第二章 死神の娘
その村には死神の娘がいた。
娘は村人に酷く恐れられて――――
―――
「ねぇカノ―――ン」
「何――」
「この村やけに静かでな―――い?」
「そッすね―――」
ていうか本当に静かだ。
人がいない。
特に建物は荒れてないし―――。
電気付いてるし、人影あるし――。
なのになんでこんなに静かなんだろう?
「ん。人いるぞ」
「え、まじでー」
カノンの指さす方を見て目を細める。
だってあたし目、悪いもん。
と、なんかぼんやりと人影のようなものが・・
「あ、いるね」
「だろ?」
ていうかこの村、村のようで村じゃないな。村のくせしてなんかお洒落―――
自然、ないし。
「こ――んにっちわ―――」
「えぇ?そこで声かけちゃう!?」
「かけちゃう」
大胆ねー。
するとぼんやりした影だったものがだんだんとはっきりしてきた。
女の子かな?髪長くて背が低い。
んん?走ってきてるぞ? 何故に?
――――あ、転んだ。
「だ、大丈夫?」
距離10Mほどになったところで声をかけた。
「え?何がですか?」
「何って転ん―――あれ?」
女の子は怪我をしていなかった。 服も汚れていなかった。
やっぱ私の目が悪いからかな?
「っておい俺無視かよ」
カノンが割って入る。
「ヶ、下等生物が」
「んなっ?」
女の子がとんでもない事を言った気がする。
幻聴かな?最近多いなぁ。
第二章突入で――す。
仮に読者さんがいるとして、皆さんにはこの娘さんが誰か分かっていることでしょ―――う。多分。




