 「裏切り者の言葉に、なぜ我らはしたがわにゃならんのだ?」

 「え?」

 「そうでなくとも、その子どもは我らを目撃しているのだ。非常に不本意ではあるが、殺さなければならん」

 無慈悲な返答に、リゲルは一層険しい表情となった。

 「英雄ルーシスの意志を受け継ぐ者と名乗っているのに、罪もない子を殺めようというのか! アンタたちは通通都是(みんなみんな)不懂羞耻(はじしらず)なのか!」

 「革命は民衆を救うのだ、リゲル。民衆を救うためならば、一人の民を殺すくらいはたいした支出にはならん」

 「よしんばいずれ天命が(あらた)められたとしても、そのようなひねくれた考えをもったアンタたちに、民衆がついていくはずがない!」

 「ふっ、十一歳の子どもには、大義というものがわからないのもしかたがない。まあ、いまさらそんな議論なんてしたくはない。ガストラ! こいつと弟の首をちょん切ってやれ。兄弟仲良く旅立たせてやるんだ」

 「言われなくても!」

 背中にある巨大な斧を手に持ってかまえる男は、のっしのっしと兄弟のほうへと歩み寄った。リゲルはぼろぼろの体でアルデを庇った。彼の血、汗、体温、そして涙は、凍えて硬くなっているアルデの筋肉にぬくもりをあたえた。

 もちろん、アルデの命はこの斧の刃によって両断されることはなかった。リゲルが庇ったからではない。もしアルデがそんな痛ましい結末をむかえていたら、彼は現在も存在していることはありえない。アルデを庇ったのはリゲルであったが、リゲル以上に庇ったのは、謎の少年であった。

 「あ、あなたは……!!」

 斧を振り下ろした男・ガストラは、あまりのおどろきで顔が黄緑へと変色した。自分よりもひとまわり背丈の小さい人間、あまつさえ自分よりも歳が下の少年にこれほど畏怖を感じているということは、つまりはこの少年はこの男の知り合い、というかこの男より格が上の人間である。そういった事実が暗に示唆されていた。

 すると、巨大な斧を、細長い騎士剣で軽く受け止めたその少年は、しばらくしてからついに口を開きだした。

 「ガストラ、ベルニア。国家救済の名目を(かか)げながら罪のない者のイノチをうばうことは、そう簡単に(ゆる)せる所業(しょぎょう)ではないよ」

 「へ、陛下!?」

 陛下。この尊称にアルデは耳を顫動(せんどう)させた。自分たちにこのような凶行をしでかした者たちの上には、国王陛下が居た? しかし、どう見ても十代の少年であるし、声もそぶりも若すぎる。国王陛下は貫録ある初老の(かた)であるはず。こんな少年では決してない。なのに、なぜ陛下と呼ばれているのだろうか。アルデには理解できなかった。

 「なにゆえ、陛下がこのようなところにおいでに」

 「リゲルが謀反(むほん)を起こしたという報を受け、いま駆けつけてきたのだ。それより、……会議もないまま処刑か。いつからそんな権利がキミたちの手に渡った。しかもボクの了承を得ずに。リゲルの魂の真贋(しんがん)をたしかめずに滅することこそ、『紅の教団』の教条(ドクトリン(そむ)いた悪ではないのかい」

 「そ、それは」

 弁明に徹しようとしたベルニアをさえぎって、

 「キミたちが紅の正義に参ずることができるのは、ボクのおかげ。そのボクの意志とは関係ないことをしてもらっては困る。『紅の教団』に限った話でもない。どこの、どのような組織でも、独断専行は看過できないタブーなんだ」

