05
その村には死神の娘がいました。
死神の娘は 怖い怖いお父さんに逆らえず、村人を何人も殺してしまいました。
村人はその娘を恐れて、なんでも言うことを聞きました
或日、村に旅人がやってきました。
娘は自分の家に、その旅人を招き入れました。
召使いはその旅人が何も知らずに娘と仲良く話しているのを見て、心配になりました。
夜、娘と旅人は一緒に寝ることになりました。
娘はある問いをします。
――私は人殺しです。私の事が怖くないですか?
旅人はそれには答えず、昔話を始めました。
娘は静かにそれを聞いていました。
朝早く、召使いは旅人を起こしました。
そして或部屋で、娘が、死神の子だということを教えたのです。
娘はその事に気付いていました。
突然その部屋に娘は入りました。
銃を持って。
旅人は驚いて、それでも言いました。
――人殺しは駄目だよ。そんなこと 許されない。
娘は旅人に問います。
―― じゃあアリスも私を許さないの?
旅人は答えました。許さない、と。
娘は虚ろな目をして、少し考えていました。
そしてゆっくりと銃を自分の頭に当てて―――――
撃ったのです。
娘は勿論死にました。
村は平和になったのかも、しれません。
旅人はまた旅に出ます。
娘の死に様を目に焼き付けて。
第二章終りでーす。