孤独に一人歩む者
運命に抗え。
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・ここは・・・何も見えない?いや、宇宙空間?
星々が見える。俺は、何者だ?何故身体が無いんだ?
遠くに、地球のような星が見える。引き寄せられてく。
引き寄せられていく・・・
これは・・・・・
夢か?異世界?それとも違う時代?自分の知っている世界とは違う気がする・・・
まあ、どの道ろくな夢じゃないな。だってみろよ・・・この光景・・・
燃え盛る炎。
そこら中血の海で、死人だらけだ。
焼き尽くされ破壊された街並み。
隣の国と隣の国との諍いに巻き込まれたのか、
賊に荒らされたのか、事情は分からない…ただ、
地獄のような光景が続く。強者は弱者を踏みにじる。
徹底的に。優生劣滅の理だ・・・仕方がないんだ。
弱き者は日々のやっとの生活すら踏みにじられる。
何故こんなものを見せられるんだ・・・
「いいか貴様ら!見つけた宝は早い者勝ち。男は見つけ次第皆殺し。いい女と
子供は捕らえて奴隷として売り飛す!解ったな!」賊の領袖らしき男が叫び、
賊共の略奪が始まる。僅かに生き残った者たちの運命は悲惨なものだ・・・
日々を精いっぱい生きていただけなのに、ある日突然理不尽に全てを
奪われる。文字通り全てを。
「この子だけは!」母親らしき女性が子どもを守るように抱きかかえながら叫んだ。
「へえ、いい女だな。お前は今からおかして、このガキは売り飛ばす。
おい!そのガキの目の前でこの女犯してやるから押さえつけておけ!」
賊達に押さえつけられる子ども。母親を犯しながら興奮した目つきで
「いいか。目を逸らすなよクソガキ。俺の唯一の人生の楽しみなんだからな!」
とこどもに怒鳴る。
泣いても叫んでも、誰も助けてはくれない。
そんな世の中だ・・・
「うわ~ん!お母さん!」
その叫びは誰にも届かない。正義の味方なんていない。いないんだ。
この世は悪がはびこり、悪が勝利して終わるんだ…人間なんて
その程度なんだ。だから…
賊のリーダーにその母親犯される様子に興奮した子どもの押さえつけ役をしていた賊が
性別や年齢に見境なく子どもに欲情の目を向け始め口を開く。
「よくみれば可愛い顔してんな。なあ兄貴、俺。」こどもの母親を犯しながら賊が
「おい、そいつは売り飛ばすんだから傷ものにするな。やるなら口だけにしておけ。
俺が後で親分に殺される!」と耳障りな声を出す。
「へへ、兄貴の許可もでたし、俺も楽しむかな。へへへ・・・」
人間、一度堕ちたらことこん墜ちていく。この賊達も、元々は無垢な
子どもだった。運命が悪い方に悪い方に転がりだして、気が付いたら
人を傷つけてもなんとも思わない化け物になっていた・・・よくある事だ。
人が悪いんじゃない。社会が悪いんだ。こんな世界で、どうやって
まともに生きていけってんだ!?誰か教えてくれ!僕に力を・・・・・・
そう思った時、初めて脳に響くような女の声が聞こえた。
「・・かりました。そ・・・がい・・・叶えましょう。」
『誰だ?俺は何故ここにいる?何故こんな地獄を見せられている?おまえは・・・誰だ?』
「わ・・は・・・です。あ・・にこ・・運命・・・・・・・って、ごめ・・・。」
『え!?その姿…あんたは、母さん!?』
光が収縮し、爆発した次の瞬間、俺は素っ裸で剣を持って賊達を皆殺しにして突っ立ていた。
それが俺だ。ここは?俺はどうなった?今の状況は?
目の前には、俺に斬られた賊共の死骸と、犯されて気が狂って死んだあの子の母親がいる。
あの子どもはどうしたんだろう?あの子を犯していた賊は多分この剣で俺が殺したはず。
何処に行った?無事、逃げたのだろうか・・・ふと燃え盛る建物のガラスに反射した
自分の顔が・・・「あの、子どもだ。俺は、あの子どもだったのか?俺が乗り移ったのか?」
頭が混乱する。その瞬間吐き気が襲う。あの賊のあれをくわえさせられていたのだ。
胃の中が空になるまで吐いた。・・・「全てが醜い。酷い。不快だ。なんだこれは?俺はなんなんだ?」
しかし運命は、そうやって思考の迷路でのたうち回る事すら許してはくれなかった。
「おいそこの貴様、残党か?それともこの街の生き残りか。」騎士と思しき者が
剣をこちらに突きつけながら向かってくる。
状況が呑み込めない俺に、この騎士と思しきものは見て状況を察したのか矢次に
「この街はもう駄目だ。生き残りはお前を含めた僅かしかいない。辛いだろうが、
受け入れるんだな。あそこで死んでいる女性はおまえの母親か?」
「・・・ああ、多分。」かろうじてそう答えることが出来た。
「・・・おまえ、意識に混濁があるようだな。自分の名前は言えるか?」
「・・・いや、思い出せない。俺はいったい・・・」
そういって、急速に目の前が暗くなっていく。
「おい、どうした!」騎士が自分の傍に駆け寄って顔からぶっ倒れそうな
俺を抱き留めてくれたが、その騎士に礼を言う間もなく、意識が遠のいていった・・・
ーーーーーーーー作者よりーーーーーーーーーーーーーーーーーー
始めて書いてみました。これはプロローグです。感想などあるとありがたいです。
なろう小説。ハーレムとか人が自然によってくるとか無双とか都合の良いものや
展開が多すぎて嫌気がさしていたので、そうではない方向性を目指して書く予定です。
次は一週間後くらいに。週いちペースで更新予定です。
続くように書くか、いきなり20年後くらいに話を飛ばすかは今適当に考え中。
理不尽は無尽蔵に起きる。