 と、一旦聞く耳を捨てた少年は、きびしい言葉をぶつけた。

 「だから、違反をした無能にはこうするんだ」

 そして彼はふたりを瞬時に斬り捨てたのである。

 「ア……リア、さん」

 意識が朦朧としつつも、少年に声をかけるリゲル。けなげに弟を抱きかかえているが虫の息で、目はうつろであった。

 「リゲル……その傷は……」

 少年はうつむいて、歯を食いしばったあと、こう言った。

 「いますぐ治療することはできない。それにその傷じゃあ手遅れだ」

 「いいんです……自業自得ですから」

 「っ!! ごまかそうとしてもムダだ。ボクにはわかっているんだぞ、キミは嵌められただけだ!……くっ、なぜあのときのボクに、()()()()()()()()()()()()!? もっとはやく視えてさえいれば、このような事態にはならなかったのに」

 くやしさでひざまずく少年に、リゲルはひとつ願いを聞かせた。

 「最後の願いです、陛下」

 「……なんだ」

 「醜態を晒しておいて、図々しくて恐縮ではありますが、ボクの代わりにアルデを護ってやってください。アルデがしあわせに過ごせる場所へ……」

 「……届いた。その願い、たしかに届いた。……リゲル、もう休め」

 哭声(なきごえ)が、アルデが気を失うまでに聴いたものだった。それは夢から醒めるまでに聴いたものでもあった。しかし、夢から醒めてから数秒後にも哭声は聞こえた。アルデの哭声であった。かつて忽如(こつじょ)自分に襲い掛かった悪夢をまたしても観てしまったアルデは、なみだを我慢することができなかった。

 (いましておもえば……慥かにお兄ちゃんはテロリストに関わっていたのかもしれない。だけど、テロリストには成り下がっても、兄として居続けてくれたことも真実(ほんとう)だ。最期の最後まで弟のぼくを心配して、死んだ。到底責められないよ)

 アルデはふたたび目をつむった。あまりつらいことを考えたくないがために、べつの夢に逃げ込もうとしたのだ。

 夜も更け、時刻は2時を過ぎた。シータはまだ隊室に帰ってきていないようだった。本部基地内の電灯のおおよそは消され、明暗はあまり残されていなかった。

 暗殺にうってつけの状況だ。外に居るディオークは窓からアルデのねむるところを見てそう思った。仕事の邪魔だてをする構成員がいないのは好都合。ただ、本部基地内部は暗闇に覆われていても、”太陽”の構成員でない他者の侵入を察知する赤外線センサーの存在はあなどれない。赤外線センサーに隙はなくほぼ完璧。露呈する確率がかなり高い。したがってこのまま網を潜り抜けて入るのにはリスクがあり、べつの手段を用いらねばならない。ちょうど『鋼沙門(こうさもん)』付近には六人の門番がいる。彼らを倒して、彼らのうちの誰かに変装して入れば問題ない。構成員の服自体がICカードのようなものだから、うばった服で入れば赤外線センサーには引っかからない。もちろん仲間を呼ばれるとまずいので、呼ばれる前に彼らを素早くノックアウトする必要がある。こういったスピードを肝とする戦いを、ディオークはとりわけ得意としているのだ。

 「ぼくたち六人だけで警備というのは危なくない?」

 見張りの一人が言った。

 「そうだなあ。おれらは所詮ステージIIの搾りかすみてえなもんだしな」

 「だよね。もしプロヴァンスから練達の兵士が送り込まれたら、ぼくたちじゃかなわないよ」

 「けど、弱音を吐いてもしゃあねえ。勝負ってのは気持ちが(かなめ)だ。そんな弱気じゃ、一秒立たずしておっ()んじまう」

 「気持ち以上にぼくらの力量はもっと弱いだろう? 精神論が通るなら、世の中平和だよ」

 「まあ、そうだけどよぉ」

 「あのね……」

 そのとき、プロヴァンスからではなく、”月”から練達の兵士、ディオークが彼らの前に舞い降りた。六人はすぐさま彼の出現を悟ることはできたが、剣を抜くまでが遅すぎた。神経が追いつかないほどの(はや)さでディオークは走り、刀を抜き、そして(さば)き……六人の体躯(たいく)に赤い血桜(ちざくら)豪奢(ごうしゃ)に咲かせ……枯れさせた。

 全員を仕留めるまでの時間はわずか五秒だった。

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