01
「私の事はスーって呼んでください」
え?早速自己紹介?
スーって愛称、とかそのへんかな?
「私はアリス。呼び捨てでいいよ」
「うん、アリス♪」
ワオ。早速呼び捨てですかィ。いや、いいんですけどね。
「俺はカノンだ!!」
あ、名乗ったよこいつ。名前ないくせに。いや私が付けたけどね?
「んなこと聞いてねえよ馬鹿野郎」
あれ?またスーがなんかすごいことを言った気が…
幻聴だよネ☆
「んだと馬鹿娘」
「私はあなたよりは頭いいですよ。絶・対!」
「あ、絶対 強調しやがったな!?」
「名前呼んであげなよ可哀想なス・ウ。」
「俺が一番可哀想だよ!」
「うわー。こういうのって自分大好き人間っていうのかな?」
「ぷ」
「第一名前ってのは個々を判別するためにつけるものであって…」
「うるせぇよ何言ってんだよお前。」
「・・・・・・俺、可愛そう」
「うわあ★ナルちゃんじゃん」
―――
「ねぇ、この村お洒落でしょう?」
女の子が嬉しそうに言った。
無邪気だなぁ――カノンと同じくらいかな?
「うんすごいお洒落。村じゃなくて町みたい」
「でしょでしょ?」
女の子が更に笑顔になる。
「私が頼んだんだよ」
「頼んだって?」
「村の人に頼んでこういう風にしてもらったの!」
「へぇ、いいね」
頼んだ?てことは偉い人ってことかな?つまりは村長の娘、とか?
「そうだ。お姉ちゃん、私の家来る?」
「え?」
私は驚いた。こんな簡単に誘っていいのかなぁ…無邪気ですねぇ。
「来るよね?」
「・・・うん」
―――なんか、強引だな。
ちなみにカノンは遠く離れたところで「の」の字を書いておりました★




