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prologue

やあ、読み手の諸兄方。そちらがこの物語を読んでる時間が分からないから適当に挨拶させてもらおう。


「おはよう!、こんにちは!、こんばんは!それともハロー?ニーハオ?ま、どうでもいいか」


「まずは自己紹介を。私の名前は田所篤タドコロ アツシ、年齢は32歳で職業は一応探偵ってことになっている。」


「そして事務所の名前は田所探偵事務所。築32年目のアパートの一室を月3万2千円で借りていて、この狭くて汚い1DKの部屋が住居兼事務所というわけさ。」

ちなみに部屋は畳敷きである。


いちいち吹き出しを出すのがちょっと面倒なので、これから極力吹き出しを使わないで世界観やらなんやらを適当に説明させてもらおう。

この世界は一言で言うなら「はちゃめちゃ」だ。



「なにがはちゃめちゃだと思う?」



早速吹き出しを使ったって思っているな?まあ、どうでもいいや。

とりあえず世界観のはなしに戻ろうか。この世界は詰まるところ、闇鍋みたいなもんさ。

科学力では当然のようにタイムワープや瞬間移動できたり、魔法使いやら超能力者やミュータント、果ては異界の魔物まで何でもありさ。



宇宙では惑星間の戦いだとかをやってるし、商店街に行けばスーパーの店長が魔法使いで、魔法をフルに使って分身をして一人でシフトをまわしてたりする。

もはや当たり前の光景なんだが、店内で

店長V「いらしゃいませ~」

店長A「店長Dさ~ん、6番レジを開けてくださーい!」

店長D「はぁ~い、2番目にお並びのお客様どうぞ~」

店長J「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

店長ズ「「お買い上げありがとうございましたぁ~!」」

店長いつか過労で死ぬな。うん。


そうそう、異世界との暖かい交流も忘れちゃいけない。

知性があるやつなら良いんだが、おつむの弱い種族が最近問題になっている。地方都市や田舎で野良オークってのが徘徊していて、都市部では生ゴミを漁って散らかしたり、農作物を荒らして農家さんたちを困らせたりしている。


時々挨拶している近所の大家のおばさんが

「エサあげたらオークに懐かれて困ってるわ~。ウチで飼おうにも旦那がうんって言わないのよォ~!どうしましょ~」

先週オーク共にゴミを漁られてあられもない中身をご開帳してしまった私としては、多少なりともイライラしても仕方がないだろう。

内心このおばさんの顔面につばでも吐きかけたら多少なりとも溜飲が下がるんだろうが、そんなことはおくびにも出さずに挨拶を返す私、ナイス・ガイ。


「まあ、そんな日常と日常の合間にハンバーガーのピクルスの様に事件を挟み込めば、私の突拍子もない一日になるというわけさ」



そう説明しながら、いかにも年月が経った左の肘掛けがもげたアームチェアに座りながら一回転する。特に意味などないのだが。


あと説明しなきゃならないのが私が何で「タ探偵」なんて呼ばれているかぐらいか。

それについてはもうちょっと説明が要るな。


なんでかって言「田所さん!事件です!」


ああ、やれやれ。また事件のようだ。安普請の木製のドアがノックで軋むのを聞き、ため息を付きながらこう言う。


「ようこそ田所事務所へ。」

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