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spiral  作者:  いいちこ
14/18

01

そっぽを向いたカノンの顔をじっと見つめる。


「………………………」

「………………………………………」



だんだんカノンの汗の量が増えてる気がする。


「もういいよッ」


あ、カノンがキれた。

そのままどっかに行ってしまう。






私は笑おうとした。

けれど笑えず、顔を歪めただけだった。



私は溜息をついた。


息が苦しい。


涙が溢れてくる。





「私は・・っ」



なにがどうなってるのか全く分からない。

視界がぼんやりとなってくる。



嗚呼、カノンを苛めなければ良かったなぁ と、何故か思った。


瞼を閉じる。

私はもやもやとしたまま眠りに落ちていった。





――――――――――――――――――



「く、るし・・・・・・・・・い」

なんとか声を出した。

「ごめん。―――ごめんねぇ・・・ふふ」



ママはただひたすら謝っている。



このままじゃ殺される。

ぷつりとここで 切れてしまう。

私の存在が此処から消える。

皆の記憶からも、いつかいなくなる。




苦しい。



目を閉じたらそのまま逝ってしまいそうな気がした。





もう少しでくっつきそうになる瞼を開けて、私はママの顔を見た。





―――――笑ってる。




――何かが切れる、音がした。

それでもいいと、思ってしまった。




そう思わなければどうなっていた?



私はここにいない。

けれどもしかしたらママはまだ生きているかもしれない。

メイドも、他の人たちも。

カノンは私と出会わず、おそらく一人で旅をしている。

そうだ。それにスーは死ななかった。



私はこんなにも、人の人生を変えてるんだな、と。

思った。思ってしまった。





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