作者のコメント その2
箸休めその2です。
ゆっくりしていってください。
喜多木 詩埜と申します。ちかごろ精神の不調により執筆のテンポが落ちに落ちて、実を言えばこのコメントを書き記しているさなかでも、胸がきゅうっと締め付けられるような痛みで飽和しており、頭も朦朧として頬杖なるものをたいへん重宝している状態です。しかし小説の投稿が遅れても、小説の執筆自体はやめることは特殊な事情がないかぎり絶対にないため、その点においてはなにとぞご安心ください。
さて、手前が筆ならぬキーボードを執りましたのは、茲までの『プロヴァンス戦記』の話を書いた経緯について少々お話したいがゆえであります。要約すれば、本作の主人公・アルデ・バランスがついにレジスタンスに籍を置き、ルシアとディオークとともに小隊を組成し、これから剛毅たるプロヴァンス帝国軍との戦いにいかに立ち向かうか。これが『プロヴァンス戦記』の現況となります。第十八話までの道のりは長く峻嶮としていて、たびたびのスランプという名の災難に見舞われしこと指折りではかぞえきれず、執筆のモチベーションが上がったり下がったりときわめて不安定でした。借口のつもりはございませんが、これもすべて戦いに対する迷いと過去への執着に縛られるアルデに手を焼いたせいであります。聖剣にえらばれた唯一無二の者という自覚にさいなまれるアルデは非常に動かしづらく、彼の心理描写やセリフなどを考えれば考えるほど、ほかの描写がおろそかとなってしまい、話の進行が幾度も滞ることがやたらとありました。なので、アルデの闇をあくまで一時的に打ち払ったエンデュリオンには感謝の気持ちでしかなく、小学生の作文ではありませんが、彼に活躍の場をもっとあたえてあげようとぼくは切々と思いました。アルデとエンデュリオンの絡みはこれからも増やしていく予定なので、読者の皆さま方も暖かいまなざしで彼らのすがたを見ていただけると、ぼくも幸甚に存じます。
バトル漫画をたくさん読み、そのアニメ作品を鑑賞したことも多い。なのにもかかわらず、ぼくは戦闘描写というものをひどく不得手とし、できるだけ忌避する方向へもっていきたいほどであります。第十八話以降ではもはや戦闘描写に主眼を置くこととなるため、吐血の毎日がやってくる、メリークルシミマスが今年もやってくる、といったテンションが自身にやどらないか、心配で心配で食事が喉を通らず、睡眠だとなぜか毎晩ぐっすりであり、甘い夢のオンパレードであります。きっと疲弊しているぼくに憐憫の情をもよおして、神様がせめてものなぐさめとしていい夢を見せてくれたのでしょう。いや、そんなことより小説のいいネタをください。けわしい山道を乗り越えた先には、いままでよりさらにけわしい山道が待っていた。しかもそれは何座もつらなる山脈であった。道なかばで挫折しないためにも、読者の皆さま方からエールを頂ければぼくも踏ん張れると思いますけれど、そのエール自体めったに来なくてさびしさでいっぱいであります。
つまり君はいったい何が言いたいのだというと、いいえ、べつにとくに言うことはございません。心の奥底に溜まりに溜まった弱音を一気に吐き出したかった。それだけのことでございます。
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【おワンコ系ザムライ】
ディオーク
フルネーム:ディオーク・ドラクロア
年齢:10→11
誕生日:2月26日 (キャラ制作日はルシアと同じ2016年5月12日)
血液型:B型
好きなモノ:アルデ様、おしるこ、おにぎり、仲間
嫌いなモノ:猫 (猫アレルギー)、孤独
アルデ様の人柄に感銘を受けて忍者からサムライへと華麗なる転職を果たした忠犬。アルデ様のことが心配だからといってアルデ様と同衾したり、アルデ様に付き添ってトイレに入ったりすることがあるため、レジスタンスの一部の女子からは多大なる興味を持たれてしまった。アルデ様のこととなると持ち前のクール属性が消失し、しばしばドジを踏んだりすることがある天然ぶりがからかわれ、レジスタンスの女子たちのあいだではひっそりとした人気がある。
【いきなり無敗伝説】
ヤクト
フルネーム:ヤクト・ヴィオン
年齢:13→14
誕生日:9月9日 (キャラ制作日は2016年9月9日)
血液型:A型
剣をとれば鬼、銃をとっても鬼、槍をとっても鬼と、多方面での活躍を見せてくれる能ある鷹。その天性のバトルセンスが功を奏して、レジスタンスに入ってから三箇月、なんと単騎で百二十の敵を斬り倒した伝説を築き上げたという。上司への根回しや部下へのフォローをこなしたりもするため、周囲のレジスタンス構成員からの崇敬を一身に浴している。
【女性に間違われるのが悩み】
エンディー
フルネーム:エンデュリオン・マクスウェル
年齢:12→13
誕生日:1月8日 (キャラ制作日は2016年11月30日)
血液型:O型
ヤクトと並んでレジスタンスツートップの剣士の座に君臨する美男子。あまりにも女性的な顔つきをしているので、プライベートでは数々の男からナンパされている。作中で優遇されるために多くの重要人物と関係を持とうとする策士であり、かつてはアマリアの弟子、いまではエレフとはおたがい切磋琢磨してきたライバルと、この時点でもうすでにおいしい要素が盛りだくさんなのだが、それらにくわえて主人公アルデに深い因縁をつけたりして、さらにおいしい役どころを獲得した。よくばりさん。
【ショタ・コンプレックス(ステージⅣ)】
シータ
フルネーム:シータ・リリ
年齢:13→14
誕生日:7月14日 (キャラ制作日は2016年7月14日)
血液型:B型
かわいがっていた弟を隔離されたのをきっかけに、ブラコンの合併症であるショタコンに苦しむことになった悲劇の少女。いまではショタコンの症状もますます悪化していて、年下の少年を見れば理性にかまわずに襲いに行くことが日常茶飯事と化している。最近の趣味はスナイパーライフルでアルデのプライベートをのぞくこと。本人曰く、のぞいたなかでもお気に入りなのは、アルデの入浴シーンと就寝シーンとのこと。
【顔に似合わぬ殺戮の風】
クリストフ
フルネーム:クリストフ・ミラーナイト
年齢:12→13
誕生日:6月10日 (キャラ制作日は2018年6月10日)
血液型:B型
穏やかかつかわいい顔をしているのに、両手から放つ二つの竜巻で敵の血肉を粉々に切り刻む殺意の高い武器を持つ完璧超人。詩文、音楽、絵画、料理、武芸などすべてに長け、おまけに女子からもちやほやされたりしているが、告白してきた女子をどうやって断ろうかと数日悩んだり、デートをするのはいいがうまくしゃべらなかったりと、女性に弱いという欠点を有している。
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ほのぼのとした日常は一旦幕を下ろし、血腥い戦いの幕が上がる。戦闘描写の多用を強いられる毎日が始まる。へたな小説を見せて恥をさらすことがないように、ぼくもそろそろ図書館などに定期的に通って、そこでバトル物のライトノベルを濫読し、いろいろな作家のテクニックを勉強し吸収していこうと思います。茲からさきはいままでよりずっと艱難辛苦が多いでしょうけれど、ぼくは屈せず、アルデたちと共に戦場を駆け、勝ち抜いていきたい。作者も亦レジスタンスの勇士なのだから。




