第三章 過去
【ごめんねぇ…】
スーの声は私に過去を思い出させた。
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「ごめんねぇ…」
いきなりママが謝ってきて、私は驚いた。
「シア、許してね・・・」
何を許してと言っているのか、何故いつも明るいママがこんな悲しい顔をしているのか、私は何を言えばいいのか、分からなかった。
「だからお願い。ママの為に」
息が苦しい。
首が締め付けられる。
私は信じていたのに。
ずっと、信じていたのに。
なんで、ここで。
今、私が。
ママに、殺されなきゃいけないんだろう。
結局私は生きたかったのだ。
だから、ママを。
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叩き起こされる。
眠いわ。
とてつもなく。
目の前にある顔を見る。
勿論カノンさんがいらっしゃいますね。
「死んでしまえ―――!」
「なんでだよ!」
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アリスが何かをつぶやいている。
夢を見ているようだ。
怖い夢のようで うなされている。
俺はとりあえずアリスに起きろと声をかける。
―――起きない。
ゆする。
―――起きない。
優しく叩く。
―――起きない。
強めに叩く。
―――やっと起きた。
起きた途端アリスは叫んだ。
「死んでしまえ―――!」
「なんでだよ!」
俺はお前のために起こしたのに!
酷いぞ それは傷つくぞ?
第三章突入―――♪