05
寂しかった
そういつもと違う様子で呟くカノン。
私は何故か、涙を流して、 「私も、」と、呟いた。
ねえだって、 一人は嫌なんだ、
だから必死で、君を探したんだ。
―――――――――――――――――――――
「おい起きやがれ馬鹿。」
目覚めは最悪、私は重い瞼を抉じ開けた。
「ん?カノンー?なんでいるの?」
カノンがいることが不思議で、問いかける。
「い、いちゃ悪いかよッ」
そう怒鳴るカノンに、「ううん、いてくれよぉー」と笑って返した。
「んなッ…」
微妙に顔を赤くするカノンの頭を撫でて、私は言った。
「ねぇ、 一緒に居てね。 …ずっとは嫌だけど」
「ッてめ、俺だって嫌だよ!」
「んふふ〜、」
カノンがキモいというであろう笑い声をあげて、更にぐしぐしと頭を撫でる。
「約束だよ。約束、だから…」
そう言って勝手にカノンの小指と自分の小指を絡ませた。
「指切断ッ★」
「……え?」
兎にも角にも、一つの約束。
過去も全部、全部全部、受け止めてあげるから、
どうか本当の事を話して。
傷を隠さないで。
私の過去、そっと受け止めて。
それでそれで、これからも同じように、接して下さい。
それでそれで、これからも一緒に、旅を続けていきましょう、
とりあえずこの章は終了です!